ドサクサ日記 7/20-26 2026
20日。
気張って街中まで出かけたら暑さでヘトヘトになった。この暑さを、何となく風物詩のように受け止めてしまっているが、自分の人生で体験したうちの夏、40数回の記憶から考えるに明らかに異常なことで、本当は危機感を持って考えねばならないことだと思う。けれども、W杯やら夏フェスやら、気候変動から別の物ごとに目移りしてしまう。環境のことも考えねばと思う。
21日。
リハーサル。スタジオに着くと残念なお知らせ。ロンドンから羽田に移動する飛行機輸送で、大事にしていたビンテージのギターのネックが折れてしまっていたとのことだった。ギターの希少価値には重きを置かず、オリジナルパーツの維持ではなくて、必要に応じてピックアップなどの部品の交換を積極的に行ってきた。ゆえに、破損によって楽器そのものの市場での価値が毀損されることについての悲しみはない。けれども、ギターは20年かけて一緒に歩んできた仲間みたいなもので、鳴らしながら、調整しながら肌に合わせてきた。そうした歩みとしての音色が失われないことを願う。ネックが繋がれば、また音は出ると思う。ひとまず、楽器として機能するかたちに戻したい。航空会社はどこも荷物を大切に扱っている自負があると思うが、ハードケースが割れていたり、中身のペダルが損傷していたことはこれまでにもあって、自分たちも対策をして海外ツアーに挑んでいた。今回は、直前に「ヴィンテージのギターを交換したい」という旨をチームに伝えたが、楽器の税関通過には事前申請が必要で、リストに入っていないものとの差し替えが困難だった。自分の直感がもう少し早く働いていたらという後悔が残った。

22日。
フジロックのセットリストを調整しつつ、直近2本のロックフェスのセットリストを皆と考えた。30周年とはいえ、何か懐かしさにもたれ掛かるのは嫌だなと思う。現役のバンドなので、最新の楽曲が現在の自分たちのやりたいことではある。いちリスナーの感覚に戻れば、昔の曲も聴きたいという気持ちは痛いほどわかる。キャリアが長くなるほど、曲目を考えるのが難しい。
23日。
朝食を食べた後、急にお腹の調子が悪くなった。そのままボイトレに行って身体のメンテを受け、少し体調が回復。苗場に向かう。苗場プリンスホテルにチェックインして、ホワイトステージに着いたくらいから急激に調子が悪くなった。立っているのも辛いので、救護室で医師の診察を受ける。症状についての話を聞いてもらっているだけで、痛みが和らいでいった。こういう場合には、専門家と話せるだけで気持ちが楽になる。一旦、ステージに戻ってリハーサルを最後までやり遂げて、再び救護室へ。医師に相談、同意のもとで点滴などの医療処置を受けた。朝食以来何も食べられておらず、水もたくさん飲めない状態だったので、体内の水分補給と腸の痙攣や痛みを和らげるのが目的だった。経口補水液を取りながら安静にして、早めに就寝。

24日。
朝起きても鈍い痛み。整腸剤や経口補水液で凌ぐ。昨日の痛みが10ならば、3くらいにまで治ったが、まだ波があって不安だった。午前中はどこにも行かずに部屋で静養して、午後からは楽屋でボディのメンテナンス。その後、救護室の医師に相談して、再び医療処置を受けた。本番の時間を計算して、薬の投与を考えてもらった。本当に、この2日間、現場の医師と看護師のお世話になった。大変に心強かったし、彼らがいなかったらステージには立てなかったと思う。痛みは引かなかったが、そのままホワイトステージへ。呼吸のためのボイトレなど、とにかくできるだけの準備をしてステージに上がった。本番は本当にいろいろなものと戦ったと思う。スキンズ前のMCでスイッチが入った。渾身と呼んで良いパフォーマンスだったのではないかと思う。7年振りのフジロック。自分の言動が原因ではあるが、炎上など様々なことがあっての、ホワイトステージのヘッドライナーだった。簡単にはやらせてくれないのだなと、人生のままならなさについて思う。しかし、こういう窮地のほうが、自分らしさがスコーンと出るようにも感じた。というか、余計なものを置いて、自分のエネルギーをどこに集めるべきなのか、集めたいのか、そうしたことに意識的になるための啓示だったのかもしれない。悔しさはあるけれど、あの状況でしか生まれなかったエネルギーがあり、それが伝わった人があったのも事実。また苗場に戻って来たい。袖で観てくれたTurnstileのダニエルやパットと談笑したり、花房さんや池畑さん、他にもいろいろな人に会えてよかった。尊敬する難波さんやKenさんとも話せた。


25日。
朝起きて、お腹の痛みは少し和らいでいた。走ると少し痛い。スケジュールの関係でこの日しか行けるチャンスがなかったので、写大ギャラリーで行われているMitchさんの写真展へ。自分の写真が入って直ぐのところに大きく展示されていて嬉しかった。帰宅してから、2日ぶりの食事。梅干しとおじやを食べた。とても美味しかったが、お腹の痛みがぶり返した。困った。

26日。
大阪に移動してジャイガに出演。朝から納豆とお粥しか食べられなかったが、固形物を食べられる喜び。納豆がこんなにも美味しいのかと感動。お腹の痛みは、内臓そのものよりも痛みに耐えた身体の筋肉の強張りによるものに変わった感がある。ただ鈍痛は続く。この日のステージでは、声がスコーンと出た。それは笑ってしまうくらい。とても良い景色だった。感謝。
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