見出し画像

【エッセイ】わたしの「書きたい」はいつから…

高校時代、バイトで貯めたお金で買ったのは、たしかワープロ書院だったか……正確な名前はもう覚えていません。ただ、10万円以上もかけて手に入れたそのワープロに、大切そうにタイピングした感触は今でも覚えています。何の計画もないのに――「書きたい」気持ちだけがそこにありました。

中学・高校を通して、私はずっと“おばあちゃん子”でした。自然と本に惹かれていったのも、祖母の影響です。人間関係で悩んでいたわたしに祖母が「優しい人になりや」と「龍馬がゆく」を手渡されたことをきっかけに、歴史にどんどんのめり込んでいきました。そして「三国志」などの長編小説を夢中になって読み、ついには大学でも歴史を学ぶ道を選びました。

でも、あのワープロで書いたものは、一行書いては消して、また書いては消しての繰り返しでした。何かを書こうとする気持ちは確かにあったけれど、形にする術を知らなかった。けれど――ここが、わたしの「書きたい」の始まりだったことは、間違いありません。

月日は流れ、30歳を過ぎて、多くの人と出会い、別れ、感動し、落ち込み、驚き、時に立ち止まり……そんな人生のなかで、また「書きたい」という想いが強くなっていきました。でも当時は、文章力も構成力もなかった。何より、自分の感情を乗せる言葉を、まだ知らなかったのです。

だから、もっと本を読もうと決めました。

偏りはあるけれど、夢中で読みました。重松清さんや五木寛之さんの作品は、ほとんど読んだと思います。彼らの言葉で感情を描く力に、何度も救われました。

そして今、五十を超えて思うのです。

自分が生きてきた軌跡。出会ってきた人たちとのふれあい。そういったものを、言葉に、文章にして残したい――そう強く願うようになりました。

それが、小説『ココロ走る』誕生のきっかけであり、わたしの「書きたい」の根っこです。

そして今、エッセイも素直に書けるようになってきて、楽しくてたまりません。小説もエッセイも、書きたい気持ちはとどまるところを知りません。

#ハッピーライティングマラソン
#本田健

いいなと思ったら応援しよう!