漫画家アシスタント物語 第5章 〈15〉 売れない描けない悪循環!
初めての方は「 第1章」や「マガジン:第1+2章」(無料)がお薦めです!
《画像上:成人漫画「 入れてちょうだい! 」の一部。クライマックスでは、可愛い女の子ではなく、こんな顔がアップでは、とても売れず‥‥》
< この5章〈15〉は、文庫本約15ページ分 >
その67
読者を引き付ける成人漫画とは‥‥
女性の裸がたくさん出ている漫画という事ではありません。 どういう女性キャラクターが、どう崩れていくかという理性の崩壊にその味わいがあります。
ここをどう表現するか、そのより強力で個性的で魅惑的な表現にこそ、エロチックな才能がものいうわけです。
例えば‥‥‥‥
・ アパートの居間で若い女性がヒマそうにしている。
・ 男が窓から部屋へ入ってくる!
「 ヘッヘッヘッ‥‥ 」
・ 若い女性は、騒ぐ前に口を塞がれ‥‥
これでは、まったくダメなのです。
・ 若妻「 また雨だぁ‥‥ 洗濯物、どうしよう‥‥ 」
・ 床にしゃがみ込む、ミニスカートから太ももがあらわになり、その奥までチラリと見える‥‥
・ ヌ~~ッと男の影が彼女の背後に‥‥
・ 「 パンツもはかないで待ってたのかい‥‥ 」ズボンのチャックを降ろしながら男が登場‥‥
‥‥と、こんな感じに。( しかし、まだ平凡です )多くのエロ漫画家たちが、どう見せるか、どうヤレば、よりエロチックになるか‥‥ それを必死に考えぬいて漫画を描いているのです!( たぶんね )
しかし、私もオーさんもその点ではまったくの素人。 まさに、ビーチサンダルをつっかけて富士登山を始めてしまった様なものです‥‥。
適当なストーリーと女性の裸体で売れる漫画が作れる‥‥‥‥ などと考えていたのですが、結果はみじめです。
いくつかの出版社を巡り、何処からも良い評価を受けなかったのです。
しかし‥‥ ここで一つ告白しなくてはならない事があります。
‥‥実は、誰にも話していない、ある出来事があったのです。
もちろん、オーさん( 仮名、大村亮、91年当時34歳。イラストレーター )もA氏( オーさんの友人 )も知らない今迄黙っていた事が‥‥‥‥
ある編集部に「 入れてちょうだい! 」を持ち込んだ時でした‥‥
そこの編集長は、ジョージ先生のファンで私とも会話がはずんだのですが‥‥ その時、編集長は『 入れてちょうだい! 』( 20p )の原稿をポンとデスクの脇に置いて‥‥
「 小池さんの原稿を見たいですねぇ‥‥ 」
私が集英社で賞を取った事に興味を惹かれた様子で‥‥
「 これは、別にして‥‥ 」
‥‥と、『 入れてちょうだい! 』の原稿を横目に‥‥
「 今度は、小池さんの原稿を見せてよ‥‥ね! 今、コーヒーでも‥‥ 」
全然違う話になっていきそうなので、私は早々に退散します。
以前、ある漫画家から‥‥
「 集英社でデビューしたら、その事が大きな意味を持つよ、きっとね! 」
そう言われた当時は、分からなかったのですが‥‥ この雑誌の編集長の態度で、その意味を悟りました。
そして、別の編集部では‥‥
「 これは、ちょっとキビシイですが‥‥ 」
『 入れてちょうだい! 』をもてあます様にして、私の顔を覗き込みながら‥‥‥‥
「 小池さんの原作だけ欲しいんだけど‥‥ 」
「 ‥‥‥‥‥‥!? 」
「 新鮮で、ユニークな原作が欲しかったんですよ! 原作をいただけませんか? 」
私の頭の中にはオーさん、A氏の笑顔が浮かびます。 毎晩、一緒に夜明けまで語り合った二人の笑顔が‥‥‥‥
「その68」より‥‥
持ち込み用原稿を抱えて、荒野を彷徨うように神田のビル街へ‥‥

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漫画家アシスタント物語 第5章
ヤングジャンプでデビューしても楽はできない。 その先からが地獄のレース、だがそのコースは泥沼、迷路と迷走、遅延の地獄だった!
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