見出し画像

【VOL.65】60代からの「引き算」設計:デザインと安全を両立する終の棲家の新基準

こんにちは、W&B companyです。

「終の棲家を考えるなら、バリアフリーは必要だと思う。
でも、家が"施設っぽく"なるのは避けたい」

このご相談は、ここ数年でとても増えています。

住まいは安全性だけでなく、毎日の暮らしの彩りや、わが家への愛着にも関わるものです。

見た目の心地よさを大切にすることは、決してわがままではありません。

一方で、社会全体を見ると準備の遅れも見えてきます。

2025年には高齢化率が30.0%に達すると予測される一方、手すり設置や段差解消などのバリアフリー化が完了している住宅は約半数にとどまっています。

結論からお伝えします。

デザインとバリアフリーは、対立しません。

両立のカギは「後から足す発想」ではなく、最初から"引き算"で設計することです。
 
■ なぜ「バリアフリー=味気ない」と感じるのか

「バリアフリーにすると家が味気なくなる」と言われるのは、機能そのものが問題ではなく、多くが「後付け前提」の設計になっているからです。

完成した空間に、既製品の手すりを後から取り付けると、どうしても"道具感"が強く出てしまいます。

私たちが推奨しているのは、次のような"見えにくい工夫"です。

  • 手すりをデザインの一部にする: 壁面や家具のラインと一体化させ、空間に溶け込ませる。

  • 視覚で段差を伝える: 床材の切り替えや照明の色温度を変えることで、段差を自然に認識しやすくする。

  • 開口部のゆとり: 扉の納まりをあらかじめ整え、将来的に力が入りやすい仕様にしておく。

これらは「介助用の家」を作るためではなく、今の暮らしをより美しく、将来の変化にも柔軟に対応させるための戦略です。


■ 2025年11月法改正で見直された「動線」の新基準

これからの住まいづくりにおいて、動線設計は建物の「資産価値」を左右する重要な要素になります。

2025年11月施行の改正建築基準法により、防火・避難関係規定が見直されました。
(木材利用促進等)

特に大規模な木造住宅などでは、避難動線の確保や有効幅員の基準が整理され、より精度の高い設計が求められています。

建築士として注目しているのは、車椅子利用も見越した「有効幅」の確保です。

車椅子がスムーズに回転できるスペース(直径150cm程度)が確保されているか、廊下や出入口の幅にゆとりがあるか。

これらが計画段階で盛り込まれているかどうかが、将来の暮らしやすさを決定づけます。

この動線の問題は図面段階で修正しないと後悔しやすいです。

ハウスメーカーの提案図面のチェックもできます。→ [相談メニューを見る]
 
■ 迷いを減らす「判断の物差し」

「安全」と「美しさ」のどちらを優先すべきか迷ったときは、次の順序で考えるのが実務的です。

  1. 安全に移動できるか: 有効幅、回遊性、開口計画の確保。

  2. 日常の負担が減るか: 照明計画、収納の配置、掃除のしやすさ。

  3. 空間に愛着が持てるか: 素材、色、造作の統一感。

  4. 将来の変更に対応しやすいか: 下地や設備の更新余地。

「安全」を土台にし、その上に「美しさ」を重ねる。

この順番が決まると、家族間での意見調整もスムーズに進む可能性が高まります。

 
■ 今日からできる3つのチェック
大きな工事や計画の前に、まずは現状を「見える化」することから始めてみてください。

  1. 有効幅を測る(5分): 廊下や出入口の実寸を測り、狭く感じる場所をメモする。

  2. 夜間動線を確認する(3分): 就寝後の照明が眩しすぎないか、足元がしっかり見えるかを確認する。

  3. 将来動線の地図を描く(10分): 1日の動きを紙に書き、行き止まりや詰まりそうなポイントを探す。

■ 住宅診断チェックリスト

以下に3つ以上当てはまる方は、図面段階でのチェックがおすすめです。

  • □ 提案された間取りに違和感がある

  • □ 収納が足りるか不安

  • □ 動線が使いにくそう

  • □ 将来の変化に対応できるか心配

  • □ 他の選択肢があるか知りたい

→ [間取りセカンドオピニオン:相談する]

 
■ まとめ

終の棲家は「守りの家」ではなく、これからの人生をより豊かにするための「再設計」です。

  • 高齢化率30.0%時代への備え

  • 2025年11月法改正による避難・動線配慮の整理

  • ウェルビーイングを重視した新しいユニバーサルデザイン

これらの変化を味方につけ、美しく暮らせる住まいを目指しましょう。
 
二択質問: 老後の住まいづくり、あなたはどちらを重視したいですか?

機能性重視派(とにかく安全・フラットで安心したい)

デザイン性重視派(おしゃれで自分らしい空間を保ちたい)

ぜひコメントで教えてください!

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

この記事が参考になりましたら、保存やシェアをしていただけると嬉しいです。

📚 あわせて読みたい関連記事


いいなと思ったら応援しよう!