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AIブームでアツい化学素材!「フォトレジスト」編

こんにちは、化学業界を分かりやすく解説するごりおです。今回は、いま絶好調なAI関連の化学メーカーについて解説します。

2026年に入り、AI半導体に関するトレンドは「一過性のブームではなく、今後も長く続くメガトレンドだ」という見方が固まってきました。それに伴い、半導体材料に強みを持つ日本の化学メーカーに注目が集まっています。

今回はAIブームで注目を浴びる、フォトレジスト関連企業を5社解説していきたいと思います。


背景:AI関連の化学メーカーはアツい

いま、AI関連の素材を手掛ける化学メーカーは注目を浴びています。例えば半導体材料で大手のレゾナックは、この1年で株価が3倍以上になりました。

レゾナックの株価チャート
出所:株探(26/2/28)

とんでもないことですね。いったい、なぜこれほど堅調なのか。

いろいろ考えられますが、1つは「素材」がおいしいポジションにいるからです。OpenAIが勝とうがGeminiが勝とうが、はたまたSaaS企業が生き残ろうが消えようが関係なし。AI半導体が作られ続ける限り、そこに使われる素材は「確実に売れる」という状況なんです。

まさに世界的なメガトレンドであり、「乗るしかない、このビッグウェーブに!」となっているのです。

AI半導体とは

本題に入る前に、従来の半導体とAI半導体の違いも軽く解説しておきます。というのも、半導体素材はその用途が重要になってきます。

いまアツいのは、あくまで「AIサーバー向けの半導体」です。ボリュームゾーンである自動車やパソコン、スマホ向けの半導体は、実は「ボチボチ」といったところで、緩やかな回復にとどまっています。一口に半導体と言っても、分野によってかなり温度差があるんです。

これをガンダムで例えるなら、「ユニコーンガンダム」と「陸戦型ガンダム」くらい性能も役割も違います。素人目にはどれも同じに見えますが、全くの別物なんです。

半導体銘柄でも、赤字な企業

実際に、シリコンウエハーでトップランナーの「SUMCO」は赤字が続いています。「トップがなんでやねん!」と思いますよね。

出所:SUMCOの決算資料

たしかにSUMCOも好調なAI半導体の恩恵は受けてはいるものの、それ以外の汎用半導体の回復遅れが大きく足を引っ張っている状態です。ユニコーンガンダムが活躍しても、陸戦型ガンダムがグフにボコボコにされていて、全体で見ると被害のほうが大きい、というイメージですね。

特にシリコンウエハーは用途が幅広く、需給バランスの影響を受けやすい「装置産業」ならではの特徴も影響しています。

とにかく、現在の半導体素材の状況はまだら模様。だからこそ、用途や特徴をしっかり見極めることが重要になります。

AI半導体はでかい

じゃあ、AI半導体で絶好調な素材はなにか? 結論から言うと、「先端の半導体チップ」と、それを支える「インターポーザー」「半導体パッケージ基板」向けの材料です。

もう少しかみ砕いて説明します。

出所:化学工業日報社

AIサーバーに使われる半導体は、とにかくでかい。ロジックやメモリーといったたくさんの先端チップが「インターポーザー」という土台に乗っていて、さらに「パッケージ基板」につながっていく構造になっています。

なぜこんな複雑な構造なのか?

それは、膨大な処理を可能にするためです。 AI処理というのは、その大部分が半導体チップ間の「データのやり取り」だと言われています。そのため、先端のチップをぎゅうぎゅうに詰め込み、インターポーザーやパッケージ基板でつなぐことで、AIに求められる膨大な計算処理を可能にしています。

出所:レゾナック 説明資料

この半導体の構造を街づくりで例えてみると、

  • AI半導体 = 東京

  • 従来の半導体 = 大宮

といえます。

東京(AI半導体)にはハイスペックな企業(先端チップ)が密集していて、桁違いの人が働き、せわしなく移動しています。この人流がパンクしないよう、域内に地下鉄(インターポーザー)を張り巡らせ、さらに域外へは新幹線や飛行機、高速道路などのインフラ(半導体パッケージ)をガッツリ整備しているのです。

これにより、効率的な大移動(膨大なデータ通信)が可能になります。ルミネしかない大宮とは、インフラへの気合の入り方が根本的に違うというわけです。

フォトレジスト関連メーカー5選

余談が長くなりましたが、ここからが本番。 さっそくAI半導体素材を手掛ける注目の化学メーカーをご紹介します。今回は半導体の回路をつくる「フォトレジスト」関連の素材を手掛ける5社です。

そもそもフォトレジストとは

フォトレジストは、ウエハーに回路を作りこむ、前工程と呼ばれるプロセスで用いられます。

前工程は複雑なのですが、平たく言えば、シリコンウエハーにフォトレジストを塗布し、なんやかんやすることで回路が作りこまれることになります。

したがってフォトレジストは、半導体に回路パターンを形成する“基幹材料”ともいえる存在です。

  • JSR/東京応化/信越化学/住友化学/富士フイルム:日系5社で世界シェアの大半を占める

  • 原材料メーカー:感光剤は東洋合成工業、ベース樹脂は群栄化学など

1. 東京応化工業:フォトレジスト

先頭バッターは東京応化工業さん。株価はうなぎ上りで、去年の底値からすでに3倍以上に成長しています。

東京応化工業の株価チャート
出所:株探(26/2/28)

東京応化は、「フォトレジスト」の世界トップメーカー、AIブームで特に伸びています。東京応化の強みは、幅広いラインナップ戦略。最先端領域であるEUV用を含め、パッケージ材料など幅広いプロセスで採用を勝ち取っています。

出所:東京応化工業説明会資料

AI半導体の台頭で、先端領域からパッケージ材料まで市場拡大が見込まれる中、東京応化は良好なポジションにつけており、中期経営計画を上方修正するなど、今後も好調を維持しそうです。

2. 東洋合成工業:感光材

続いては、株価が昇竜拳のように急騰している東洋合成工業さん。

東洋合成工業の株価チャート
出所:株探(26/2/28)

こちらは、先ほどのフォトレジストの主要材料である「感光材」において、世界シェア7割を握るトップメーカーです。つまり、東京応化工業のようなレジストメーカーに材料を販売するポジション。

フォトレジストのサプライチェーン

東京応化が好調なら、連動して東洋合成の業績も伸びるというオイシイ構造です。


3~5. 大阪有機化学工業  群栄化学工業 北興化学工業:樹脂やモノマー

最後は、フォトレジストに使われる「樹脂」や、その原料となる「モノマー」を手掛ける3社です。

  • 大阪有機化学工業:先端世代のArF向けに強み

  • 北興化学工業 : NAND等のKrF向けが主力

  • 群栄化学工業:レガシー世代のi線やg線向けに強み

AI半導体の拡大で、最先端のEUV向けやパッケージ分野も重要性が増すなど、各社事業の幅を広げています。

まとめ

このように、半導体チップを形成するフォトレジストには、レジストメーカーだけでなく、その原料を作る化学メーカーも充実しています。こうした強固なサプライチェーンのエコシステムが国内に構築されていること自体が、日本勢の最大の強みと言えますね。

昨今はAI半導体の登場で、先端向けからパッケージ向けまで、多様なメーカーにチャンスがあるように思います。投資家からすると「どこに投資すればいいんや…」と頭が痛いところですが、しっかりウォッチしていきたいですね。


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