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【さもない旅行記②】チャンギ空港トランジットとプリンセス体質のシンガポール入国

今回のミッションのひとつが、語学研修に行く他社の若手20人を引率する、というものである。大人とはいえ、海外は全く初めて組もいるため、ある程度お世話も必要だ。

一匹狼風のポッキー(仮名)はいつも眠そうで、口数少なく集合時はスマホをいじっているイマドキの若者だった。
話しているうちに彼は学生時代、1人で東南アジアを旅していたことがわかった。
旅慣れているのだ。
女子が圧倒的に多い一団で、孤高の旅人ポッキーは大丈夫であろうか?

何はともあれ、我々は順調に日本を出発した。
ポッキーは、だるそうに「飛行機って食事出るんすかね?」と聞いてきた。
いや、そりゃ出るやろ!と答えると「映画とか観れるんすかね?」とさらに眠そうに聞いてくる。
え?海外行ってたんちゃうん?
飛行機乗ったでしょ?
ポッキーは「エアアジアしか乗ったことないんで」と言う。
念のため、機内で観る映画をダウンロードしてきたとも言う。
飛行機用のネックピローも準備しており、旅慣れてる感が半端ない。

飛行機が離陸するなりポッキーは爆睡した。
食事を食べてまた爆睡した。
爆睡のあまりネックピローがどこかへ飛んでいったくらい、寝ていた。
後から聞くと「シンガポール航空、半端なかったっす!とのこと。
座席が心地良すぎてぐっすり寝た、と感動している。映画も観れたと喜んでいる。
ちなみに席はエコノミーの後方ど真ん中である。
「シンガポール航空、最高っすポッキーは噛み締めるようにもう一度つぶやいた。
良かった。

私はふと息子のことを思い出した。彼は中学生のとき、イギリス在住の妹のところで夏休みを過ごしたことがある。
祖母との2人旅だったので、妹は祖母のベッドの横に薄いマットを引いて息子を寝かせた。こんなせんべい布団で、背中痛くないかな?と妹は心配していたのだが、息子は寝転ぶなり、
「うわぁ!ふかふかの布団やあ!
と嬉しそうに叫んだそうである。
「お姉ちゃん、普段どんな布団に寝かせてんの?」と妹からは呆れられたが、おかげで息子はどこでも爆睡できる強い子に育った。
ポッキーの話を聞いて、あらためて子供はハードな環境で育てるべし、と納得した私である。

さてチャンギ空港に着いた我々一行は、Jewelへと向かうことにした。
Jewelとは、有名な人工の滝、レインボルテックスを中心として、ショッピングモールやアトラクションなどが楽しめる巨大アミューズメント施設だ。チャンギ空港に隣接している。
空港のターミナルに直結しているものの、そこへ行くためにはシンガポールに、一時入国をしなくてはいけない。
シンガポールはトランジット客にもいたれりつくせりで、今回は見送ったが、乗り継ぎ時間が5.5時間以上ある人は、無料のシンガポールツアーにも参加できるとのこと。
シンガポールすごい。

一時入国のための手続きは、到着後に空港でもできるが、我々は前もってウェブ申告しておいた。
渡航3日前から申告できる、とても簡単な手続きである。
サイトはこちら↓
https://www.ica.gov.sg/enter-transit-depart/entering-singapore/sg-arrival-card

入国審査にいくと、ずらりと自動ゲートが並んでいて壮観である。
ゲートの数が多いせいか、全く待つことなくどんどん進む。
ゲートの手前に、入国申告の機械もあるので急に思い立って入国することにしても
大丈夫。

入国の自動ゲートは、パスポートをスキャン、次に指紋と顔認証であっさり完了である。

昔は、イミグレーションでの英会話なんてのがあった。
入管係官「なんのために来ましたか?」
訪問客「サイトスィーング!(観光です)」
ってやつね。
むすっとした係官(万国共通、なぜに入国審査の係官はみんな無愛想なのであろうか?応募要件に、無愛想であること、があるに違いない)に向かって、何度もサイトスィーングと叫んだものだ。今や全く不用。
ほとんどの職種は、愛想が良い方が有利だと思うのだが、機械に仕事を奪われた無愛想な係官たちの再就職は大丈夫だろうか?

サッパリとした自動ゲートを、20人はサクサクと通っていく。
ただし、私は指紋認証でかなり手間取った。というのも、私はプリンセス体質のせいか、水仕事をすると速攻で手が荒れてしまい指紋がなくなってしまうのである。
ビニール手袋をすると湿疹ができるし、なかなか厄介だ。
プリンセス体質だ!といくら主張しても、
お手伝いさんがいるわけでもなく、
オットとともにしぶしぶ家事をやっている。
指紋のない親指のせいで、私は何度も機械に入国を拒絶された。右手親指を確認すると、ツルツルで指紋が全く見当たらない。
サムライの時代なら、血判が押せず討ち入りの前に切腹させられていたに違いない。
現代でよかった。

諦めかけた頃、突然ゲートが開いてプリンセス(体質)は転がるようにシンガポールへ入国したのであった。

同じ体質の方は、入国前の指紋ケアをお勧めする。

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