文字で呼吸したい
酸素ボンベの中に文字を詰め込みたい。
とにかく文字を欲している。
本を開いたら文字が浮き出てきたらいいのに。
スチーマーのように顔面で浴び続けたい。
毛穴という毛穴に文字を差し込んで、体の一部になったらいいのに。
読みたい本が多すぎる。
積み上がった本たちの視線が痛い。
毎晩のように背表紙たちと目を合わせる。
「また今度埋め合わせするからさ」
と浮気男のような言葉を軽々しくかけては、図書館の本も予約してしまう。
埋め合わせする気はあるのだろうか。
積み上がった本たちがメンヘラ化して暴走するのは時間の問題だ。
noteだってもっと読みたい。
あなたの最新記事や、過去記事だって読み漁りたい。
自分の記事だってもっと書きたい。
書くべきことが積み上がっているのに、こうして今の感情を書いている。
どこかの立ちんぼ娘たちのように、ずらりと“下書き”が並んでいる。
「今日、どう?」
と声をかけては、
「ごめん、やっぱ今日じゃないや」
と弄んでしまうんだ。
手に取る本やnoteからいつか逆襲されるんだ。
句読点が多すぎたり、
てにをはがめちゃくちゃだったり、
一文が鬼のように長かったり、
読ませる気がない文章しか届けてくれなくなるかもしれない。
ざまぁみろって、文字たちに笑われるんだ。
「だって私寂しかった」
「読んでほしい時に読んでくれなかった」
「海外ドラマなんかなくなればいいのに」
そう。
とある海外ドラマにハマってしまい、時間を溶かし続けている。
夕飯を食べ終わると、夫が『ホワイトカラー』を再生する。
天才詐欺師とFBI捜査官のコンビを描いたドラマである。
最初はながら見をしていたのに、気づいたら釘付けになっていた。
気がつくと日付を超えている。
「今日は絶対本を読む!
そして早く寝るんだ!」
夫を指差し、逆転裁判のように唱えて見せても、気づけばFBI捜査官として事件を追っている。
中でも胸を熱くさせる人がいる。
モジーだ。
モジーは天才詐欺師の相棒。
『ホワイトカラー』はウィットに富んだセリフが多い。
モジーはセリフはもちろん、行動も心意気もウィットに富んでいる。
これにかぶれて、夫婦の会話までウィットに富み始めた。
ちなみに「ウィットに富む」の意味はわかっていない。
私の睡眠時間や読書時間を奪いながらも、ウィットに富んだ家庭を作り上げてくれたモジー。
呼吸するように、文字もモジーも摂取したい。
このままでは、FBIに拘束された読書家だ。
積み上がった本たちやnoteが証拠隠滅するかもしれない。
でも、FBIを舐めるなよ。
どこに隠れたって無駄だ。
こっちにはモジーがいるからな。
一生かけて読んでやる。
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みっくみくにしてやんよ ⊂ミ⊃^ω^ )⊃