ゴジラVSさつまいもご飯

九月。永遠に続くかのように思えた猛暑はいつの間にか和らぎ、殺人的に肌を刺していた日差しは水気をはらんだ雲に遮られている。けたたましかった蝉の声は威勢をなくして、夜には鈴虫の音が心地良い。ふと窓を開けると、風はもう夏の熱気を含んでおらず、どこか寂しさを帯びて頬を撫でていった。
秋が来る。

秋といえば、食欲の秋。秋の味覚と呼ばれるさまざまな食材が旬を迎える。
特に、さつまいもの豊かな甘みを味合わずには、秋を過ごしたとは言えない。さつまいものない秋など、夏休みのない8月のようだ。
さつまいもには多種多様な食べ方がある。シンプルに焼き芋もいいし、大学芋やスイートポテトも美味しい。天ぷらや煮物でもその甘みを輝かせる。
……ん?
さつまいもご飯?

……は?w

ごめん、さつまいもご飯はちょっと(笑)

さつまいもご飯ってさ、なんか嬉しくないんだよね。
いや不味いわけじゃないよ?美味しさはまあわかるんだけどさ。
でもさ、それって白米のほうがよくない?w
さつまいもだってそのまま焼き芋にしたほうが美味しくない?
白米のポテンシャルをね、100だとするじゃん。焼き芋も100。
そんでさつまいもご飯は、70。
100+100で、70。わかるかな、これ。
勿体ないなぁって思うんだよね。いらんことしてるわぁって。
俺はね、料理っていうのは食材をそのまま食べるより美味しくしないといけないと思うんだよ。でもさつまいもご飯ってその理論に当てはまらないんだよね。なんか、“料理”ってより“ついで”な気がする。
「せや!さつまいもに火を通したいから、お米を炊くときに“ついで”に入れたろ!これで一石二鳥やで!」みたいな。一石二鳥というか、横着。
「これが『さつまいもご飯』や!」じゃないんだよ。お前が生み出したのは料理じゃない。食べられる横着。
だから食卓にさつまいもご飯出されてもさ、ちょっと萎えるんだよね。
食事ががっかりした状態で始まるわけ。何が“食欲の秋”だっての(笑)
京都の人はさ、客人帰らせたいときはぶぶ漬けの代わりにさつまいもご飯出したらどうかな。きっと誰だってすぐ帰ると思うよ(笑)
「横着どす」っつって(笑)



ドスン…ドスン…

うおっ 地震?

ギャァァアアオオオォォォオオン!!!!!!

えっ

ゴジラだ!!!!!


ヤバイヤバイヤバイ!!

誰か!撃退!
帰ってくれ!!

……はっ

さつまいもご飯出せば、帰るはず!!!!!

いくぞっ!!!
ブンッ



パクッ


えっ


プチッ

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