AIドラマ制作の裏側|Ep11:鈴木さんがAIも恋心も読んでいた件(制作備忘録)
Ep11はE3(AI世代ギャップ)とE4(伊藤さんの片想い)を組み合わせた複合回。AIで問題を解決する場面を軸にしながら、鈴木さんが「AIも空気も読みすぎる」ところを一言で決めるオチが光る。丸メガネずらしの伏線Cも前進。
今回のストーリー
資料の締め切りが迫って焦っている伊藤さんに、鈴木さんが声をかける。「見てもいいですか。」ノートPCを覗き込んで数十秒。AIがあっという間に資料の骨格を仕上げてしまう。伊藤さんが驚いている中、鈴木さんがふと一言。「……課長に渡すんですよね。気合い、入ってますね。」伊藤さんが真っ赤になって固まる。鈴木さんは涼しい顔で丸メガネをずらし、画面に向き直る。
カット構成
・カット1(8秒):冒頭アークショット(2人同時提示)→伊藤さんが資料で困る→鈴木さん「見てもいいですか」
・カット2(8秒):鈴木さんがAIで神解決→伊藤さん驚愕
・カット3(8秒):鈴木さんの「課長に渡すんですよね」→パン→ズームイン(丸メガネずらし)→伊藤さん赤面・余韻
やったこと
・冒頭アークショットで伊藤さんと鈴木さんを同時に提示。Ep4型の「2人対比フック」でアイロニーを即提示する設計。
・「貸してください」という当初のセリフをVeoに渡したところ音声が完全崩壊した。「見てもいいですか」に変更したところ通過率が大幅改善。「貸してください」は発音上のポリシー問題があるらしく、他のセリフでも要注意。
・鈴木さんの性別表記はMx. Suzuki(性別中立)で統一。Mr. SuzukiにするとVeoが明確な男性像を生成してしまう。「gender presentation ambiguous — NOT distinctly masculine or feminine」を毎カット記載。
・SEATING POSITIONSで2人の左右を固定。カット跨ぎで席が入れ替わるVeo癖を防止。
やらかしたこと
① 「貸してください」で音声崩壊
最初に使ったセリフが音声出力されなかった。VeoはPCを渡す動作とセリフが一致しないと崩壊しやすい。「見てもいいですか」のように物理的な動作を伴わないセリフに変更して解決。
② カット3のパン+ズームが止まらない
「ズームインしてメガネを映す」という指示でカメラが動き続けてしまう。「slow pan right then hold on close-up of glasses」と動作の終点を明示して安定。
③ 鈴木さんの「涼しい顔」が無表情すぎる
「calm」だけでは人形のような顔になる。「composed, soft eyes, slight upward curve at corner of mouth」と細部を追加して自然な表情に。
学び
・「音声崩壊するセリフ」は置き換えで対処するのが最速。言い回しを変えるだけで通過率が劇的に変わる。
・複合エンジン(AI世代ギャップ+片想い)は視聴者層を掛け合わせられる分、コメントが2方向から来て伸びやすい。はずだったんだけど、閲覧数5000くらいしかいかず。。。
・伏線Cの丸メガネずらしは毎回少しずつ動かしていくことで「前から見てた人へのご褒美」になる設計。
次回Ep12はシーズン1完結回。ヒッチコックの爆弾理論を使った3段サスペンス構造で締めます。
