狐霊

 狐の霊についてのネタを備忘録メモ。
 海外のキリスト教系心霊主義の本では、この狐の霊はあまり見かけたことはないが、和風オカルト物には頻繁に出てくる。日本中国インド三国あたりを横断するローカルカラー神獣なのか、お狐様。
 仏教のダキニ天。日本の稲荷狐。中国渡りの玉藻前など。
 正神界系では宇迦之御霊の眷属。稲穂を咥えたお稲荷さん。
 進化した動物霊で稲荷神社などに宿り信仰対象になっている。
 また伏見大社は神道系の狐霊。豊川稲荷は仏教系の狐霊、と、霊的にも派閥がある。仏教対神道、客引き対決とか狐霊どうしでやってそう。
 昔風のモノクロ絵図でみた記憶では様態多様。色が付くとさらに種類豊富か。割れた尻尾の数が多いほど階級が上とか。
 狐ながら信仰する人の想念を浴びると、それなりに格が上がり霊的に進化する。人語は解す。テレパスではコミュ二ケーションできる。霊能は持っており次元が一段高い分、人間よりは未来を見通せるので、信仰者に物質的な福徳を授け、金銭的な成功へ導くが、時に低級な、はぐれ狐は、なおざりにすると怒り、しっぺ返しをなす。動物霊信仰の怖さ。眷属は祟るとはよく聞く話だが、見えざるものなので、扱いが大変。どれがはぐれ者やら気まぐれ者やら。同じ顔してるし。やはりオーラで見分けるのか。
 スピリチュアリストの桑原啓善(くわはらひろよし)氏の本を読んだ折、彼は霊視もできるのか狐の霊に憑りつかれた人を、興味半分で除霊したら、逆にその狐霊に憑りつかれ、相当難儀した話があった。まぁ桑原氏はキリスト教系の方なので、和風妖怪の狐霊の対処には戸惑ったのか。とにかく執拗に頭の周りにまとわりつき、何をしても取れない。土地を離れ引っ越しをした際、急にいなくなった、と書かれていたから、狐霊は産土とか土地に関連するものなのか。動物の縄張りみたいなものがあるのか。そんな話が印象に残っている。
 蛇神、水神や動物霊系の稲荷信仰は色々気を使いそうで怖い印象がある。かなりの金銭的リターン商売繁盛などの利益はあるらしいが。
 とにかく当てモノが上手く正確。賭け事、婚姻の相手、近未来の予言。人の死期。病気の原因と癒し。ただやはり地上に近い位置にいる印象。スピ的な霊界の構造などは解説しないか知らない感じ。
 でもまぁ、あの狐の顔は愛嬌があって多大な御利益をもたらすならお祈りもしたくなる。

 人霊が化身した狐霊。これは言葉をしゃべる。なんといっても元人間。
 しかし哀れ畜生道に堕ち、姿が動物の狐の姿に。
 どんな人が死後、狐霊になるのか。
 人を不幸にする類の悪しき色情系風俗系、人騙しの詐欺系らしい。と言うことは女性に多いのか? 失礼。
 飲み屋街や風俗街にうじゃうじゃと寄り付き、酔っ払いに憑依して酒を飲ませ、色情に耽溺させぼったくり、人を破滅に導き、地上の快楽気分を味わう。そして六道の三悪道四悪趣の世界へ引っ張りこむ。悪しき哉、地獄狐。
 これに憑依されると顔つきも狐みたいな雰囲気になる。さらに、憑依体には美人が多く、色気過剰だから困りもの。化けるのは大得意。時に傾国の美女となり、背後に憑いている者を見破らないと破滅へ導かれる。
 風俗界隈エロ女子には『狐(憑り付き)っ娘』がいる。霊的にはケモ耳と尻尾も生えている。霊的カチューシャ。商売繁盛間違いなし。しかし、悪しき者の指導だと誑かされる。
 自分も気を付けないと、頭にケモ耳と尻尾が生えてしまうー、ケモナー?

 ダキニ天。狐に乗ったインド系の神霊。
 元はインド系の人食い人種で魔法使いのダキニ族が仏教に帰依。後、密教にも取り込まれ天部諸尊として祀られた。中世あたりから狐霊と習合したらしいが本体は狐ではなさそう。神道系の稲荷とは別種のものだが、ダキニ天を祀る豊川稲荷の霊域には眷属に狐がいるわけだから仏教でも日本の土地柄か、手下に使っているということか。
 密教にはこの神霊を中心に置くダキニ天法というのがある。
 即効性の霊験はあるが、何か怖い対価を取られそうな気がする。そもそもが大日如来がその魔力を評価し人食い夜叉ダキニと取引して、生きた人肉を食べない代わりに、人の死を予知する能力を授け、死者の心臓なら食べてよいことを条件に密教に帰依させた。魔界からのヘッドハンティングか。神通力絶大。人の死を予知する死神、鬼神でもある。胎蔵曼荼羅では閻魔天の配下に位置する。死者の霊魂を奪う役として。
 天部の神々はいわくありげで、その修法は畏怖をもよおす。
 密教僧には、天部を扱う専門の行者がいて、天台の大僧正、今東光氏のエッセイにちらりと書かれていたが、天台密教の天部の行者は、禁欲主義者で妻帯せず、生涯を賭けて行に打ち込んでいる人が多いとか。一般の僧侶たちは、この天部を祀る御堂を通るときは、ぎゅっと目をつぶって恐々歩き去るそうだ。南無三。


 


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