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【狂師日記#54】ジョージ・オーウェルさんの『1984』を読んで

 ずーっと前から気になっていた、後世に語り継がれているディストピアSF小説の金字塔をついに読破!確かに、ものすごく考えさせられる内容だった本作、なんと書かれたのは今から約80年も前。オーウェルさんの先見の明がいかに鋭いのか、本書をお読みの方なら語るまでもないだろう。
 今回は、今更ながら『1984』を読み、この令和の日本社会と照らし合わせながら、俺の考えたことを自由気ままに綴っていく。この小説タイトルだけ知ってるけど、読むのはなぁ、、と悩んでるそこのあなた、ぜひ俺の記事を読んで判断したまえ(謎の上から目線)!


舞台設定

 舞台は(1948年から見た)1984年のロンドン。この小説では、世界がオセアニア、ユーラシア、イースタシア(日本、中国、東南アジアを統治)という3つの大陸に分けられ、これらは三国志のように三つ巴の戦争を日常的に行っている。がしかし、その戦争が実際に行われているかは、誰にも分からない。主人公のウィンストンもそこに疑念をもち、中盤に入手した禁書には、継続的な戦争を装って物資浪費を促進することで、人々を統制しやすくしているとの内容も。

ビッグブラザーはあなたを見ている

 主人公のいるオセアニアの広告塔として、街のあらゆるポスターやモニターに描かれるのが、ビッグブラザーなる人物である。例に漏れずその存在は不確かであるが、人々はこれを妄信することを強いられる。
 ビッグブラザーはテレスクリーンというテレビと監視カメラを兼ねたような機械に常時映し出されており、人々は自宅内でさえその監視網から抜けることはできない。疑いの表情一つでも引っかかると、後述の思想警察により存在を抹消されることになる。
 なんとも恐ろしい監視社会だが、我々の生活は、間違いなく片足をそれに突っ込んでいる。というのも、スマートフォンを通して我々の情報は一挙に管理されているという。かつてバイク旅の道中でスマホを落としたことがあるのだが、中身そのままの新端末がショップで受け取れた。このとき俺は安堵と同時に恐怖を覚えた。今これを読んでいるあなたも、、

ニュースピーク

 民衆を洗脳する手段の一つに、が英語にとって代わった「ニュースピーク」と呼ばれる公用語がある。
 この「ニュースピーク」の主たる特徴は、徹底的に語彙の数が絞られるということである。例えば、「好き」という言葉の対義語で「嫌い」という言葉が存在する。ここで、「好き」の前に否定を意味づける「非」をつけて「非好き」(=嫌い)という活用を用いることで、「嫌い」という語彙を削除することができる。
 このような手法で徹底的に語彙を削減したのだが、その目的は何か?
 そう、みなさんが予想している通り、民衆を愚鈍にするためである。
 人間は思考する際に、頭の中で言葉を使って考える。そう、例えば漫画のキャラクターの独白のように。だからこそ、多くの語彙をもつ人間は、思考の幅が増え、多角的・多面的に物事を考えることができるのだ。

ダブルシンク

 ちょっと説明が難しいのだが、この世界では、ダブルシンクと呼ばれる思考法が存在している。これは、矛盾する2つの考えを同時に抱きながらも、その矛盾に気づかない能力である。住民は皆これを用いることで、ビッグブラザーの矛盾だらけの政策や成果を素直に受け入れることに成功している。ついこの間までユーラシアと戦争していたのに、いきなりイースタシアとの戦争に変わってしまっても、人々はダブルシンクによりそれをすんなり受け入れる。

真理省

 そしてそのような歪な過去をむりやり正しく修正するのが、主人公所属の真理省の仕事だ。これまでに出版されたあらゆる媒体から、ビッグブラザーの話と矛盾する内容を片っ端から書き換えていく。いわゆる過去の改ざんだ。そんなことをしている職員たちさえも、ダブルシンクにより政府を疑うことはしない。というか、したら捕まるからね。


社会主義の恐怖

 この小説では、極端な社会主義への警鐘を鳴らしているように思われる。そして、我々人民一人ひとりが、誤った情報に踊らされるのではなく、自分の頭で考えることが必要であると。今となっては常套句になった啓蒙ではあるが、これを80年前から唱えていたジョージ・オーウェルの想像力は脱帽に値する。そして、現に我々はこの世界の住人のようになりかけている。このように、小説から生きる術を学ぶことができるのは、大きな学びだ。もっと本読もっと(浅っ!)。


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