連休明けのしんどさから考えた「週2だけ働く世界」
今日も引っかかったことをひとつ。

連休明けのオフィスは、
少しだけ空気が重い。
キーボードの音も、
いつもより湿って聞こえる。
朝のあいさつも、
どこか助走中という感じがする。
昨日、同僚と話していた。
「連休疲れやね」
「休んだ後の仕事って、余計にしんどいよね」
今週は木曜と金曜の2日だけだった。
だから、
まだなんとかなる気がしていた。
でも、もしこれが連休明けから
フル稼働の5日間だったら。
月曜の午前中はエンジンが
かからない。
火曜にようやく通常運転っぽくなって、
水曜に疲れが見え始める。
木曜には「あと1日」と唱え、
金曜は気合いで乗り切る。
つまり、働いているようで、
ずっと助走している。
そんな週もある気がする。
休んだはずなのに、
仕事に戻るとどっと重い。
体も気持ちも、
まだ完全には戻りたくないと言っている。
でも、同僚とそんな話をしながら、
ふと逆のことを考えた。
もし、週休二日制ではなく、就労二日制だったらどうなるんだろう。
一週間のうち、働くのは2日だけ。
残りの5日は休み。
普通に考えたら、かなり無理がある。
「いやいや、そんなの回るわけない」
たぶん最初にそう思う。
私もそう思う。
でも、そこで思考を止めるのは
少しもったいない気がした。
本当に無理なのだろうか。
それとも私たちは、
週5日働く前提で、仕事を作りすぎている
だけなのだろうか。
ここに、少し引っかかった。
今の働き方は、
基本的に週5日働いて、2日休む。
もちろん職種や業界に
よって違うけれど、
多くの人にとっては
それが標準になっている。
月曜に始まり、金曜に終わる。
土日で回復して、また月曜に戻る。
このリズムに慣れすぎると、
私たちは自然にこう考える。
仕事は5日かけてやるもの。
平日は働くもの。
休みは回復に使うもの。
でも、よく考えると不思議でもある。
仕事って、
本当に5日分あるのだろうか。
それとも、5日あるから
5日分に膨らんでいるのだろうか。
たとえば、
締切が金曜の仕事があるとする。
月曜に少し考える。
火曜に資料を探す。
水曜に一度迷う。
木曜に焦る。
金曜に仕上げる。
もちろん、必要な時間もある。
考える時間も、
調整する時間も、寝かせる時間もある。
でも正直、全部が全部
「密度の高い時間」
だったかと言われると、
少し目をそらしたくなる。
仕事は、
時間の器に合わせて膨らむことがある。
5日あると思えば、
5日分の進め方になる。
2日しかないと思えば、
最初から考え方が変わる。
もし一週間分の業務を、
16時間で終えると決めたらどうなるか。
1日8時間を2日間。
その16時間でやり切る前提で
、仕事の組み立てを全部見直す。
たぶん、
その瞬間に見えてくるものがある。
なくても進む会議。
惰性で返しているだけのメール。
誰のための資料かわからない報告書。
その場で決めれば5分で済むのに、
30分かけている確認。
見た目を整えることに時間を
使いすぎている資料。
全員が参加しているけれど、
誰も決めていない打ち合わせ。
こういうものが、急に目立ち始める。
週5で働いているときには、
なんとなく許されていたものがある。
会議が少し長くても、まあ仕方ない。
返信に追われても、まあ仕事だし。
資料を整えすぎても、まあ丁寧だし。
判断が後回しになっても、まだ時間はあるし。
でも、週2で働くとしたら、その余白はほとんどない。
その会議、本当に必要ですか。
その資料、本当に誰かの判断に使われますか。
その返信、今すぐ必要ですか。
その確認、自分がやらないと止まりますか。
その仕事は、何を前に進めていますか。
問いが、一気に鋭くなる。
もちろん、これは単純な時短の話ではない。
「短時間でやれ」と気合いを入れる話でもない。
むしろ逆だ。
時間が限られたとき、
人はようやく仕事の本体だけを残そうとする。
ここに、働き方を見直すヒントがある気がする。
私たちを疲れさせているのは、
仕事量そのものだけではないのかもしれない。
もちろん、
仕事量が多ければ疲れる。
締切が重なればしんどい。
人手が足りなければ苦しい。
でも、それとは別に、
じわじわ削ってくる疲れがある。
「これは本当に必要なのか?」を
考えないまま流れていく時間。
目的がぼやけたまま参加する会議。
誰も決めないまま増えていく確認。
終わったはずなのに、
何が進んだのかよくわからない一日。
そういう時間は、短くても疲れる。
忙しい日は、たしかに疲れる。
でも、
やる意味がわかっている
忙しさは、まだ耐えられる。
逆に、目的がぼやけた仕事は、
なぜか心に残る疲れ方をする。
昔、連休明けにたまったメールを
ひたすら処理していたことがある。
ひとつ返して、またひとつ開く。
確認して、転送して、返信する。
気づいたら午前中が終わっていた。
でも、その日の終わりに
「何を前に進めたのか」と聞かれると、
うまく答えられなかった。
もちろん、仕事はした。
返信もした。
