”Seo Academy”人を喰らいながら濡れる目の罠/「crocodile tears」偽りの同情と湿った欲情
溢れる蜜に騙されるな。男を噛み砕く、嘘泣き女の甘い涙。
人を喰らいながら濡れる目の罠

「crocodile tears」偽りの同情と湿った欲情
「嘘泣き」なんて生ぬるい言葉じゃ、あの女の濡れた瞳の毒気は表現しきれねえよ。
英語でいう「crocodile tears(ワニの涙)」ってやつだ。見せかけの同情、哀れみを装った偽善の涙を意味するイディオムだが、その起源は14世紀のインチキ旅行記『マンデヴィル旅行記』にまで遡る。引きこもりの騎士が妄想で書いた「ワニは人を殺し、泣きながら食い殺す」って伝説だ。
その後、16世紀の聖職者が破門された野郎を罵るのに使い、シェイクスピアも『オセロー』で「女の涙が一滴落ちるたび、ワニに化けやがる」なんて泥沼の嫉妬を込めて吐き捨てた。男ってのは昔から、女の流す涙の湿り気に翻弄され、骨まで噛み砕かれてきたわけだ。
だが、ここで最高に淫らな事実を教えてやる。
「ワニが涙を流す」のは、伝説でも嘘でもねえ。現代の科学者が突き止めたんだよ。あいつら、獲物を口にねじ込んで喰らっている最中、実際に涙腺からボロボロと液を溢れさせてやがるんだ。
ただし、そこには反省も悲しみもねえ。眼球を潤し、余分な塩分を排出するための、ただの無機質な生理現象だ。絶頂の渦中で唾液と蜜を撒き散らす獣と同じなんだよ。
食い散らかされる男の痛みに感じ入りながら流す涙じゃなく、喉奥に獲物を丸呑みする快感と消化のプロセスの最中で、勝手に溢れ出しているだけの汁。
想像してみな。アンタをベッドの上に押し倒し、胸元に顔を埋めて胸を締め付けるように泣いているあの女。潤んだ瞳から頬を伝うその一滴は、哀愁か? それとも、アンタという獲物を骨の髄まで噛み砕き、搾り取るための潤滑油か?
「可哀想に」なんて抱き寄せた瞬間、アンタの首筋には鋭い牙が深く突き刺さっているのさ。
〈了〉
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