AIドラマ制作の裏側|Ep13:190cmのゴリ課長が一番ビビってた件(制作備忘録)
Ep13はE2エンジン(課長ギャップ)の新バリエーション。「強そうな人が怖がってる」という安心感・親近感を狙ったネタで、ゴキブリを一切画面に映さないオフスクリーン演出がポイント。
今回のストーリー
Cut1:オフィスのデスクで突然ゴリ課長が椅子の上にしゃがみ込んでいる。田中さんが「…課長?」と声をかけると、課長が「やめろ」「来るな」と鋭く言い放つ。
Cut2:佐藤くんと伊藤さんが「今日のランチどうします?」と談笑していると、鈴木さんが「あ」の一言。全員が無言で床の方向を見る。
Cut3:鈴木さんが「ぼく、AI使って駆除業者呼べますけど」と静かに告げると、課長が「……頼む」。田中さんが「課長ださっ笑」で締まる。
ゴキブリはフレームに一切登場しない。全員が「そちら方向」を見るだけで、視聴者が脳内で補完してくれる演出。
なぜこのネタか
既出のE2ネタ(取引先ガチガチ・寝言で部長と戦う・甘いもの好き)と被らない角度として「虫に怯えるゴリ課長」を選定。「虫が苦手な人」が自然にコメントできる間口の広さも狙った。
やったこと
・ゴキブリをオフスクリーン(画面外)に設定して、登場させないまま全員が怯える演出を設計。「見えない恐怖」の方が視聴者の想像力を刺激する。
・Cut1をフックにも流用する設計(冒頭3秒だけ先頭に配置→本編Cut1→Cut2→Cut3)で、Veo生成は3カット×8秒の24秒に抑えた。
・Cut2のみんなが床を見る「無言の数秒」を追加して、何かを見ている感を出した。
・鈴木さんの「AI使って駆除業者呼べますけど」というセリフが、このシリーズでのAI活用の自然な使い方として機能している。
やらかしたこと
① ゴリ課長が椅子の上に「しゃがむ」のではなく「立つ」になる
「しゃがみ込んで身を縮める」という動作が難しく、普通に椅子に立った状態になってしまった。「crouching on desk chair seat, hands gripping chairback, body drawn in, instinctively making himself small」と姿勢を細かく指定して解決。なぜか服がはだけていってしまったが・・・それはそのまま放置することに決定。
② 全員が「床を見る」カットで視線がバラバラになる
「全員が同じ方向(床の左下)を見る」という統一視線がうまく出なかった。「all characters turn gaze simultaneously toward floor, LEFT side of frame, eyes locked on same off-screen point」と一点集中を明示。だが、うまくいかず、前回使ったみんなが同じ方向を向く、というのを最終とした。
③ Cut2で鈴木さんが「あ」を言う前に動いてしまう
「あ」というセリフ一言の前に鈴木さんが何か別の動作をしてしまった。「Mx. Suzuki remains completely still, then delivers ONE word」と静止から一言へのビートを指定。
④ 田中さんの「課長ださっ笑」の笑い方が大げさになる
爆笑になってしまい、くすっとした感じが出なかった。「suppressed laugh, hand over mouth, shoulders shaking slightly — NOT a loud burst」と笑い方の規模感を指定。
学び
・「映さない演出」はVeoのポリシー問題も回避しながら視聴者の想像力を最大化できる。ゴキブリを出そうとすると虫嫌い勢に弾かれるリスクもあった。
・感情の「方向の統一」(全員が同じものを見ている)はカメラの切り替えより一つのショットで全員を映す方が伝わりやすい。
・5人揃いのシーンはVeoでは不可能なので、各カットのSTRICT CHARACTER COUNTを厳密に管理する。Cut1は2人、Cut2は3人、Cut3も3人で明示。
次回以降もゴリ課長ワールドは続きます。
