80歳で幸せな人は、40代で何をしているのか―研究から見えてきた「人生後半の幸福設計」

はじめに


突然ですが、皆さんはいま、幸せを感じていますか?
子どもの頃。
学生時代。
そして、今。
振り返ってみると、幸せの形は少しずつ変わってきたのではないでしょうか。

実は、少し意外なことが研究で分かっています。
それは、40代は人生で最も幸福度が低くなりやすい時期だということです。

確かに40代は、人生の中でも特に忙しく、重たい時期です。
仕事では責任が増え、
家庭では子育てや親の介護が始まることもあります。

さらに、老後への不安や、体力の衰え、身体の変化も感じ始める頃です。
この傾向は日本だけではありません。

海外の研究でも同じ結果が報告されています。
168カ国、約190万人を対象とした研究では、
幸福度はU字型のカーブを描くことが確認されています。

若い頃は比較的高く、
中年期に下がり、
60代以降に再び上昇する。

言い換えれば、40代は**「人生の谷」**です。

つまり、今が一番つらく感じやすい時期であり、
これから先は幸福度が上がっていく可能性がある、ということです。

しかし、ここで大切なポイントがあります。
ハーバード大学が80年以上にわたって行っている研究では、
50代のときに良い人間関係を築いていた人ほど、80歳になっても心身ともに健康である
という結果が報告されています。

つまり、
この時期の生き方が、老後の幸福を大きく左右する
ということです。

では、80歳で幸せに暮らしている人たちは、
私たちと同じ年代の頃、どんな生き方をしているのでしょうか。


人間関係を育てている


幸福研究の分野で、最も強く指摘されるのが
人間関係の重要性です。

心理学の研究でも、
「他者と関わろうとする意識が高い人ほど幸福感が高い」
ことが報告されています。
年齢を重ねるほど、幸福を支えるのは
・友人
・家族
・地域とのつながり
といった人間関係です。
ところが40代は、仕事や家庭が忙しくなることで、
友人関係が縮小しやすい時期でもあります。

忙しさのあまり関係が途切れてしまうと、
子どもが自立した後や、定年退職後に
気がつけば社会とのつながりが少なくなっている、
ということも起こりえます。

そうならないために、今できることは、
・ときどき連絡を取る
・小さくてもいいので集まりを続ける
・新しいコミュニティに参加してみる
こうした関係性への小さな投資です。

その積み重ねが、後の人生を大きく支えてくれます。


健康に投資している


もう一つとても重要なのが、健康です。
中年期の健康状態は、
高齢期の幸福感や精神健康と関連することが、
多くの研究で示されています。
特に影響が大きいのは
・運動習慣
・体重管理
・睡眠
といった基本的な生活習慣です。

40代はまだ体力があり、無理もきく時期です。
しかし同時に、身体の変化が始まる年代でもあります。

この時期の習慣が、
10年後、20年後の体の状態を大きく左右します。

「分かってはいるけれど…」
忙しい毎日の中で難しいこともあります。
それでも、40代は
身体の「貯金」をつくる時期

少しだけでも、自分自身を大切にする時間を
持っていきたいものです。


学び続けている


人生後半の幸福に影響するもう一つの要素が、
知的活動です。

高齢者施設で、幸せそうに過ごしている方を見ていると、
多くの方に共通する特徴があります。

それは、好奇心があることです。

新しい職員に話しかけたり、
名前を覚えようとしたり、
アクティビティに積極的に参加したり。

そうすることで
行動が関係を生み
関係が感情を生み
感情がさらに行動を生む
という、前向きな循環が生まれます。

脳の能力のピークは一様ではありません。
認知能力の多くは40代頃まで伸び続けるとも言われています。

ただし、使わなければ少しずつ衰えていきます。
だからこそ大切なのは
・新しいことを学ぶ
・好奇心を持つ
・知的刺激を受け続ける
といった習慣です。

読書、学び直し、趣味、社会活動など、
興味のあることを持ち続けることが
脳を活性化させます。


リテラシーをアップデートし続ける


高齢の方と接していて、私が課題だと感じるのが
リテラシーの更新です。

豊かに生きるためにも、
自分自身を守るためにも、とても大切な力です。

健康リテラシー
エイジングリテラシー
情報リテラシー
少し難しく聞こえるかもしれませんが、
社会が変化する以上、避けて通ることはできません。

リテラシーとは単なる知識ではなく、
人生後半を豊かに生きるための力
です。

そして、学び続ける人に特別な能力があるわけではありません。
違いは「能力」ではなく、
習慣です。

共通しているのは次のような行動です。

  1. 学んだことをすぐ使う

  2. 小さな新しいことを生活に入れる

  3. 若い世代と交流する

  4. 学び続ける自己イメージを持つ

  5. アウトプットの場を持つ

つまり大切なのは、
「脳を使い続ける生活」
です。

心理学では、
自己効力感(self-efficacy)が
学習の継続に大きく影響すると言われています。
「もう年だから無理」と思うと、
本当に学ばなくなります。

逆に、
「私は学び続ける人だ」
と思う人は、年齢に関係なく
新しいことを吸収し続けます。

今からその自己イメージを
持っておくのも大切かもしれません。


社会とのつながりを持っている


私の母は認知症です。
私たち家族が母の近くに引っ越したので、
孫が母の家に遊びに行くことがあります。

そのとき私は、できなくてもいい、くらいの気持ちで、
「一緒に食事させてもらえると助かる」
と伝えるようにしています。
すると、普段は買い物を億劫がる母が、
孫のためにスーパーへ行き、
孫が喜びそうなものを買ってきます。

心理学では、中年期には
ジェネラティビティ(次世代への貢献)
という課題があると言われています。

・子どもを育てる
・若い世代を支える
・社会に役立つ活動をする
人は、自分のためだけに生きるよりも、
誰かの(社会の)役に立っていると感じるときに幸福を感じやすい
と言われています。

40代で社会との関係を広げている人は、
退職後も孤立しにくく、
人生後半の満足度が高い傾向があると言われています。


80歳で幸せな人の「40代習慣」


80歳で幸せに暮らしている人は、
40代の頃から
・人間関係を大切にする
・健康に投資する
・学び続ける
・社会とのつながりを持つ
こうした習慣を
少しずつ積み重ねています。

老後の幸福は、
突然生まれるものではありません。

それは
若い頃からの生き方の延長線上にある
のです。

40代は、忙しくて余裕のない時期かもしれません。

けれど同時に、
人生後半を形づくる「仕込みの時期」
でもあります。

80歳の自分が、
どんな気持ちで毎日を過ごしているのか。

その未来は、
今日の小さな習慣から
静かに作られていくのかもしれません。
 

おわりに

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

40代は忙しく、余裕のない時期かもしれません。

けれど同時に、人生後半を静かに形づくる「仕込みの時期」でもあります。

今日の小さな習慣が、
10年後、20年後、そして80歳の自分を支えてくれるのかもしれません。

これからもこのnoteでは、
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