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【映画感想文】『モータルコンバット/ネクストラウンド』の欠点:「モータルコンバットが開催されたこと」

モータルコンバット、それは端的に言えば格ゲー…つまり格闘ゲームである。が、単なる格ゲーではない。敵を倒す瞬間に妙にグロいトドメ、フェイタリティをキメる事が出来ることがウリという、いかにもアメリカらしい機能がある格ゲーなのである。ちなみにこれはやらなくても勝てるらしい。でもみんなやる。なんだよそれ。怖いよ。
そんなゲームだが、その人気は凄まじく、ターミネーターにジョーカーにランボーに…とまるで洋画のスマブラと言わんばかりのゲストキャラが大量出演してるらしい。どうなってる!?

そんなモータルコンバット(ちなみに日本ではシリーズのほとんどが遊べない。そんなぁ!)が実写映画化されたのが2021年…これがなかなかヒットしたらしく続編が作られたのが今作という訳だ。

さて、1作目に関してだが、これは僕は傑作だと思っている。
異常ながらも作品内世界での理屈をしっかりと積み立てる展開、餃子で目からビームを出せるようになるなどの正気とは思えない発想。クライマックスに完全に理屈を飛び越える凄まじさ。真田広之のカッコよさ。そして何よりフェイタリティの数々!
映画を通してモータルコンバットが開催されなかったことに全く気が付かなかったくらいだったのである。(いやこれマジで驚いたよ。気づかなかった自分にも

そんなわけで今作も当然超期待しながら観に行ったという訳だ。わざわざIMAXまで予約してね。

そんな今作のあらすじとしては…まあモータルコンバットが開催される。という感じだ。正直言ってこれ以上の説明は必要ない。
というのもまあ例によって今作は大して内容がない…と言うと語弊があるが、いやまあ、今作に関しては特にこう説明が難しいのだ。

そんな今作で何が行われているかと言われれば、これはもうバトルに次ぐバトルである。前回開催されなかったモータルコンバットがついに開催。というわけでバトルが数珠繋ぎで描かれるという感じになる。

このバトルに関しては、やはり出来が良い。
まずシンプルに格闘の殺陣が良いし、空間を巧みに活かしたアクション構築も良い。いかにも「ステージ」という感じのギミックも愉快だ。
そして何よりその残虐性!時に冒頭のバトルの敵役の捨て身の剣の扱い方などまさに残虐で素晴らしい。

まあぶっちゃけ今作の感想なんてこれで終わりで良いんだよな…本当に戦うだけだから。良くも悪くも。
でもまあその「良くも悪くも」を説明するのがこの映画日記の役割だからなあ。
まあそういう訳で、感想を詳細に述べていこう。

今作の魅力に関して言えば、何と言ってもその大らかさにある。ガバガバさ?いや、僕は大らかさと呼びたい。
まず今作のポスターを見てくれよ。いやアンタら半分くらい前作で死んでなかった?って感じのキャラである。
それが今作ではなんか謎の魔法で復活するのである。いやー大らかで良いですねえ!

そんで今作ではジョニー・ケイジという映画俳優という設定のキャラが参戦する訳だが…ここもかなり大らかだ。
まず彼の劇中劇が描かれる…これがいかにもやられ役の演技に頼り切ったダメアクションという感じで、なかなか面白いのだが、どう見ても世界を賭けた戦闘には向いてなさそうだ。
そんな彼の元に目が光っている浅野忠信がやってきて「モータルコンバットに参加せよ」と言うのだ。
僕なんかはもうこの絵面だけで面白すぎて困ってしまうのだが、それはともかく、なぜジョニー・ケイジが参加せねばならないのかの理屈がマジで全くないのである。
ただ神々になんとなく選ばれたから…それだけ。いやー…大らかだねえ!うん、映画はこれで良いよ。(そうか?
実のところ、あまりに理不尽だと逆に反論のしようがないし、理不尽な故に巻き込まれ型としての面白さは上がる。

そんな中で大会が開催される訳だが…これがなかなか敵も味方も容赦なく死んでいくのが面白いのだ。割とマジで決着の瞬間まで読めないカードが連発されるのである。
さらに、なんか緑色のマクガフィンをめぐった場外乱闘も繰り広げられ、それがまた映画を盛り上げてくれる。

しかし…正直言えば、今作は前作に比べてあんま面白くはなかったのである。それはなぜか…?色々考えたんだけど、やっぱモータルコンバットが開催されたのが悪いんだと思う!

というのも今作、かなり話にまとまりがないのだ。
別に前作も話が面白いから面白いという映画ではなかった。しかし、前作が一つの出来事を起点に展開し、あるいは収束していく、そんな収束型の物語だとすれば、今作はなんというか拡散型、という感じなのだ。
つまり魔族の人間界襲来という事件を軸にしていた前作と、大会というものを舞台にどんどん拡散していく今作という感じなのである。

例えば、ジョニー・ケイジという俳優の物語があり、それとはあまり関係なくキタナというキャラの物語があり、リュウ・カンとかその他諸々の物語があり…とそれらが並置されていく印象が強い。
上述のマクガフィンも、どこか分離を加速させる印象が強い。

それが悪いとは言い切れない。キャラ映画としては悪くないだろう。
しかし、こうなるとどうしてもジャンル映画的な一貫性は弱くなる。それはやはりどうも僕好みではないのだ。

まああとこれを言っちゃおしまい感はあるのだが、今作はキタナに始まるキタナに終わるという構造を持っていて、それが前作のスコーピオンと同様の型を持っている訳だが…どうしてもキタナにスコーピオンほどのオーラを感じないのだ。
これは役者やキャラの問題というより、どうも演出の熱がこもってない感じがするのだ。
それはやはりキャラが多すぎるというのもあるだろうし、拡散型の物語の影響もあるだろう…

あとはまあやっぱ、フェイタリティ成分が弱まってない?とも思った。
まあラストのやつとかは良かったし、敵に操られたかつての仲間を「いつか…お前を助ける!」と言いながら考え得る中でも特に残虐な殺し方をするのとかクソ面白いんだけど。

そういう訳で前作の方が好きかなとは思った。でもなんやかんや面白かったので次もあったら行くと思う。まあIMAXにはしないけど…

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