『枕草子』第53段ー童子にちょっかいだすものの無視され、少納言むっとする
第52段は終わり今日は第53段。
52段の最後で「細殿」がでており、53段ではその「細殿」をまた話題にしている。
【今日のお勉強】

細殿に、局を持つ女房たちが大勢集まって、近くを通る男たちに、不調法であるのもかえりみないで、気軽に呼び寄せては言葉をかける。
そうすると、いろいろな反応があって面白いのである。
こざっぱりした下男や小舎人童などが、きれいな袋に、宿直している主人の着替えなどを包んでいるが、指貫袴の腰ひもあたりもちらっと見える。
袋に入った弓・矢・楯・鉾・太刀など、いろいろ持ち込んで運んでゆく。
それを呼び止めては、わたしが
「それは誰のものなの」など聞くと、すぐに立ち止まって膝をつき
「だれそれ様のものです」などと答えて通るのは、非常によい反応である。
ところが急に問いかけられて、身構え、恥ずかしがって「存じません」などとだけ言って、こちらの質問に耳も貸さずに、さっさと行ってしまう者はとても憎らしい。
【細殿】
細殿(ほそどの)とは、主に平安時代の寝殿造における「細長い建物の空間」や「渡り廊下」、あるいは神社において貴人が参拝前に休憩や装束の調整を行う建物を指す古語・建築用語。
宮中や寝殿造の建物・空間
平安時代の貴族の邸宅(寝殿造)や宮中において、母屋(おもや)の周囲にある細長い空間「庇(ひさし)」を指す言葉。
女房の居室: この細長い空間を仕切り、女房(天皇や貴族に仕える女性)たちの個室(局)として使われた。
交流の場: 清涼殿に出仕する男性貴族と、細殿に控える女房たちの交流の場となることもあった。
また、建物と建物を結ぶ「渡り廊下」を指すこともあえう。
【読後の一言】
少納言さん、すべてが自分の思うままにはいかないものですよ。
ではまた
<参考図書>
1.島内裕子著 『枕草子』の世界
一般財団法人 放送大学教育振興会
2.島内裕子著『枕草子』ちくま学芸文庫
https://amzn.asia/d/033SSia
3.枕草子[能因本] (【笠間文庫】原文&現代語訳シリーズ)
