【豊臣兄弟 第30話感想】「市様を勝家の妻に」秀吉は、憧れの人と戦う覚悟まで決めていたのか
こんにちは。ごんごん夫です。
好きな女の子には意地悪しちゃうパターンでしょうか?
・・・そんなレベルじゃありません。
そんな話です。
【豊臣兄弟 第30話感想】「市様を勝家の妻に」秀吉は、憧れの人と戦う覚悟まで決めていたのか
大河ドラマ『豊臣兄弟!』第30話「清洲会議」を見ました。
前回は、光秀の覚悟を知った秀吉が、信長の夢を継いで進む決意を固めるまでについて書きました。
▶︎ 「義昭の世」を願った光秀と、「信長の夢」を継ぐ秀吉。山崎の戦いで交差した2人の覚悟【豊臣兄弟 第29話感想】
今回の感想を一言で言うなら……
「信長様が亡くなってから、秀吉の立っている場所と、見ている景色が一気に変わりすぎていて震える」
そんな回でした。
清洲会議そのものの攻防も見応えがありましたが、私が今回もっとも心を持っていかれたのは、秀吉がお市の方に放った、あの一言でした。
「柴田勝家殿のもとへ、嫁いでほしい」
秀吉は、いったいどんな思いで市様にそう頼んだのか。
もしかすると秀吉は、勝家だけでなく、その妻となる市様とすら、将来敵味方として争う可能性まで覚悟したうえで、あの言葉を口にしたのではないか――。
これまで30話をかけて描かれてきた二人、そして豊臣兄弟と市様との関係を思うと、鳥肌が立つほど重いシーンでした。
1.三法師を抱き上げ、流れをかっさらう「人たらし」の真骨頂 🏯
今回描かれたのは、歴史上あまりにも有名な清洲会議です。
本能寺の変で信長と嫡男・信忠を同時に失った織田家。
誰を後継者とするのか、柴田勝家、丹羽長秀、池田恒興、羽柴秀吉という重臣たちが話し合う大一番です。
勝家らが信雄や信孝を推す中、秀吉が担ぎ出したのは、信忠の息子である幼い三法師でした。
三法師を抱き上げ、周囲が反対しにくい空気を作りながら、自分の描いた筋道へと誘導していく。
いやあ、うまいこと持っていきましたね!(笑)
力で強引にねじ伏せるのではなく、場の空気と人の「情」を巧みに動かし、清洲会議の主導権を握る。
まさに秀吉の独壇場でした。
ただ、今回の秀吉を見ていると、単に「織田家の中で自分の立場を強くしたい」というだけではないようにも感じます。
秀吉はもう、誰が織田家を継ぐのかだけを見ているのではない。
その先にある、自分がどんな世を作るのかまで考え始めているのではないでしょうか。
2.「そして、ワシの調子の良さ」😂
そんな重苦しい政治劇の中で描かれた、秀吉らしいコメディーシーンも最高でした。
後継者問題で揉める四人の話し合いで、秀吉は「誰か一人が権力を握るのではなく、みんなで三法師様を支えよう」と提案します。
そこで、四人それぞれの長所を並べ始めました。
柴田殿の力強さ。
池田殿の実を取る性格。
丹羽殿の慎重な目利き。
そして……
ワシの調子の良さ。
いや、自分で言うんかい!!(笑)
ほかの三人は格好良く持ち上げておいて、自分だけ「調子の良さ」で落とす。
この見事な話術こそ、秀吉の「人たらし」の真骨頂ですね。
これ、日常の会議でも使ってみたくなります。
「あなたにはリーダーシップがある」
「あなたには慎重な分析力がある」
「そして私には……足の短さがある!」
……いや、自虐で終わるわ!(笑)
秀吉のように場を和ませるどころか、「ああ、確かに」と納得されて終わる可能性があります。
いやいや、短くねえわ。
信長を失い、織田家の行く末を決めるという緊迫した歴史劇の中に、こうしたクスッと笑える人間味を自然に入れてくれる。
これも『豊臣兄弟!』の好きなところです。
3.なぜ秀吉は、市様に「勝家の妻になってほしい」と頼んだのか? 🤔
そして、今回のハイライトである市様とのシーンです。
信長を失い、悲しみに暮れる市様に対し、秀吉は勝家への輿入れを直接頼みました。
「ああ、このお願いを秀吉本人にさせるんだ」
まず、そこに驚きました。
秀吉にとって市様は、身分が低かった若い頃からの憧れであり、長い間、好意と敬意を抱き続けてきた女性です。
第1話からここまで描かれてきた二人の歴史を知っているからこそ、このお願いを秀吉自身にさせる脚本の容赦なさに唸りました。
そして、おそらく秀吉には見えていたのではないでしょうか。
この先、自分は柴田勝家と争うことになるかもしれない。
清洲会議の時点で、勝家と秀吉の考え方は明らかに違っています。
勝家は、あくまでも織田家の秩序を守ろうとしている。
