忘れたい秀吉、逃げるなと迫る小一郎。絶望の「播磨大誤算」と二兵衛の痺れる心理戦【豊臣兄弟 第22話】
こんにちは。ごんごん夫です。
2つの気になってた観点が噛み合い出しました。
このドラマかなり面白くなってきたぞ。
そんな話です。
忘れたい秀吉、逃げるなと迫る小一郎。絶望の「播磨大誤算」と二兵衛の痺れる心理戦【豊臣兄弟 第22話】
大河ドラマ『豊臣兄弟』第22話「播磨大誤算」を見ました。
今回の感想を一言で言うなら、歴史の大きな動きと、秀吉・小一郎の人間ドラマが初めてものすごく噛み合った回でした。
これまで『豊臣兄弟』を見ていて、私はどちらかというと、歴史的な大事件が描かれる回よりも、人間ドラマをじっくり描く回の方が面白いなと思っていました。
たとえば、姉川の戦いや金ヶ崎の退き口のような大きな歴史イベントよりも、小一郎と慶、与一郎の家族の回の方が刺さったんですよね。
でも今回は違いました。
上月城の落城という歴史の悲劇と、秀吉・小一郎の兄弟のドラマが、かなり強く噛み合っていました。
「あ、こういうのが見たかったんだ」と思いました。
前回の記事はこちら
▶︎ 第21話感想
上月城を救えなかった秀吉
今回の中心にあったのは、上月城の落城でした。
尼子一族が、秀吉の力も借りて上月城に入る。
しかし、その後に毛利から攻められ、秀吉は援軍を出したくても出せない。
秀吉としては、本当に助けたかったと思います。
でも、播磨の反対側でも反乱が起きてしまう。
そちらに手を尽くさなければならず、上月城を助けることができない。
結果として、尼子の残党は滅んでしまう。
この流れがかなり重かったです。
戦国の世では、助けたいと思っても助けられないことがある。
正しい気持ちだけでは、どうにもならない局面がある。
秀吉の苦しさが、かなり伝わってきました。
秀吉の記憶喪失は、忘れたいほどの痛みだった
上月城を救えなかった後悔から、秀吉は一時的に記憶を失ってしまいます。
正直、最初は少し驚きました。
「ここで記憶喪失?」と思ったんですよね。
でも見ていくと、これは単なるドラマ的な演出ではなく、秀吉にとってそれほど忘れたいくらい苦しい出来事だった、ということなんだと思いました。
助けたかった。
でも助けられなかった。
自分が戦に巻き込み、自分が希望を持たせ、それでも救えなかった。
これは秀吉にとって、かなり大きな傷だったはずです。
だからこそ、記憶を失うほどの反応になった。
そして、その秀吉に向き合う小一郎が良かったです。
「なかったことにはできない」小一郎の言葉が良かった
記憶を失った秀吉に対して、小一郎が言うんですよね。
兄者にとっては、忘れた方がいいくらい辛い出来事かもしれない。
でも、わしは違う。
そんなことは許さない。
お前がわしを武士の道に誘ったから、わしもここにいる。
なかったことにはできない。
ここ、めちゃくちゃ良かったです。
秀吉にとっては、忘れたくなるほど辛い。
でも小一郎にとっては、それを忘れられてしまっては困る。
だって、自分も一緒に歩いてきたから。
兄に誘われて、ここまで来てしまったから。
この言葉には、兄を責める気持ちだけではなく、兄と共に背負う覚悟もあったと思います。
小一郎は優しいだけの弟ではなくなりましたね。
兄の痛みをわかりながらも、逃げることは許さない。
一緒に背負うから、なかったことにはするな。
そんな強さがありました。
兄弟の掛け合いを見つめる官兵衛の表情が良かった
その後、母のなかが駆けつけた時には、実は秀吉の記憶は戻っていたようでした。
秀吉にも、忘れたくない思い出がたくさんある。
小一郎のおかげで思い出せた。
これからも二人でやっていこう。
そんな流れになっていくわけですが、ここも良かったですね。
重い場面ではあるんですけど、どこか兄弟らしい掛け合いもある。