確認もした。
調整もした。
でも、何かが進んだ感じは薄かった。
あの感覚を思い出すと、
働く時間を減らすことより先に、
何を仕事と呼ぶかを
決め直す必要があるのかもしれないと思う。
週2勤務という発想は、
現実的かどうかだけで判断すると、
たぶん難しい。
職種によっては、
2日だけ働くなんて簡単ではない。
お客さん対応がある仕事もある。
現場を止められない仕事もある。
チームで動く以上、
自分だけが週2というわけにもいかない。
だから
「明日から全員、就労二日制にしましょう」
と言いたいわけではない。
ただ、この妄想には意味がある。
なぜなら、極端に考えると
今の働き方のムダが見えやすくなるからだ。
5日あるから、後回しにしている判断がある。
5日あるから、なんとなく入れている会議がある。
5日あるから、整えすぎている資料がある。
5日あるから、すぐ返してしまう連絡がある。
5日あるから、やめる決断を先延ばしにしている仕事がある。
問題は「働く日数」だけではない。
週5日という器に合わせて、
仕事のほうが膨らんでいる可能性がある。
ここを疑ってみたい。
昔は、
長く働けることが
強さだったのかもしれない。
たくさん出社する。
長く席にいる。
最後まで対応する。
頼まれたことを全部受ける。
時間をかけて丁寧に仕上げる。
それが評価につながる時代もあったと思う。
でも今は、少し違う。
情報は増えた。
連絡手段も増えた。
会議も増えた。
確認も増えた。
一人が抱える役割も、
以前より複雑になっている。
その中で、ただ長く働くだけでは、
仕事は終わらない。
むしろ、長く働ける人ほど、
仕事を抱え込みやすくなる。
ここが、今の働き方の難しさだと思う。
真面目な人ほど、削れない。
責任感がある人ほど、断れない。
丁寧な人ほど、整えすぎる。
優秀な人ほど、
自分でやったほうが早いと思ってしまう。
でも、そのやり方が積み重なると、
仕事はどんどん重くなる。
昔の正しさが、
今のしんどさをつくることがある。
だから、就労二日制という妄想は、
ただ楽をしたい話ではない。
むしろ、
仕事の本質を見直すための
思考実験だと思う。
もし週2日しか働けないとしたら、
最初に何を決めるだろう。
たぶん、
「今週の勝ち」を決めるはずだ。
今週、何が終わっていたら
前に進んだと言えるのか。
売上につながることなのか。
お客さんへの返答なのか。
企画を1本出すことなのか。
チームの詰まりを解消することなのか。
これが決まらないまま働くと、
16時間はすぐに散らばる。
次に、会議を見直すと思う。
共有だけなら、読めば済むかもしれない。
確認だけなら、文章で足りるかもしれない。
集まるなら、何かを決める場にしたほうがいい。
そして、連絡の扱いも変わる。
通知が鳴るたびに反応していたら、
深く考える時間は消えていく。
メールもチャットも、
仕事の入口ではある。
でも、それだけで一日が終わると、
仕事の中心にはたどり着けない。
最後に、
やらないことを決めると思う。
今週やらないこと。
自分がやらないこと。
会議にしないこと。
資料化しないこと。
すぐ返さないこと。
100点まで磨かないこと。
週2勤務とは、
気合いで仕事を圧縮することではない。
気合いに頼らないために、
仕事を選ぶことだ。
そう考えると、
就労二日制は夢物語ではなくなる。
少なくとも、
今の仕事を見直すための鏡にはなる。
昨日、同僚と話していたときは、
ただの「連休明けしんどいね」という雑談だった。
休み明けの身体の重さ。
まだ休日側に残っている頭。
通知の多さに、少しだけ目を細める感じ。
でも、そこから週2だけ働く世界を
想像してみたら、
意外と仕事の本質に触れた気がした。
働く日数を減らせば、すべて解決する。
そんな単純な話ではない。
でも、働く時間が限られていたら、
私たちはもっと真剣に選ぶはずだ。
何をやるか。
何をやらないか。
誰と決めるか。
どこまで整えるか。
何をもって「今週は進んだ」と言うのか。
たぶん、ここにこれからの働き方のヒントがある。
仕事は、長くやるものから、
選んで濃くするものへ
変わっていくのかもしれない。
連休明けのしんどさは、甘えではない。
ただの疲れでもない。
もしかするとそれは、
今の働き方に残っている古い前提が、
身体のほうから音を立てている
サインなのかもしれない。
だから私は、少し本気で考えてみたい。
週5日働くのが当然ではない世界を。
就労二日制という、いったん非常識に見える前提を。
それは未来の制度を語るためというより、
今の仕事から余計なものを
見つけるために役立つ気がしている。
あなたがもし、
「休んだはずなのに仕事が重い」
「毎週、働くことに追われて終わる」
そんな感覚を持っているなら、
一度だけ考えてみてほしい。
もし一週間で2日しか働けないとしたら、
あなたは何を残して、何を捨てますか。
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