フロイト 「神経学」と「精神分析」ミクログリア細胞
精神分析について、あまり深く学べていなかったので、しっかりと学ぼうとメラニークラインについて本を漁っています。ちゃんと転移・妄想ー分裂などをしっかりと理解しないといけない分野だと改めて感じるところです。
そんな中で学生の頃、精神保健福祉を学ぶ最中、ヒステリー(転換性障害・解離性障害)、うつや統合失調症など精神保健分野における対象の病気は、なぜ起こるのか脳の仕組みはどうなっているのか疑問でした。
精神医学書や概論はそのような記載はなく、また、当時は痴呆症(現認知症)と記載され今となってはかなり古い用語で記載されているような学生時代でした。
「脳科学」と「精神分析」とであったら
という名の本にたどり着きました。
脳は、神経物質のパルスにより人の思考に影響を与えています。それがどの様な仕組みだったのかを解説されている本でまさに私が探していた分野だったのです。
フロイト(1856-1939)神経病理学者
ウィーン大学に入学し、2年間物理などを学び、医学部の生理学研究所に入りカエルやウナギなど両生類・無顎類の脊髄神経細胞を研究
脳性まひや失語症の臨床研究でも業績を残し、脳神経活動として、心理活動の解明する目的としていた。
フロイト 1884 コカイン研究
コカインの研究により、局所麻酔剤としての使用を着目し、手術に成功するが、その常習性中毒性により、危険物質との認識が広まり不信感をあおられた。
フロイト 1885 シャルコーと催眠治療
ヒステリー研究において睡眠治療を行う神経学者シャルコーのもとでパリ留学し、後のフロイトの精神分析へとつながていく。
しかしウィーンでの生理学での学問から逸脱したものと容認できる内容では
なかったため、フロイトは、医学的観点と精神分析の両方の視点での研究は程遠いものと言われるようになっていった。
フロイト 無意識(自我エス超自我)
精神分析の成立過程いおいて、自由連想法という診療を開発しやがて、転移の発見をする。有名なエディプスコンプレクスの理論の形成となる。
やがて、ナチスによるユダヤ人迫害により、ユダヤ系のフロイトは危機的な状況となっていく。
フロイトの体は蝕われており、それはコカインの常用により顎がはずれ数十回の手術を繰り返している。ただのジャンキーかそれとも偉大な研究
による副産物がなければここに至る結果だったのかは、
誰にも分らない。
フロイト 1920「快感原則の彼岸」
エロス (性の欲動)
「人間の根源的な性エネルギーや衝動」
リビドーとも言われ、人の行動や心の動きに左右する基本的なエネルギー源とされている。
性的な行為だけではなく、生きる力、創造性、愛情表現などの意味を持ち、生命的な衝動を含まれている。
タナトス(死の欲動)
「エロスとは対となるもので生きることへ逆らう衝動、自己破壊」
フロイトは、世界大戦の兵士の生きたいという欲求だけでは人の行動は説明できないと考え、また晩年に導きだされた概念で自身の死も考えるようになったもの。
フロイトは、快を求めると同時に、破壊衝動も併存していること突き止めます。
・人はなぜ破壊的な選択をするのか
・人はなぜあえて苦しい道を選ぶのか
フロイトは、生理学者、現神経学をもととし、人の行動の表面ではなく、脳の働きに着目し研究されていたことがわかってきています。
フリースへの手紙には、心理的な人の行動の分析だけではなく、神経学に紐づいた脳の構造から解き明かそうとしていたことが含まれています。
ヒステリー症患者の中には自由連想法という手法の中で、友人の娘がいたが、過去に性的虐待が示唆される会話がなされていた。友人がそのようなことがあったことが信じがたい内容であった。そして、実際になかったことがわかり、娘の空想の中でのトラウマ体験が想起され、症状として身体に影響していたことがわかりました。
(事実、エリザベスロフタスらの研究により、デパートの迷子実験)
「過去迷子になったことがないのにも関わらず、詳細に迷子のになった時の記憶を想起させ、あたかも事実であったかのように話し始めるという偽記憶」
フロイトは、単なる偽りの記憶としての症例をそのままとせず、なぜそのような想起にいたるのかという脳の仕組みの解明をしているということがわかっている。
つまり、このエロスとタナトスの現象について、精神は単なる象徴的な心ではなく、「興奮量の経路」として神経のエネルギー路を説明しています。
リオ・オルテガ 1919 ミクログリアの発見
ミクログリアは、グリア細胞の一つで免疫細胞担当で中枢神経系に常駐するマクロファージと呼ばれている。
生理機能の調節機構の手段であり、神経障害時やストレス、細胞内感染により活性化したミクログリアからサイトカインが放出され、神経系に炎症を引き起こし、中枢神経に何らかの機能の支障をきたすことで中枢神経系(多発性硬化症・アルツハイマー)の疾患への影響を示唆されている。
ミクログリアは、普段脳内をパトロールする機能があり、異常を検知すると直に反応を示し、異物や死んだ細胞を処理貪食作用を持ちます。
脳のシナプスネットワークの調整や効率化の整理をし、子どもや思春期に活発化したシナプスの刈り込みを行い、感情や記憶の整理をし情報の引き出しをコントロールします。不要な過去の状況の忘れる機能。
また神経細胞の可逆性(新しく作る)のサポートをし、学習や記憶の強化を図ります。
ストレスなどの過活動時に神経が興奮する際にはその回路を部分的に破壊し抑制を行うが、過剰に作用することで、解離症や認知症の原因にもなりえるため、自己防衛や破壊者の役割を果たします。
最新研究では、熱温度感知器で作動することがわかっており高温でより活発に機能し、ダメージから回復を早めているのではないかと思われいます。
フロイトの「転移」と「ミクログリア」
ミクログリアは、脳に非常に重要な役割を果たしています。
フロイトは、ミクログリアの発見時には晩年を迎えています。もしグリア細胞の発見が早くフロイトの研究に組み込まれていたとしたら、精神分析が少し変わっていたのかもしれません。メラニーや娘のアンナも現状では脳の仕組みにまでは言及していないことも残念なところではありますが、精神分析の分派は各々独立した見解が面白いところではあると思います。
1895年に科学的心理学草稿はフロイト未完の原稿で、情動や記憶のエネルギーの流れや蓄積をモデル化し、脳内ネットワークの構想に近いものです。
神経細胞とミクログリアのやり取りが快・不快の感覚やトラウマの記憶の反復行動の媒介になっており、それはミクログリアの刈り込みであり、エディプスコンプレックなんかは、同性の親に対する嫌悪やトラウマといった記憶に対し、苦痛からの解放へまたは、過去からの転移症状のとなっていると解釈できます。
つまり、過剰なストレスは、防衛機制、欲動、抑圧は力学的エネルギーとして捉えることと精神分析では解釈されるのですが、まさにそのエネルギーの根本は、ミクログリアが関与していたということになっています。
まとめ
精神分析にも様々な分派があることがわかり、どこから追って勉強しようかという段階でした。そんな中、チャットGPTにおいて、長年謎だった神経学、神経伝達物質のパルスがのど様な機能で、なぜ症状が起こるのか?という疑問に出した本が、
「精神分析と脳科学が出会ったら?」
免疫細胞が生み出す快と不快の不協和音
著者 加藤隆弘
出版社 日本評論社 2022
でした。この本との出会いに感謝しかありません。ミクログリア自体まだ未解明な部分が多いことだが、その働きは、私たちの感情情動はどのように関与しているのか本当に人の仕組みは好奇心がそそられます。
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