【さもない旅行記②】超・慎重派のオットの長年の夢だった「カニと温泉」を夕日ヶ浦温泉で実現した話
そして我々は無事に夕日ヶ浦温泉「海の華」に到着した。
出発前にあれだけ引っ張ったのに、到着が早すぎんか?とツッコミが入りそうだが、オットは寄り道しないタイプなのである。
反対に、私は寄り道しまくりタイプだ。
道中立ち寄りたいスポットもいろいろ提案したかったのだが、
新たな検討課題を増やして、オットを疲弊させてはいけない。
なんといっても、まずは「カニ」である。
その代わり、オットはまだ知らないが、帰りは寄り道しまくりプランが登場予定である。
オットは旅のプランニングや、途中のあれこれを段取るのは苦手なのだ。
(たぶん検討が追いつかないからだと思う。)
さて、「海の華」は改築してまだ年数も浅く、とても綺麗なお宿である。
目の前がビーチという最高のロケーションである。
電話でのイメージ通り、明るくて元気な女将さんが「ようこそ!ようこそ!まずはお茶飲んで!」と満面の笑顔で迎えてくれた。
モダンな囲炉裏の前に座り、女将さんが淹れてくれた昆布茶でくつろぐ。


部屋着は、作務衣か女性はカラフルな浴衣を選ぶことができる。
私とオットはふたりとも作務衣を選んだ。
個人的に作務衣があるのは、とても嬉しい。
浴衣だと、寝ている間にすべてはだけてしまうのだ。
「海の華」は全6室のこぢんまりしたお宿で、お部屋にはすべて「夕」の字がついた名前がついている。
私たちのお部屋は2階の突き当たりにある、「夕星」であった。
ドアを開けると、海が広がっている。
テンションが上がり、思わず「わぁー!」
と声が出てしまう。
ビーチを散歩している人たちもいる。
海を眺めてウキウキしている私だったが、
トイレから戻ってきたオットの第一声は、
「ここはアプリコットの上位シリーズだね」
というめちゃくちゃマニアックなトイレの型番報告であった。
トイレ型番選手権があれば、ぶっちぎりの優勝であろう。
我が家は、築30年のマンションで、いよいよお風呂とトイレを新しくすることになったのである。すでに検討開始から数年経っているが、このたびようやくお風呂の型式が決まり、オットはトイレの検討中なのだった。
オットによると、アプリコットはTOTOの上位シリーズで、次亜塩素酸の綺麗除菌水とやらで汚れがつきにくいそうである。
恐るべし、オット!
お宿のトイレの型式も一撃で見破るとは!
「しかも、アプリコットの中でも上位だから、全部自動なんだよ!ウチはアプリコットにするかどうかで悩んでるんだよねえ」とオットは言った。
「全部自動なんて、人間がダメになる!
ウチはもうボットン便所にしてやろうか!」と私は叫んだ。
もはや、海辺もカニもどこかへ飛んでいる。
私の叫びをものともせず、オットは
アプリコットの形状を分析し始めた。
オットは常に冷静沈着、探究心旺盛なのである。
そういえば、こないだも、便座の比較のためショールーム行脚に出かけていた。
便座などどれも同じであろう、と私は思うのだが、オット曰く「座り心地が全然違う!ものによって傾斜が違う」とのことである。
「傾斜‼️お尻が滑り落ちるようなスライディング便座はないやろ!そんなちょっとの違い気になるもんなん?」と私は呆れ、
娘は「えらい繊細なお尻やね」と感心していた。
20年待ったカニはまだ登場しない。
何よりもまず、トイレの型番が気になるオットである。
