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日銀短観では見えないAI巨大市場

MIDZUKIWORKS企業分析シリーズ③
日銀短観では見えないAIの巨大市場
目次
① 日銀短観の基本
② 日銀短観を読めば日本経済は見えるのか
③ なぜAI市場は日銀短観に表れにくいのか
④ 世界の時価総額ランキングから見えるAI市場の拡大
⑤ AI市場は自動車産業を超える可能性がある
⑥ 日本企業にも大きなチャンスがある
⑦ 企業分析で本当に見るべきもの
⑧ まとめ
⑨ 参考資料
 
① 日銀短観の基本
企業分析を行う上で、GDPや日銀短観は非常に重要な経済指標です。
しかし、多くの方が誤解している点があります。
それは、
「日本国内で売れたもの=GDPに含まれる」
ではないということです。
GDP(国内総生産)は、
日本国内で行われた生産活動によって生み出された付加価値
を集計したものです。
例えば、
日本人がiPhoneを購入した場合、
消費そのものは日本国内で発生していますが、製品価値の大部分は海外企業であるAppleへ帰属します。
そのためGDPでは、
輸入(M)が控除される形で計算されます。
つまり、
海外製品を日本国内で購入しても、そのまま日本のGDPが増えるわけではありません。
一方で、
日本国内にある海外企業の現地法人が日本国内で従業員を雇用し、日本国内でサービスを提供した場合は話が変わります。
例えば、
Google Japan
Microsoft Japan
Amazon Japan
などが日本国内で事業活動を行い、
日本国内で給与を支払い、
日本国内で付加価値を生み出した部分についてはGDPに含まれます。
つまり、
GDPは
「日本企業か海外企業か」
ではなく、
どこで付加価値が生み出されたか
が基準になっています。
一方で日銀短観は、
日本銀行が選定した国内企業を対象に景況感を調査するものであり、
海外本社の巨大AI企業そのものは調査対象になりません。
ここに、
AI市場を分析する際の大きな盲点があります。
 
② 日銀短観を読めば日本経済は見えるのか
企業分析を始めると、必ずと言っていいほど登場する経済指標があります。
それが「日銀短観(全国企業短期経済観測調査)」です。
日銀短観は、日本銀行が全国の企業約9,000社を対象に実施している景況感調査であり、日本経済の温度計とも呼ばれています。
例えば、
・トヨタ自動車のような自動車メーカー
・日立製作所のような設備投資関連企業
・三菱重工業のような重工業メーカー
・鹿島建設のような建設会社
・セブン&アイ・ホールディングスのような小売企業
など、日本を代表する企業の業況判断が集計されています。
そのため、
「日本企業は今後設備投資を増やすのか」
「景気は良くなるのか」
「企業業績は拡大するのか」
を知るための重要な指標として活用されています。
実際、多くの金融機関や証券会社、投資家が日銀短観をチェックしています。
しかし、ここで一つ重要な問題があります。
それは、
これから世界経済を大きく変えるAI市場の動向が、日銀短観だけでは十分に見えてこない
ということです。
 
③ なぜAI市場は日銀短観に表れにくいのか
理由は単純です。
現在の生成AI市場をリードしている企業の多くが海外企業だからです。
代表例を挙げると、
・OpenAI
・NVIDIA
・Microsoft
・Alphabet(Google)
・Amazon
・Meta
などです。
これらの企業は世界のAI投資を牽引しています。
例えばNVIDIAはAIサーバー向けGPU市場で圧倒的なシェアを持ち、世界中のデータセンター向けに半導体を供給しています。
OpenAIはChatGPTを開発し、Microsoftは数兆円規模のAI投資を継続しています。
しかし、これらの企業は日銀短観の調査対象ではありません。
つまり、
日銀短観を見ているだけでは、
「日本企業の景況感」
は分かりますが、
「世界で今どこにお金が流れているか」
までは見えないのです。
 