笑いも少しある。
でも、ちゃんと痛みも残っている。
このバランスが良かったです。
そして、個人的に印象に残ったのが、その二人を後ろで見ている小寺(黒田)官兵衛の表情です。
あの表情、良かったですね。
ただの軍師として冷静に見ているだけではなく、
「この兄弟は何なんだ」
「この関係が、羽柴の強さなのか」
そんなことを感じているようにも見えました。
前回、官兵衛が登場して、これからどう描かれるのか楽しみにしていましたが、今回のこの表情でかなり期待が増しました。
半兵衛が官兵衛を見抜く「わしがそなたなら」
もう一つ良かったのが、竹中半兵衛と小寺(黒田)官兵衛の場面です。
二人で囲碁を指しているような場面でしたね。
そこで半兵衛が、官兵衛に問いかける。
「我々の仲間になってくれ」
官兵衛からしたら、いや、もうなっているじゃないですか、という感じかもしれません。
でも半兵衛は、官兵衛の中にあるものを見抜いている。
もしわしがそなたなら、まずは織田について力を伸ばす。
もしわしがそなたなら、時機を見計らって……。
そんなふうに、「わしがそなたなら」と重ねながら、官兵衛の考えを読み当てていく。
ここ、すごく良かったです。
官兵衛は本気で織田方に身を預けているわけではない。
この先どう動くか、どこか冷静に見ている。
その腹の内を、半兵衛がズバズバ見抜いていく感じでした。
でもこれは、ただ疑っている場面ではないんですよね。
半兵衛は、官兵衛の危うさも見抜いている。
でも同時に、才能も認めている。
だからこそ、ただ警戒するのではなく、本当に仲間になってほしいと思っている。
できる人間が、できる人間を見つける。
そして、その力を認めて導こうとする。
こういう場面、やっぱりワクワクします。
軍師同士の会話ならではの緊張感と、どこか次の時代へ渡していくような空気がありました。
ただ、次回予告を見る限り、半兵衛の退場が近そうです。
菅田将暉さんの竹中半兵衛、すごく良かったので、本当に寂しいです。
ここで官兵衛に何を残すのか。
そこも次回かなり気になります。
荒木村重の裏切りで、さらに時代が動き出す
そして、物語の大きな流れとしては、荒木村重の裏切りも描かれました。
ここから、さらに時代が大きく動いていきそうです。
たしかこの流れだと、官兵衛が説得に向かって、逆に捕らえられる展開につながっていくんですよね。
官兵衛にとっても、大きな試練が近づいている。
上月城の悲劇。
荒木村重の裏切り。
半兵衛の退場の気配。
官兵衛の今後。
今回は、いろいろな歯車が一気に動き始めた回でもありました。
第22話は、大河ドラマとしての力が噛み合った回だった
第22話「播磨大誤算」は、かなり良かったです。
これまで私は、『豊臣兄弟』は歴史の大事件よりも、人間ドラマの方が面白いと感じることが多かったです。
でも今回は、上月城落城という歴史の悲劇と、秀吉・小一郎の兄弟の人間ドラマがしっかり噛み合っていました。
助けたかったのに助けられなかった秀吉。
忘れたいほど苦しむ兄を、なかったことにはさせない小一郎。
その兄弟を見つめる官兵衛。
そして、官兵衛を見抜き、導こうとする半兵衛。
歴史の大きな流れと、人間の感情がちゃんと結びついていました。
こういう回を見ると、やっぱり大河ドラマって面白いなと思います。
時代が動き、人が傷つき、それでも誰かが誰かを支えながら前へ進んでいく。
今回は、その全部がかなり良いバランスで描かれていたと思います。
ここにきて、『豊臣兄弟』がさらに面白くなってきました。
次回以降も、目が離せません。
※続編の第23話の感想記事はこちら
▶︎ 第1回「二匹の猿」の感想
また懲りずに、こんな記事を書いていきます。
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