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インクと一緒に沈んでいく

1925 Tuesday,September 22nd


レナードが車で Hogarth Press に帰ってくる。
砂利を踏む音。まだ午後の光が残っている。

「おや、今日は随分早く発送が終わったね?」

帽子も取らずに、そう言う。

ウルフは机に向かったまま、顔を上げない。
ペン先が少し荒れている。

「いや、それが……」

言いかけて、やめる。
紙の上に何か書き直す。線が重なる。

ぶつぶつと、低く続く。
シリーズだの、編集者だの、大学だの。

レナードは一瞬だけ黙る。
それから、少し肩をすくめて、

「ああ、じゃあ、こっちから発送しようか」

「はい」

短い返事。

ウルフはまだ何か言っている。
だがもう言葉になっていない。
インクと一緒に沈んでいく。

やがて、窓の外の色が変わる。
水を含んだような青。

丘の上に、薄く金が残る。

部屋の中にも、細い光が差し込んで、
紙の端だけがやわらかく光る。

ウルフはそこで、ようやく手を止める。

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