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漫画家アシスタント物語 第3章〈2〉 秋山プロの気楽な稼業


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《 画像上:秋山プロで小池が初めて描いた背景画。実際は1ページ全部を使った大コマです。 中央上の股旅姿はジョージ先生の描いたキャラです。 》
              < この第3章〈2〉は、文庫本約17ページ分 >
 
 
 
 
               その7


ジョージ秋山プロに流れるジットリとした時間( 雰囲気 )を説明する事はとて
も難しいです・・・・・・。

お昼に仕事場へ来てもスタッフ同士であいさつするだけで、奥の個室にいる
ジョージ先生とは顔を会わさない( 帰る時もあいさつ無し )。
 
時々、先生の個室からスタッフが数枚の原稿を運んでくる。 キャラクター
だけが描かれた原稿には、「 海 」とか「 街 」とか「 長屋 」とか鉛筆で背景を指示書きされているだけ。

後はそのページを取ったアシスタントが適当に描いていく・・・・。
ジョージ先生はもちろん先輩アシスタントもこちらが質問しなければ、何も
指示しない! 各人がバラバラに自分が描きたいようにに描く!

そして、ごくたまに服の柄や部屋の装飾などについて少し調整するだけ・・・・・
「 この女の着物は誰か描いたぁ? 」
「 わしが描いたのぅ‥‥ たて線じゃぁ。 」
背景が昼か夜かなどもアシスタント同士で・・・・・・
「 え~と・・・・・・3ページは誰? 」
「 俺っす・・・ 」
「 3ページから昼間になってるの? 」
「 う・・・・俺はそのつもりだけど・・・・ 」
「 お~っ、危ね~っ ! 4ページを夜にしちゃうとこだったよ! 」

個室にいるジョージ先生は、朝10時から終日食事はお昼のざる蕎麦だけ、ト
イレにもほとんど行かない・・・・・・個室の中で完全にイスに座ったまま仕事を
12時間以上しつづける!

これは、席を一旦はずすと・・・・集中力が切れてしまうのを嫌うからなのです。 だから、スタッフとも一日中、顔を会わさない事がけっこうあるのです。 

それでも仕事はちゃんと進行していく・・・・・・。 

これで、一日20ページを仕上げてしまう! ネーム(シナリオ)を3,4時間で作り、キャラクターの下書きとペン入れを10時間以内に描けないと、1日で20ページを仕上げる事はできません。
( 並の漫画家なら5、6枚がやっとです ) 

背景画は、スタッフ5~6人で10時間前後で仕上げます。( 1980年前後 )


2005年( 平成17年 )当時・・・・・・スタッフ3人。一日10ページがやっとです。少ない時は6ページほど・・・・・・

スタッフ数は往時の半分、仕事場もなんだか淋しい今日この頃です・・・・‥


 


JR目白駅です。左手に学習院があり、右手に10分ほど歩くと秋山プロがあります。
 

                その8


秋山プロで初めて描いた漫画背景は1pの大ゴマ「 江戸の川と蔵のある町 」でした。( 一番上のタイトル画像です )

そのペンタッチとスクリーントーン処理がスタッフ一同を驚かせた( 全然驚いていない人もいましたが・・・ )のは私のウレシイ思い出の一つです。

今でも信じられないのは、その背景が後に導入されるコピー機によって、20年以上も繰り返し使用された事です。( ちなみにコピー機を使用するのはジョージ先生だけ )

私と同じ様に、20年以上前に描いた背景が使用されるケイさんは‥‥ 
「 昔の背景使われるのは、恥ずかしいなぁ・・・・・普通、こんな古い背景使うかぁ・・・? 」
・・・・と、苦笑いしていました。

さて・・・・ 今回はこのケイさんの思い出を少し・・・・・。

誰でも生まれて初めてする仕事の面接は、生涯忘れられない記憶として残る
ように、有名な作家に師事した時の記憶もとても鮮明に残るものです。

ケイさんが「有名な作家」に初めて会った時の記憶も・・・・・・
 
 
1969年 昭和44年、ケイさん16歳の初夏・・・・・・・。 

東京某所の染色工場で丁稚奉公( ただ同然でこき使われる )していたケイさん
は漫画家への夢をいだいて、当時あこがれていた横山光輝先生( 1959年のア
ニメ「 鉄人28号 」や「 伊賀の影丸 」が大人気でした )に師事しようとしていました・・・・・

大好きだった横山先生( 東京豊島区在住、神戸出身 )のところへ原稿を持って出かけて行きます・・・・・ケイさんと横山先生は、同郷( 神戸出身 )でしたから、面会しやすかったと思いますが・・・・・・

横山先生は、むずかしい表情で‥‥

「 君・・・・・・ 才能無いから、故郷へ帰んなさい 」
・・・・と、あっさり弟子入りを断られ・・・・・あえなく沈没・・・・・・。
 
しかし、すぐ次の作家の所へ・・・・・・

『 ここから( 東京、豊島区 )一番近くて、すぐに行ける漫画家の家は何処かなぁ・・・・・・ 』

ノートにはジョージ秋山先生の住所が・・・・・ 

ただ単に近かったから・・・・・・自分の人生( 40年間! )を託す事になる秋山プロ
にこうしてケイさんはやって来ます・・・。
  

「その9」より‥‥
秋山プロスタッフ、その曲者ぞろいのメンバーたち‥‥


有料部分は、単行本12ページ分です。コーヒーやおやつなどを楽しみながら、ごゆっくりどうぞ!

 
 

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