世界の健康ガチ勢養生訓 #1:シリコンバレーの異端児、デイヴ・アスプリー。脳を「完全無欠」にアップデートした男の執念
健康ガチ勢の皆さま、ついに本格始動です。 連載第1回を飾るのに、この男をおいて他にいないでしょう。
バイオハックという言葉を世界に広めた張本人、みんな知ってるデイヴ・アスプリー氏です。
彼はもともとシリコンバレーで大成功を収めたIT起業家でしたが、その代償として、30代にして体重は130kgを超え、脳には常に霧がかかったような状態(ブレインフォグ)だったわけです。 まさに、かつての私と同じ、あるいはそれ以上に「システムがクラッシュ寸前」だったわけです。
自分の脳を「デバッグ」するために30万ドルを投じた男
デイヴ氏が凡百の健康オタクと違うのは、その解決アプローチが完全にエンジニアのそれだったことです。 彼は自分の体調不良を「自分のOSに潜むバグ」と定義しました。
そして、そのバグを修正するために、なんと30万ドル(約4,500万円)以上の私財を投じ、あらゆる検査、サプリメント、最新デバイスを片っ端から試していったわけです。 正直なところ、個人の体調管理にこれだけの予算を組めるのは羨ましい限りですが、その執念が生んだ「解」が、今や世界中で親しまれているあの飲み物でした。
朝の1杯が世界を変えた?「完全無欠コーヒー」の真実
はい。彼を一躍有名にしたのが「バターコーヒー(完全無欠コーヒー)」です。 良質なコーヒーに、グラスフェッドバターとMCTオイルを混ぜてミキサーで撹拌する。私も毎朝ブラウンのハンドブレンダーで作って飲んでいます。
ぶっちゃけ、初めて聞いた時は「コーヒーに脂をぶち込むなんて、正気か?」と思ったものですが、これにはロジックがあるわけです。 要は、脳のエネルギー源として効率の悪い「糖質」をあえてカットし、良質な「脂質(ケトン体)」を直接脳に送り込む。 それによって、空腹感を感じさせずに、午前中の集中力を最大化させるというハックなわけですな。
実際のところ、私もこれを試していく中で、まるですり減ったハードディスクをSSDに交換したかのような、脳の「立ち上がりの速さ」に驚愕したものです。
MCTオイルという「劇薬」を乗りこなすコツ
ただし、よし、明日からオイルをドバドバ入れてやるぜ!と意気込むのは結構ですが、間違いなくお腹が死にます。
MCTオイルは吸収が速すぎるため、いきなり大量に摂取すると、腸がびっくりして盛大な腹痛や下痢を引き起こすわけです。
最初は小さじ1杯程度から始め、数週間かけて「徐々に増やしていく」のが、体を慣らしていく唯一のコツ。 そうして体が脂質をエネルギーに変える「ケトジェニック」な状態に切り替わってしまえば、しめたものです。
日中の眠気はどこかへ消え去り、脳が常にハイパフォーマンスな定常状態で駆動し続ける……という、ITエンジニアにとっては涙が出るほどありがたい「無双モード」が手に入るわけですからね。
余談ですが、私もバターコーヒー愛好家の端くれですのでもしご興味などあれば自分なりの作り方や器具等も紹介できたらと思います。
IQを20上げ、体重を45kg減らしたバイオハックの威力
デイヴ氏は、単に痩せただけではありません。 バイオハックによって、自身のIQを20ポイント向上させたと主張しています。 さらには、180歳まで生きることを真剣に目標に掲げ、現在も幹細胞の注入や高気圧酸素療法など、一般人から見れば「やりすぎ」な人体実験を継続しているわけです。
「人間は、適切な入力(食事・光・運動)さえ与えれば、期待通りの出力(パフォーマンス)を出すマシンである」
この、なんとも皮肉で、しかし救いのある徹底した合理主義こそが、彼の養生訓の核心なわけですな。
私たちが彼の「執念」から学べること
個人的には、彼のように毎日何十種類もの錠剤を飲み下し、専用のラボで寝起きするのは、ちょっと人生として「詰め込みすぎ」な気もします(苦笑)。 でも、ITの仕事でボロボロになっていた私にとって、彼の「自分の体調は、自分で書き換えられる」という思想は、何よりの希望でした。
年だから仕方ない・仕事が忙しいから仕方ないという言い訳を、彼はデータと結果で一蹴してしまったわけです。
私たちが明日から、30万ドルの機材を買う必要はありません。 ただ、朝のトーストを良質な脂質に変えてみる。 それだけで、あなたの「OS」は劇的に軽くなる可能性があるわけです。
ぜひ試しを。
次は、ドイツか、それともフィンランドか。 さらに深い「ガチ勢」の世界でお会いしましょう。
