【榛名神社】丙午創建!火と土の神の正体と戦国龍神伝説
上毛三山「榛名山」の神
仕事で群馬県に行く機会があり、
同僚が「どこか神社に参拝したい」と言うので、
私は迷わず「榛名神社」を勧め、
一緒に行くことになった。
榛名神社
令和8年4月上旬 「丙午」の年に


実は10年以上前、高崎市に1年半ほど住んでいたことがあり、その時に初めてこの神社の存在を知り参拝した。そして3年前、神社巡りを始めてから改めて御朱印をいただきに訪れた。
今回、急遽またこの地を訪れることになったのは、単なる偶然ではない深い「縁」を感じずにはいられない。
「火」と「土」が織りなす稀有な聖域
御祭神は、
火産霊神(ホムスビ)
埴山毘売神(ハニヤマヒメ)
いわゆる「火の神」と「土の神」である。
この二柱が組み合わされて祀られるのは、
全国的にも案外珍しい。
石畳と木々に囲まれた参道を進むと、
右側には榛名川。
せせらぎの音が微かに聞こえるこの参道は、
まさに癒しのパワースポットだ。
榛名川は榛名湖から流れてきている。
標高1080メートルに位置するカルデラ湖・榛名湖には、外部から流入する川はない。周囲の外輪山から集まった水が、この神秘的な湖を満たしているのだ。


龍神が辿った道 「湖」から「岩」へ
榛名山は幾つもの峰が連なる火山だ。
最高峰の掃部ヶ岳や、
湖畔にそびえる榛名富士などの外輪山に囲まれた「榛名湖」のあたりが、信仰上の山頂とされている。

伝承によれば、神様はまずこの榛名湖に降り立ち、龍神に姿を変えたという。そこから山を下り、現在の本殿を覆う巨大な『御姿岩』の中の空洞へと鎮まった。

本体は湖の神であり、御姿岩を依代として顕現している。いわば「山宮」と「里宮」のような密接な関係がここにはある。

武田信玄の祈りと、湖に消えた「木部姫」
参道にそびえる「矢立杉」。
「矢立」とは文字通り、木に矢を放って祈願することだ。永禄8(1566)年、武田信玄が西上野平定を狙い「箕輪城」を攻略する際、戦勝を祈願して矢を寄進したと伝わる。
この箕輪城攻略にまつわる面白い話がある。
榛名湖畔には『御沼龗神社』があり、戦国武将の妻(姫)が榛名湖に入水して転生した龍神を祀っているとされている。
一説には「木部姫」とされる。
この木部姫の伝説、実は武田氏との数奇な因縁が重なっている。
信玄が勝利を祈願した「箕輪城攻略」の際、
その功労者として抜擢されたのが地元の有力武士・木部氏だった。信玄は絆を深めるために娘(あるいは養女)を木部氏に嫁がせたという。
しかし、運命は過酷だ。
15年余りの後、武田氏が滅亡の時を迎えると、木部一族もまた武田への忠義を貫き、運命を共にする。湖に身を投げ龍になったと伝わる「木部姫」は、信玄が愛した娘だったのか、あるいはその血を引く孫娘だったのか。
確かなのは、信玄が必勝を誓ったこの榛名の地で、その一族の女性が湖の守護神となって永遠の眠りについたということ。
武田の支配はわずか15年ほどだったにも関わらずそれだけ、人々に語り継がれたのは激動の時代を駆け抜た武田一族の情念の形だったのではないか。
パワースポットと呼ばれるのも、この榛名の清らかな水によって今では昇華されているのが何よりの証といえる。

一番、榛名神社らしい場所



左 拝殿側面 右 本殿と繋がった御姿岩

噴火と創建と1440年の刻を超えて
榛名神社の主祭神、
ホムスビ(火の神)とハニヤマヒメ(土の神)。
この珍しい組み合わせの答えは、6世紀の榛名山の大噴火にある。
かつてこの地を襲った激しい噴火は、地形を変えるほどの猛威を振るった。荒れ狂う「火」は大地を焼き尽くしたが、同時に新しい「土」を運び、榛名富士という新たな山を生み、豊かな自然を育む礎となった。古代の人々は、その圧倒的な破壊と再生の力を、この二柱の神様に重ねたのだ。
創建された第31代用明天皇御代の元(586)年も、そして1440年を経た今年、私が参拝した令和8年も、同じ「丙午」。
「火」の性質を持つこの干支の年に、噴火の記憶を鎮めるための神社が「還暦開扉大祭」という節目の年を迎えていることに、震えるような歴史の連続性とご縁を感じる。
湖からやってきた水の神(龍神)が、火と土の結晶である「御姿岩」に宿り、今も私たちの営みを見守っている。
武田信玄が戦勝を祈り矢を立て、木部姫が湖に消えたあの日から、この山の神聖さは一歩も揺らいでいない。
御朱印

平日で混んでいなければ直書きも頂けると思います。今思うと、先日参拝時も丙午なので頂いておけば良かったです。

大好きなとろろと舞茸をいただいたが、これがまた絶品。神域の清らかな水で打たれた蕎麦は、参拝後の体に染み渡る美味しさ。
いつもは奥さんと参拝することが多いので、仕事仲間と神社に参拝する事は違った新鮮さと余韻を残した。
基本情報
鎮座地:群馬県高崎市榛名山町849
授与時間:9時頃〜17時頃
※最新情報は公式HPをご確認ください
参拝所要時間:40分くらい。
Googleマップ
次回予告
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次回は榛名山に続いて上毛三山の一つ、妙義神社です。
お楽しみに。
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