足場の違うスポーツ
スポーツでは、足裏の感覚が大切だと言われます。
走る時も、跳ぶ時も、投げる時も、まず足裏で地面を捉え、そこから体を動かします。
基本的に人は、足裏で体を支えてバランスを取り、その足場の変化を全身の動きへつなげています。
例えば、バスケットボールで方向を変える時。
足裏で床を押し、その反力を使って体を移動させます。
サーフィンやスケートボードでも、足裏から伝わる細かな感覚によって、ボードの傾きや進む方向を調整しています。
足のどこに圧がかかっているのか。
前なのか、後ろなのか。
内側なのか、外側なのか。
この小さな違いが、全身の動きに表れます。
ところが、スノーボードは少し違います。
足裏が直接ボードへ触れているわけではありません。
ブーツを履き、そのブーツをバインディングで固定し、さらにボードへつながっています。
足裏と雪面の間に、いくつもの道具が入っているんです。
そして、スノーボードブーツでは、足裏だけでなく、スネやふくらはぎの周辺まで支えとして使えます。
トーサイドでは、スネ側からブーツへ圧を伝える。
ヒールサイドでは、ふくらはぎ側やハイバックを頼る。
つまり、他のスポーツでは足裏を中心に作っていた足場が、スノーボードでは足裏から下スネの周辺まで広がっています。
この広い立体的な足場をどう使うか。
それがスノーボードの面白さであり、難しさでもあります。
だから、スノーボードでは「足裏を使う」から、「立体的な使い方」を考えて、ブーツ全体を使って、ボードへ力を伝えることで面白さが広がります。
スネを当てる。
ふくらはぎ側を支える。
足首を動かす。
ブーツの中で足がどの位置にあり、どこから圧を伝えているのかを感じる。
ブーツを上手く使うことが、他のスポーツでいう足裏の使い方に近いのだと思います。
ただし、ブーツを使うためには、道具が適切につながっている必要があります。
スタンス幅や角度。
センターリング。
フォワードリーン。
ストラップの位置や締め方。
これらが合っていなければ、頼りたい場所にブーツがなく、作った力もうまくボードへ届きません。
体の使い方だけを変えようとしても、足場そのものがズレていれば難しくなるのは当然です。
大切なのは、力いっぱい踏むことではありません。
しっかりとセッティングされた道具を使い、その局面で必要なポイントへ適切にアプローチすること。
足裏だけではなく、ブーツ全体を足場として使う。
そう考えると、ターンの中で頼れる場所が増えます。
頼れる場所が増えれば、バランスには余裕が生まれます。
その余裕が、スピードや斜度、雪質の変化へ対応する力になります。
スノーボードは、足場の違うスポーツです。
だからこそ、その違いを理解し、道具を味方につける。
そこから、もっと自由にターンを楽しめるようになると思います。
言語化の鬼 青木玲でした。
