同じ「長さ」で「幅」を変える
BC STREAMで私が担当している
「ライダーズスペックシリーズ」
今は「VL」ですが、以前のモデルの話。
コンセプトは、当時だとかなり珍しい。
「幅で楽しむ乗り味の違い。」
同じ157cmという長さで、
X、XX、XXXという3モデルを用意しました。
ウエスト幅だけを変えたシリーズです。
252mm、256mm、260mmくらいだったと思います。(細かい数値は少し曖昧ですが。)
そして面白いのは、長さだけではありません。
サイドカーブも同じ。
ノーズの長さも同じ。
テールの長さも同じ。
変えたのは、ほぼ幅だけです。
これは、驚くほど乗り味が変わります。
それくらい、ウエスト幅は大きな要素なんです。
ボードが細くなると、エッジの切り替えは軽快になります。
少ない動きで角付けしやすく、素早いレスポンスが得られます。
一方で、ブーツサイズとのバランスによっては、角付けの限界が早くやってきます。
もっと立てたいのに、ブーツが雪へ近づき不安を感じる。
そんな場面もあります。
逆に、幅が広くなると安心感が生まれます。
エッジをさらに立てられる。
角付けの余裕が増える。
特にカービングでは、この違いを大きく感じます。
その代わり、切り替えには少し大きな動きが必要になります。
どちらが優れているという話ではありません。
乗り味が変わる。
それが幅の違いなんです。
「長さ」と「幅」での乗り味の違いは、
長さは乗り方や技術をそのままで、
長くすれば安定感。
短くすると軽快さ。
という違いを感じられます。
一方、幅の違いは、
「切り替えのタイミング」
「ターンの最大角付け量」
この違いが生まれます。
そしてこのふたつには、技術に大きな違いがあります。
スノーボードは、雪との接点であるエッジをどう使うかが重要です。
そして、そのエッジをどこまで使えるかは、ウエスト幅とも深く関係しています。
ターンのしやすさ。
角付けの限界。
安定感。
切り返しの軽さ。
そのすべてに、幅が関わっています。
今ではワイドボードも珍しくなくなりました。
でも10年以上前に、「長さではなく幅を楽しもう。」
というテーマでシリーズ化したことは、当時としてはかなり挑戦的だったと思います。
私は昔から、ボードは長さだけで選ぶものではないと考えていました。
だからボード選びをする時は、ぜひウエスト幅にも注目してみてください。
「この幅なら、どんな乗り味になるんだろう。」
そんな視点を持つだけで、スノーボードはもっと奥深くなります。
道具を知ることは、自分の滑りを知ること。
私はこれからも、そんな研究を続けていきたいと思います。
言語化の鬼 青木玲でした。