一方の秀吉は、織田家を守ることだけではなく、信長から託された「境目のない世」を実現するために前へ進もうとしている。
今はまだ同じ織田家の重臣であっても、この二人がいずれ衝突する可能性を、秀吉自身も感じていたはずです。
それでも、市様に勝家の妻になってほしいと頼んだ。
秀吉は、市様に勝家との間を取り持ってもらい、争いを避けようとしたのでしょうか。
それとも、
「勝家と戦えば、その妻となった市様とも敵同士になる」
という未来まで承知したうえで、それでも必要な一手として頼んだのでしょうか。
秀吉の本当の狙いは、今回の描写だけでは分かりません。
ただ私は、後者の覚悟まで決めていたのではないかと思えてなりませんでした。
もしそうだとしたら、この一言はあまりにも重いです。
市様への情を抱えながらも、信長様が夢見た「境目のない世」を実現するため、場合によっては憧れの人と争うことまで受け入れる。
そんな複雑な思いを抱えながら、
「勝家殿のもとへ嫁いでほしい」
と伝えたのだとしたら……。
秀吉、すごいところまで来たな。
第1話から描かれてきた二人の関係を思い出すほど、秀吉があの言葉を口にするまでに何を考えたのか、いろいろと思いを巡らせてしまいました。
4.「上様を追う男」から「上様の夢を継ぐ男」へ 🔥
信長が生きていた頃の秀吉は、どこまでも「上様、上様」と、その背中を追いかける一人の家臣でした。
認めてもらうことを喜び、信長から与えられた役目を何とか果たそうとする。
もちろん、その頃から秀吉には野心も知恵もありました。
それでも、秀吉が見ていたのは、基本的に信長の背中だったと思います。
しかし、信長を失った今の秀吉は違います。
もう信長の背中だけを追いかけているのではありません。
信長が見ようとしていた「境目のない世」という景色を、今度は自分の手で完成させようとしている。
「上様のために何ができるか」を考えていた男が、「新しい世を作るために、自分は何を決断するのか」を考える男へと変わったのです。
単に成長したというより、秀吉の立っている場所そのものが変わった。
今回、市様に勝家との結婚を頼んだ場面から、そんな変化を強く感じました。
そして、その傍らには、常に「この世の理不尽」に悩み続けてきた弟・小一郎がいます。
どうして戦を繰り返さなければならないのか。
どうして身分によって人の人生が決められるのか。
信長が遺した「境目のない世」という夢は、小一郎が抱いてきた平和への願いとも重なります。
今の秀吉は、信長が遺した夢と、小一郎が抱いてきた思いの両方を背負い、自分がこの世を変えてやろうとしているのではないでしょうか。
ただ、大切な人と争うことまで受け入れて進もうとする兄を、小一郎はどんな思いで見つめているのか。
この先、兄弟の考え方が食い違うこともあるかもしれません。
秀吉が天下へ近づいていくほど、小一郎の存在がどんな意味を持つのか。
期待と少しの不安が膨らみます。
まとめ|秀吉は、市様と争う覚悟まで決めていたのか
第30話「清洲会議」では、
三法師を抱き上げ、会議の主導権を握る秀吉の巧みさ
「ワシの調子の良さ」で場を和ませる人たらしぶり
市様を勝家に嫁がせるという、あまりにも重い決断
が描かれました。
政治劇の面白さと、人間ドラマの切なさが同居した、見応えのある回でした。
特に心に残ったのは、やはり市様へのお願いです。
秀吉は、勝家との争いを避けるために、市様に二人の間をつないでもらおうとしたのでしょうか。
それとも、勝家だけでなく、その妻となる市様とも争う可能性まで覚悟していたのでしょうか。
その本当の思いは、まだ分かりません。
ただ、「上様」という大きな存在を失った秀吉が、もう信長の背中だけを追いかけていないことは確かだと思います。
信長が見ていた景色を、今度は自分の目で見ようとしている。
今回の清洲会議は、秀吉が信長の家臣から、信長の夢を継ぐ人物へと変わったことを示す回でもあったように感じました。
次回は、織田家を動かそうとした豊臣兄弟が反発を受け、再び窮地に立たされる展開になりそうです。
信長の夢を背負って進む兄と、その兄を支える弟・小一郎。
二人がこの危機をどう乗り越えていくのか、次回も楽しみに見届けたいと思います!
『豊臣兄弟!』については、第1話から感想を書いています。
▶︎ 鎌倉殿の13人以来の大河。『豊臣兄弟』第一話を見て思ったこと
また懲りずに、こんな記事を書いていきます。
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