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体重の使い方、筋力の使い方

スノーボードで「力を使う」というと、筋力をイメージする人が多いと思います。

脚で踏む。
膝を曲げる。
体を動かす。

もちろん、どれも筋力を使っています。
でも僕たちは、もうひとつ大きなものを持っています。
それが「自分の体重」です。
今回は、体重と筋力。この二つを分けて考えてみます。


体重70kgの人は、70kgという重さを持っている。
これは筋力のように「頑張って出すもの」ではありません。
立っていても、力を抜いていても、体重そのものはなくならない。
だったら、この70kgを上手く使った方が効率がいい。
スノーボードでは、この考え方がかなり大切だと思っています。


例えば、ボードを踏もうとした時。
脚の筋力を使ってグッと踏み込むこともできます。
これは自分から力を作る方法です。

一方で、自分の体重をボードに預けることもできます。
こちらは、すでに持っている重さを利用する方法です。
似ているようですが、僕の中ではかなり違います。

「踏む」と「乗る」の違いです。

筋力を使ってボードへ働きかけるのか。
自分の体重をボードに乗せるのか。
この二つを区別できるようになると、滑りの選択肢が増えてきます。


では、筋力はいらないのか?

もちろん、そんなことはありません。
筋力はとても重要です。
ただ、筋力の使い方を少し変えて考えてみます。

筋力でボードを動かすだけではなく、
体重を使いやすい場所へ体を運ぶために筋力を使う。

体を低くする。
体を起こす。
前後へ移動する。
左右へ移動する。
そして、その場所で体重をボードへ預ける。

筋力そのものを主役にするのではなく、体重をコントロールするために筋力を使うという考え方です。


さらにスノーボードには「斜面」があります。
ここが面白い。
平地に立っているのとは違い、斜面では常に落下しようとする力があります。
そして滑り始めれば速度が生まれ、ターンをすれば遠心力も大きくなっていく。
つまり、自分の筋力以外にも利用できる力がたくさんあります。
だったら全部を筋力でやろうとしなくてもいい。

体重を使う。
斜度を使う。
速度を使う。
外力を使う。

そして、それらを扱うために筋力を使う。
僕は、この順番の方がスノーボードらしいと思っています。


上手い人の滑りを見ていると、とても力強いのに、本人はそれほど力んでいないことがあります。
これは筋力がないということではありません。
むしろ必要な筋力はしっかり使っている。
でも、それだけに頼っていない。
自分の体重や、斜面から受ける外力を利用しているから、大きなエネルギーを扱える。

自分で全部の力を作るのではなく、すでにある力を使う。

ここがポイントです。


筋力を強くすることも上達。
でも、自分が持っている体重を上手く使えるようになることも上達です。
そしてさらに、斜度や速度によって生まれる外力まで利用できるようになる。
そう考えると、スノーボードの「力強さ」は、筋力の強さだけでは説明できません。

筋力で頑張るのではなく、筋力で体重を操る。
そして、体重と外力を滑りに使う。

自分の70kgをどう使うか。
そう考えて滑ってみると、いつものターンが少し違って感じられるかもしれません。

言語化の鬼 青木玲でした。

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