カスタム Gem 機能を使って、「あなただけの Gemini」を作ろう
※3月更新: Gem が Gemini 無料版でも使えるようになりました。
こんにちは、Google の AI「Gemini(ジェミニ)」の公式 note 編集部です。
Gemini に新しく、「カスタム Gem(ジェム)」機能が加わったことをご存知でしょうか?。
こちらは、プログラミング不要で特定のタスクに特化した Gemini を作成できるというもので、有料版の Gemini(Gemini Advanced)、および企業向けの Gemini Business/Gemini Enterprise などにて提供されています。
作りようによっては、まるで専門家のチームを編成したかのような利便性を提供する カスタム Gem 機能。
今後、Gem 関連の新たな機能や便利なカスタム Gem の紹介に合わせて note 記事も追加していく予定ですが、まずは多くの方に使ってみていただきたく、この記事では、機能の概要や基本的な使い方についてご紹介します。
Gem って何?仕組みと特徴
Gem とは、特定の用途、タスクにカスタマイズした Gemini のことを指します。
なぜ、わざわざカスタマイズ機能を提供するのかということですが、Gemini 含む大規模言語モデル(Large Language Models = LLM)は汎用的に設計されているため、個々のユーザーのニーズに完全に合致するとは限りません。
そこで Google は、ユーザー自身が Gemini をカスタマイズし、自分が知りたい任意のトピックに関する独自の AI エキスパートを作成できる「カスタム Gem」機能を、Gemini 有料版の Gemini Advanced および企業版 Gemini に追加しました。
Gem という名前に馴染みがなく、複雑に感じるかもしれませんが、使い方は至って簡単です。毎回同じ指示文を入力する代わりに、あらかじめ「カスタム指示」を設定するだけで、いつでも実行できるというものです。
たとえば、次のようなカスタム Gem を作ることで、毎回同じプロンプトを入力しなくても、意図する形で英文を日本語に訳すことができます。しかも、作成したカスタム Gem は削除しない限りずっと使うことができ、また必要に応じて途中で改良することもできます。

カスタム指示例
あなたはプロの翻訳家です。
英語が入力されたら、適切な日本語訳を下記の4パターンで返してください。
・忠実な直訳
・日本人が違和感なく読めるような意訳
・最大100字程度で簡潔に要約した日本語文
・文章のトピック領域でよく出てくる単語のピックアップと簡単な解説
コピーしやすいように、簡潔に4案を書いてください。
それを選んだ理由などは不要です。
コピーだけ返してください。
いずれのパターンでも、日本語として自然で、文法としても誤りがないように気をつけてください。
また、Gem の特徴として、Gmail や Google ドライブ、Google マップなど、各種 Google サービスと連携できる Gemini 拡張機能が挙げられます。Gem のカスタム指示文のボックス内で "@" マークをつけることで、必要な情報を Gmail や Googleドキュメントなどから呼び出したり、YouTube の動画をそのままプロンプトとして活用できたりします。
たとえば、ライターさんから提出されたコラム記事の原稿を、Google ドライブや Google ドキュメントにアップロードされているガイドラインを元に添削する業務があるとします。カスタム指示文のボックス内で「@Google ドキュメント」や「@Google ドライブ」と指示することで、それらのファイルを参照したカスタム Gem を作ることができるんです。
他にも、「@Youtube」と指示することで、YouTube にあるハウツー動画をステップ毎に文章で解説していくカスタム Gem も作ることができます。

このように、「AI に毎回同じような指示を入力するのが面倒...」と感じられている方は、カスタム Gem を作ることで、大幅に作業が効率化するかもしれません。ぜひ、使ってみていただきたい機能です!
あらかじめ用意されている「プリメイド Gem」を使ってみよう

カスタマイズされた Gemini を先に使ってみたい、という方に向けて、Google ではあらかじめ作成された「プリメイド Gem」 を用意しています。
たとえば上画像の左上にある「アイデア出しのプロ」Gem は、新しいアイデアを素早く考え出すのを手伝ってくれます。
仕事で新しいアイデアが思いつかず困った時や、パートナーへのプレゼント選びで悩んでいる時など、アイデア出しに付き合ってくれる相手がほしい時に使うことを想定して作られた Gem です。
たとえば、あなたは SaaS 製品のマーケティング担当で、サービスサイトからの CVR 率を高めたいと考えています。具体的にどんなマーケティング施策があるのかをブレストしたく、以下のプロンプトを「アイデア出しのプロ」Gem に渡した結果を見てみましょう。
プロンプト例
自社の SaaS 製品のサービスサイトからの CVR 率を高めたいから、施策案を出して。
アイデア出しのプロ Gem の回答

このように、一度で回答しようとするのではなく、必要に応じて追加の情報を求めてきます。さらに以下の情報を渡すと、具体的なアイデアを出してくれます。
プロンプト例
・現状の CVR 率:資料請求ページからの資料ダウンロードをメイン CVR として設定しており、先月の平均 CVR 率は 3.2 %。部門の KPI を踏まえると、最低 5 %まで挙げたい
・サービスサイトの現状:GA4 のデータを見ると、資料請求ページから導入事例のページに遷移し、そこで離脱しているケースが多い
・ターゲットユーザー:経理業務に関する SaaS 製品なので、経理部門の部長など決済担当者や、より上位のボードメンバーにアプローチしたい
アイデア出しのプロ Gem の回答

ちなみに、無料版 Gemini に最初と同じプロンプトを記入したところ、以下の結果が生成されました。
プロンプト例
自社の SaaS 製品のサービスサイトからの CVR 率を高めたいから、施策案を出して。
Gemini の回答