④ 世界の時価総額ランキングから見えるAI市場の拡大


このランキングを見ると、世界の投資マネーがどこへ向かっているのかが分かります。
TOP10企業のうち、
・NVIDIA
・TSMC
・Broadcom
の3社が半導体企業、
・Google
・Microsoft
・Amazon
・Meta
の4社がAI・クラウド関連企業です。
つまり、
TOP10企業のうち7社がAI・半導体関連企業
となっています。
世界最大の自動車メーカーであるトヨタ自動車の時価総額は約2,800億ドルですが、
NVIDIAはその約16倍の企業価値
を持っています。
 
⑤ AI市場は自動車産業を超える可能性がある
世界最大級の産業と言えば、自動車産業を思い浮かべる方が多いでしょう。
トヨタ自動車だけでも年間売上は50兆円を超えています。
しかし現在、AI関連企業の時価総額はそれを大きく上回る規模へ拡大しています。
これらの企業が共通しているのは、
AIという「知能」を作るためのインフラを提供していることです。
かつての産業革命が、
鉄鋼

自動車

インターネット
へと進化したように、
現在は
インターネット

AI
へと主役が移り始めています。
 
⑥ 日本企業にも大きなチャンスがある
ここで誤解してはいけないのは、
「AI市場=海外企業だけの市場」
ではないということです。
実はAI半導体の製造に必要な材料や製造装置では、日本企業が世界トップクラスのシェアを持っています。
例えば、
・東京エレクトロン
・アドバンテスト
・レーザーテック
・信越化学工業
・東京応化工業
・JSR
・DNP
・TOPPAN
などです。
AIサーバーが増えれば増えるほど、
半導体製造装置
フォトマスク
レジスト
シリコンウェハ
高機能パッケージ基板
などの需要も増加します。
つまり、日本企業はAI革命の「裏方」として重要な役割を担っているのです。
 
⑦ 企業分析で本当に見るべきもの
企業分析で重要なのは、
現在の売上を見ることではありません。
将来どこにお金が流れるのかを予測することです。
日銀短観は日本企業の景況感を知る上で非常に優れた指標です。
しかし今後は、
・日銀短観
・GDP
・AI市場
・半導体市場
・世界企業の設備投資動向
を組み合わせて見る必要があります。
その視点を持つことで、
単なる景気分析ではなく、
「次に成長する企業」
を見つけることができるようになります。
 
⑧ まとめ
日銀短観は日本経済を見るための重要な温度計です。
しかし、AI市場という新たな巨大市場を分析するためには、それだけでは不十分です。
これからの企業分析では、
「日本企業を見る視点」
に加えて、
「世界のAI投資を見る視点」
が必要になります。
企業分析とは過去を見る作業ではありません。
未来を予測するための技術です。
そして今、その未来を最も大きく変えようとしているのがAI市場なのです。
次回は、
「AI市場を支える半導体バリューチェーン」
をテーマに、
NVIDIA、TSMC、東京エレクトロン、アドバンテスト、DNP、信越化学などがどのような役割を担っているのかを分かりやすく解説します。
 
⑨ 参考資料(一次情報)
・日本銀行「全国企業短期経済観測調査(日銀短観)」
・日本銀行「国民経済計算・GDP関連資料」
・内閣府「国民経済計算」
・経済産業省
・NVIDIA Investor Relations
・Microsoft Investor Relations
・Alphabet Investor Relations
・Amazon Investor Relations
・OpenAI
参考情報・参考資料(一次情報)
本記事は、企業分析や投資判断において信頼性の高い一次情報をもとに作成しています。
■ 日本銀行(Bank of Japan)
日銀短観、金融政策、国内景気動向に関する公式資料
https://www.boj.or.jp
■ 内閣府 国民経済計算(GDP統計)
日本のGDP(国内総生産)に関する公式統計
https://www.esri.cao.go.jp
■ 総務省統
【参考資料】
・日本銀行「全国企業短期経済観測調査(日銀短観)」
https://www.boj.or.jp
■経済産業省
https://www.meti.go.jp
■NVIDIA Investor Relations
https://investor.nvidia.com
■Microsoft Investor Relations
https://www.microsoft.com/investor
■OpenAI
https://www.openai.com

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