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漫画家アシスタント物語 第3章〈1〉 秋山プロは摩訶不思議

 
初めての方は、「漫画家アシスタント物語 第1章」(無料)がお薦めです!
または、
「マガジン:第1章、第2章」(無料)も読みやすいと思います!
 
 
 

《 写真上 : 1987年、ヤングジャンプでデビュー後に作った、もう一つの青年漫画大賞応募作「壁」の一部。佳作賞をいただいても評価がガタ落ち! 》
              < この3章〈1〉は、文庫本約18ページ分 >

 
 
 
              その1


『 さ~て、次はどこで仕事すっかなぁ~ 』

調べた数人の漫画家先生の電話番号リストを見ながら・・・・・・10秒ほど考えて
から・・・・・・・

ジョージ秋山先生( 漫画家、1966年、23歳で売れっ子作家に。‘70年には週
刊連載6誌という逸話もある。‘78年当時、35歳 )に電話をしました・・・・・・
まさか、26年間そこで生きていく事になるなどとは、夢にも思っていなかっ
た・・・・・・!

「 なんでジョージ秋山のアシスタントになったの? 」と、よく聞かれますが・・・・
「 偶然かな・・・ 」と、答えるかもしれません。 
特別にジョージ先生が好きだったという訳でもなく・・・・・・だいたい先生の代
表作( 「 銭ゲバ 」や「 アシュラ 」、「 デロリンマン 」など )と言われる
ものでも、ほとんど( 少ししか )読んでいませんでした・・・・

ただ一つだけ・・・・・・大好きだったのが「 浮浪雲 」( 小学館「 ビッグコミッ
ク オリジナル 」 )をドラマ化したテレビ番組(テレビ朝日、78年4~8月、
渡哲也、桃井かおり主演 )でした。

当時は、毎週欠かさずテレビの前で笑い転げていたものです。
この作品に登場する主人公と、作家ジョージ秋山先生とをダブらせていたからなのか・・・・・・それが、漫画家先生数人のリストの中から氏を選んだ理由だと思います・・・・・。

さて・・・・・・
電話をしてどうなったかは、「漫画家アシスタント物語 第1章 〈2〉」に書かせていただいた通りです。

正直な話、私はどうもアシスタントの仕事を真剣にやった事がほとんどありません。 普通のバイトだと真面目にやるのに・・・・・・絵は趣味の延長・・・・・どうしてもアシスタントの仕事だと中途半端な気持ちになってしまう・・・・・

秋山プロへの仕事の初日・・・・・・忘れる事の出来ない初日の記憶・・・・・・
約47年前( 23歳 )、1978年( 昭和53年 )春。 私の記憶は・・・・・・喧騒の新宿西口、その地下広場から始まります・・・・・。

仕事はお昼の12時に始まるのですが・・・・・・私は午後1時に新宿にいました。
( 睡眠障害のある私は、朝起きるのが苦手でした。2個3個と目覚まし時計をセットするのに起きられない )
新宿地下広場で焦って公衆電話へ・・・・・・雑踏の中、私は受話器に向かってハキハキと・・・・・
私  「 もしもし・・・ 」 
先生 「 ・・・・・・・ 」
私  「 もしも~しっ! 」
ややあって、先生のドスの効いた小さな声が・・・
先生 「 ・・・誰ぃ? 」 
私  「 小池(私)です~! 」
先生 「 ・・・・・・・ 」
私  「 すいませ~ん! ちょと遅れそうなんですぅ・・・ 」
先生 「 ・・・なんでぃ・・・・・? 」
私  「 寝過ごしちゃってぇ・・・ 」
先生 「 おみぃはよぉ、何考ぇてんだぁ! 初日から遅刻かよぉっ! 」
ガチャンッ! 
電話が切れた・・・・・・・・・・。

や・・・やべぇ・・・・・ゲロ吐きそうな気分で仕事場のある目白へ向かう・・・・・。


* 作者より : この物語は、2004年にgooブログに公開( 20年間改編連載 )され、08年書籍化されたものを改稿したものです。 現在、gooブログの閉鎖に伴い、noteブログへ転居。 さらに、小説化が進んでいます。


 


本ブログ書籍化のイラストより。「何ぃ考ぇ~てんだ!」と怒られていました。
                 

               その2  

 
1978年 昭和53年、春。
40年間に及ぶ漫画家アシスタント生活の初日・・・・・。 
その記念すべき第1日目は、春だと言うのにベタ付く汗をかきながら、遅刻して仕事場へ向かう憂鬱な午後から始まりました。

東京、JR線目白駅から10分ほどの所にある、白い大きなマンションの「 704号室 」それがジョージ秋山プロです。
 
ブザーの壊れたドアをノックする・・・・・・
「 は~いっ 」若い女性の声が答えてくれる・・・・・・ドアを開けてくれたのは秋山プロの紅一点、ユミさんこと吉村由美子( 仮名、通称ユミさん )・・・・・・

ショートカットで、目はキリッとした一重。 口元の可愛い元気な女性、新入りの私にとって頼りがいのある先輩・・・・・・それが第一印象でした。 

ドアを開け室内に案内してくれたユミさんは、2時間近く遅刻した私を笑顔でやさしく迎えてくれました・・・。ゆっくりとスタッフに自己紹介してるヒマもなく、すぐジョージ先生の部屋へあいさつに・・・・・・
 
ジョージ先生は個室で窓に向かって仕事をしているので、私はその後姿に向かって・・・・・・ 蚊の泣くような小さな声で・・・・・・

「 お・・・おはよ・・・・・ございます・・・・・・遅くなって・・・・・・す・・・すいませんでしたぁ・・・・・・ 」

ジョージ先生は背中を向けたまま・・・・・・
「 もう、陽が傾いてるよ 」
「 す・・・・すいませんでした! 」

ジョージ先生は明日ペン入れする原稿に下書きしている。 まだ、こちらを振り向かない。
「 おみぃはよぉ・・・・・・何ぃ考ぇ~てんだぁ~? 」
「 ・・・は・・・はい・・・・・・・ 」

ジョージ先生はまだ私を見ない・・・・・ 原稿に向かっている。 私は声が出ない・・・・・・ 

息もできずにいる私を憐れむように・・・・・・
「 も~いいから・・・・・・みんなの仕事をよく見てな 」
 
先生の背中に一礼・・・・・・ スタッフの仕事場にもどる・・・・・・ 

見るからに落ち込んでいる私にみんなやさしかった・・・・・・。
「 あんまり気にする事ないよ・・・ 」と声をかけてくれる先輩ケイさん。 

ニコニコとイタズラっ子の弟でも見るようなやさしい笑顔のユミさん。

そして、「 ここだからね・・・ 」と私の席を指示してくれるチーフ格のガンさん、先輩テラさん・・・・・。 

みんな、とても・・・・・・やさしい!( 甘いの大好きな私! )

ガンさん 「 最初の一週間は、見てるだけでいいから 」
「 ・・・・・・! 」( 一週間、何もしないで見てるだけ? )   
 
 

 「その3」より‥‥
 秋山プロでの初仕事、遅刻の名誉挽回、実力勝負がはじまります‥‥
 
 この章より、各節が100円の有料記事になっています。しかし、2026年
 の
夏か秋年末には、各章、ゆっくりですが「ほぼ無料化」する予定です。
 遅すぎ‥‥ なんですが‥‥‥‥ どうかお許しください。
 

 

有料部分は、単行本10ページ分です。コーヒーやおやつなどを楽しみながら、ごゆっくりどうぞ!

 
 

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