漫画家アシスタント物語 第5章 〈8〉 男どもは銀貨を漁った!
初めての方は「 第1章」や「マガジン:第1+2章」(無料)がお薦めです!
《 写真上:30年ほど昔の写真をトリミングしました。チェンマイ市街近くの山岳民族の観光用の村。みやげ物店の少女のモデル料?は100円ほど‥‥ 》
< この5章〈8〉は、文庫本約17ページ分 >
その34
漫画家アシスタントが仕事を終えて机を離れた瞬間に、今まで描いていた先生の漫画の事はキレイに頭から消えています。 つまり、自分のプライベートな時間にあっという間にスイッチするわけです。( 漫画家なら体は机を離れても頭は漫画から離れる事はありません‥‥たぶん‥‥ )
私もアシスタントの仕事が終われば自分の自由時間でしたが‥‥すぐに自分の漫画の事へスイッチしていました。
ところが、タイへ行っている間は、そのほぼ一週間の間、まるで別人になったかのように漫画の事が頭から消えていました。
頭の中にはムエタイ音楽でも鳴り響く様に‥‥タイの暑気と一人旅の緊張とタイの美しい‥‥‥‥
開放感、これから始まる事への期待感‥‥フワフワと地に足の着かない私は、チェンマイのホテル、トーキョージンジャーの佐々木氏( 調布市、会社代表取締役、50歳代後半 )の部屋へ‥‥
部屋のダブルベッドのスミにちょっこんと座るショートカットで小柄な女性アリー。どう見ても18、19歳にしか見えない‥‥自称24歳。佐々木氏の愛人( 現地妻 )。
彼女は片言の日本語しか出来ない様子で、室内にいる男達の会話にも無関心のまま、新しく入って来た私を見知らぬ通行人でも見る様にボンヤリと見ている。
佐々木氏の3人の友人達‥‥建築会社社長の高本氏( 仮名、高本プー。××建設代表取締役、50歳代 )背が小さく、デップリと太っている。 老人でもないのに動作がとても鈍い‥‥。 何か持病がありそうだ。
ちなみに、彼の肩書は「社長」だが、どんな会社かは‥‥知れている。
そして、私と同世代の時任氏( 仮名、時任二郎。タイの雑貨を日本へ輸出する30歳代中半。奥さんはタイ人 )、彼は人の良さそうな明るい笑顔で私を迎えてくれました。 なんだか一番気が合いそうな感じ。
最後の一人が、この時任氏の知り合い、松屋氏( 仮名、松屋判内。横浜のテニスコーチ、30歳代前半 )彼はやけに深いシワが刻まれた浅黒い顔で、いつも不機嫌な表情をしている。一見すると、よほど深刻な問題をかかえ込んでいるように見えるが‥‥ただの風俗依存症である。
時任氏が、からかうように松屋氏を指差して
「 彼は、コーチの仕事で毎日オバタリアンばかり相手にしているから、若い娘が専門なの! 」(笑)
松屋氏は、表情を変えずに
「 若い娘がいい、オバンはウンザリ! 」
この松屋氏は言葉少なにポツポツと喋る‥‥その表情は暗くハ虫類を連想させる‥‥
「 小池さんは、漫画描いてるから、Aっていう漫画家知ってるでしょ? 」
A先生‥‥私の大好きな漫画界の大御所である!
「 俺、その奥さんにテニス教えてたんですよ‥‥へへへッ」
「 ‥‥‥‥ 」
「 時々、子供も来てたっけなぁ‥‥ 」( トカゲの様な笑い )
私は、自分と違う性癖の人間に個人的恨みはないのですが、この松屋という人物になぜか息が詰まる様な不快感を覚えた‥‥。
初めて会ったばかりだが、もうこの場を出て行きたい気分になっていた‥‥‥‥
「その35」より‥‥
タイ旅行の目的はもう一つ‥‥‥タイで一攫千金を狙う男たち‥‥‥‥

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漫画家アシスタント物語 第5章
ヤングジャンプでデビューしても楽はできない。 その先からが地獄のレース、だがそのコースは泥沼、迷路と迷走、遅延の地獄だった!
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