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”Morning Shot” 綺麗事のメッキを剥げ。障害児ショートステイFCの甘い罠と、泥を啜る覚悟

善意をソロバンで弾く前に、一晩の子どもの重みを背負えるか。


綺麗事のメッキを剥げ。障害児ショートステイFCの甘い罠と、泥を啜る覚悟


「サビ管不要・高利回り」で釣る福祉ビジネスの皮算用に、現場の鉄槌を下す




画面を開けば、眠たげな黄色いヒヨコのイラストと、やたら耳触りのいい美辞麗句が踊っている。「家族に休息を」「虐待の根絶」「地域に必要とされる福祉」。結構なことだ。誰も反対できない正義の看板である。


だが、スクロールを数回滑らせた瞬間に現れる数字の羅列を見て、思わず苦笑いが漏れた。「月間利益80万」「損益分岐点56%」「投資回収1.5年」「1泊で2日分の報酬算定」。おいおい、ヒヨコの皮を被った狼が、随分と露骨に涎を垂らしているじゃないか。


私は長年、町工場や製造の現場で機械の油と図面に塗れて生きてきた。数字が嘘をつく瞬間など、嫌というほど見てきた人種だ。この募集要項の行間から立ち上る「福祉は国の制度報酬だから儲かりますよ」「サビ管なしの素人でも楽勝です」という甘ったるい匂いに、強い胸焼けを覚える。


確かに、現場の悲鳴は本物だ。児童相談所からの緊急受け入れ打診が溢れ、疲れ果てた親が藁をも掴む思いで夜を明かす場所を探している。その圧倒的な供給不足という「社会の歪み」に目をつけ、戸建て賃貸を仕立ててパッケージ化するビジネスの嗅覚自体は否定しない。資本主義の仕組みとして実によく練られている。


だが、引っかかるのは「サビ管の配置義務なし、未経験オーナー歓迎」という惹句だ。


要するに、資格職を雇うコストと採用難をパスして、安価な夜勤パートを回せば利益率20%が手元に残るという算段だろう。ふざけるなと言いたい。預かるのは、言葉の出ない子、夜中にパニックを起こす子、自傷や他害のリスクを抱えた生身の子どもたちだ。彼らの命と情緒を一晩預かる現場が、本部のマニュアルと数日の研修だけで平穏に回るわけがない。


夜勤の現場で突発事態が起きた時、駆けつけるのは誰だ。送迎車の中で暴れる子を抱きとめるのは誰だ。フランチャイズ本部の綺麗なコンサルタントは、夜中の泥臭い現場には来てくれない。最後に責任を取るのは、オーナーたる自分自身の血と肉だ。


「1泊で2日分算定できるから美味しい」などと制度の隙間を突いた錬金術に目を輝かせている輩は、即座に退場したほうがいい。そんな薄っぺらい動機で開所した施設など、最初の事故かクレーム一発で脆くも崩壊する。


それでも、もし参入しようという骨のある人間がいるなら、胸に手を当てて問い直してほしい。

お前は、預かった子どもの涙と親の絶望を、自らの両手で受け止める覚悟があるのか。

ドミナント展開で利益率30%などと捕らぬ狸の皮を数える前に、目の前のたった一つのベッドに、魂を注ぎ込めるのか。


福祉をビジネスにするなとは言わない。継続するためには金が必要だ。だが、利益は「死に物狂いで子どもと親を救った結果」として後からついてくる残滓に過ぎない。最初から利益を目当てに参入するなら、この業界の重圧に叩き潰されるのがオチだ。


綺麗事の看板を掲げるなら、その裏にある泥と汚物と叫び声を引き受ける覚悟を持て。ヒヨコがニワトリになる前に、生半可な覚悟のオーナーが真っ先に絞め落とされるのが、この過酷な現場の現実なのだから。


〈了〉



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