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”Nighttime Delivery”1円仕事の皮をかぶった丸投げ天国、内職代行という「見えない奴隷制」

1円から受ける美徳の裏で、誰かの貴重な時間が使い捨てられている。



1円仕事の皮をかぶった丸投げ天国、内職代行という「見えない奴隷制」


自社の雑務を他人に押し付けて安心する経営者と、安買いされる現場の生々しいリアル



「1円単位からご相談」「基本料金ゼロ」。いかにも顧客ファーストを装った美しい言葉が画面上に踊っている。内職代行広場というサービスのLP(ランディングページ)を眺めていると、胸の奥から苦いものがこみ上げてくるのを感じる。現代のビジネス社会において、これほど都合よく自社の「面倒くさい」を外に追いやる仕組みがあるだろうか。

シールの貼り替え、DMの封入、袋詰め、検品。自社の社員にやらせるには人件費が見合わない、かといって自分たちでやるにはプライドが許さない。そうした会社内の「雑務」を綺麗にすくい上げ、格安で引き受ける仕組み。なるほど、アウトソーシングの鑑であり、業務効率化の救世主に見えるかもしれない。だが、その滑らかな営業トークの皮を一枚めくれば、そこにあるのは「面倒な単純作業を他人に押し付けて高みの見物を決め込む構造」そのものである。

最低ロット数も設定せず、小ロットのスポットでも1円から対応するという。一見すると親切極まりない姿勢に見えるが、それは裏を返せば「どんな微細な都合にも自分たちを合わせます」という自己安売りの宣言に他ならない。他社に断られた面倒な案件でも遠慮なく持ってこいと叫ぶその姿は、まるで企業の「ゴミ箱」になることを誇っているかのようだ。

企業が「コア業務に集中する」という美しいお題目を唱えるとき、その裏で誰かがシールを貼り続け、紙を折り続けている。自社のオフィスで場所を取り、社員の時間を奪う「不都合な現実」を、新横浜のビルの一角へと綺麗に隠蔽する。打ち合わせから作業手順書の作成、進捗管理まで至れり尽くせりでやってくれるというが、その至れり尽くせりの代償として、泥臭い現場の作業者はどれほどの対価を受け取っているのだろうか。

「基本料金はいただきません。かかった作業分だけ」という甘い囁きに乗り、自社専用のスペースを用意させて満足している経営者たち。彼らは「業務フローの最適化」という横文字で自らの行為を正当化する。しかし、それは最適化などではない。単に自社の内部で処理しきれなくなった無駄とシワ寄せを、外部の安い労働力にスライドさせているだけに過ぎないのだ。

急な作業が発生して社内で対応できないから頼む。面倒だから長期的に頼む。その「面倒」という感情の引き取り手として重宝される内職代行ビジネス。だが、どれだけ効率的なフローを構築しようと、最終的に手を動かす人間の「体温」と「時間」が消費されている現実は変わらない。

1円単位の見積もりを手にして「安く済んだ」とほくそ笑む前に、自社の歪みを他人に買わせている自覚を持つべきだ。丸投げという名の麻薬に溺れた企業は、自力で泥を払う筋力すら衰えさせていくのだから。

〈了〉


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