具体的なアイデア出しをしたい場合は「アイデア出しのプロ Gem」を、条件を問わずさまざまなアイデアがほしい時は Gemini を使うなど、用途を分けて使うのも良いかもしれません。
このほかにも、プリメイド Gem として「キャリア アドバイザー」や「コーディング パートナー」、「家庭教師」、「編集者と校正役」が、それぞれ用意されています。
ぜひ、シーンに応じて活用してみてください!
カスタム Gem の作成方法: 4 ステップで始める自分専用の AI
では次に、実際に自分専用の Gem を作ってみます。
作成手順としては以下の 4 ステップです。
Gem 作成画面の起動
Gem の名前とカスタム指示の入力
プロンプトによるテストと調整
Gem の保存
今回は、テクノロジー領域のウェブ記事が得意な編集者の Gem を作っていきます。
ステップ 1:Gem 作成画面の起動
まずは Gemini Advance 画面を開き、画面上にある「Gem マネージャー」をクリックして Gem マネージャー画面を開き、さらに「+ Gem を作成」ボタンをクリックして Gem 作成画面を開きます。

ステップ 2:Gem の名前とカスタム指示の入力

Gem を作るときは、まずその「名前」を決めて入力します。今回はその概要も含める形で「ウェブ記事編集者:テクノロジー領域の記事制作・編集が得意」とします。
このように、Gem の名前と概要をはっきりさせると、複数の Gem を作成した際に、それぞれの違いをすぐに理解できます。
名前が入力できたら、次に Gem の核となる「カスタム指示」を入力します。ここでは、Gem の主な用途や機能、どのようなスタイルの回答にしたいかの文章を入力します。
今回は、Google ドキュメントとの連携も含めて、以下の内容で設定します。
カスタム指示例
あなたは経験豊富な記事の編集者です。
主に BtoB 領域で、かつテクノロジー関連のウェブ記事の編集を得意としています。
@Google ドライブ これまで書いてきた記事のトンマナを参考に、
記事の骨子作成や、文章の校正・編集を行なってください。
なお、編集作業を進めるにあたっては、事実確認をしっかりと行なってください。また、参照する情報は徹底的に一次情報にこだわってください。

ステップ 3:プロンプトのブラッシュアップ、テストと調整
Gem を最適化するには、実際に使ってみて調整することが大切です。画面右側にあるプレビュー機能を使い、Gem への相談をテストしてみましょう。
たとえば、つぎのようなプロンプトを入れて、結果を確かめてみます。
プロンプト例
Gemini の有料版で使える機能を網羅的に紹介する記事を書きたい。テクノロジーが苦手な人でも 3000 字くらいでサクッと読めるような記事の構成を考えて
プレビュー画面例

参考にしたい情報がまとまったドキュメントやデータなどのファイルを直接アップロードすることも可能です。(現在、順次機能を適用中のため、ユーザーによってはまだ表示されていない可能性があります)
また、もしも満足する生成結果を得られない場合は、カスタム指示の内容を書き換えてみましょう。
自分で直接書き換えてもいいですし、Gemini を使用して指示をブラッシュアップすることもできます。Gemini に修正してもらう場合は、画面左下にある「+鉛筆」マークをクリックして試してみてください。

このプロンプトでは、もともとの記述の後ろに詳細な指示が追加されていることがお分かりいただけると思います。元に戻したい場合は、「+鉛筆」マークの左にある「元に戻す」をクリックすれば大丈夫です。
この「相談して、確認して、カスタム指示調整する」を繰り返すと、徐々に使いやすい Gem になっていきます。
ステップ 4:Gem の保存
プレビューで挙動を確認し、理想の動作になったら、最後に画面右上の「保存」ボタンを押して Gem を完成させます。これで、あなた専用の AI エキスパートの出来上がりです。
作成した Gem は、Gem マネージャー画面の「作成した Gem」枠(画面下部)に一覧で表示されます。

また、Gemini の画面のサイドバーにも表示され、ここで表示を固定させたり、内容の編集や削除もできます。
プリメイド Gem も自分好みにアップデートしてみよう
先ほど紹介したプリメイド Gem についても、コピーして、自分なりにカスタム指示を修正・アップデートすることができます。
例えば、先ほど選択した「アイデア出しのプロ」をカスタマイズしたい場合は、まず、「コピーを作成」をクリックします。

以下の Gem 設定画面が出てくるので、あとは任意の名前を付けて、カスタム指示の内容をニーズに合わせて更新すれば完了です。

※プリメイド Gem については こちら の Google アプリラーニングセンターもご覧ください。
気軽に Gem に触ってみてください
Gem は、私たちの日々の生活や仕事をより便利にしてくれる新しい機能です。ぜひ、あなたが知りたいトピックに関する独自の AI エキスパートを作ってみてください。
また、今後も続々と新機能やプリメイド Gem のラインアップが増えていく予定です。
いきなりオリジナルの Gem を作るのはハードルが高いと感じる方は、まずは、あらかじめ用意されている「プリメイド Gem」を使ってみてください。
冒頭でもお伝えしたとおり、今回ご紹介したカスタム Gem 機能は、有料版のGemini (Gemini Advanced)、および企業向けに提供されている Gemini for Google Workspace アドオンの Gemini Business/Gemini Enterprise などでお使いいただけます。
ぜひ最新の Gemini をビジネスに、趣味に、幅広く活用して、プロダクト上の 👍👎でフィードバックをお願いします!
