『妹の七五三』 — 波瀾万丈ライフ 番外編
実家に帰省している妹から、
幼い頃の写真が送られてきた。
その中にあった、三歳の七五三の一枚。
当日、母は仕事でなかなか帰ってこなかった。
支度を済ませた妹と、私は家で待っていた。
妹は着物ではなく、ピンク色のハットにワンピース。
よく似合っていた。
夕方になって慌てて向かった神社は、
もう薄暗く、人影もなかった。
「飴がもらえないー」
泣き出した妹を見て、
私は幼心に思った。
——こんな日くらい、早く帰ってきてほしかった。
参拝を終えたとき、
神主様のご家族が奥から千歳飴を持ってきてくださった。
「あーよかった、お渡しできるわ」
その言葉と一緒に、
妹の顔がぱっと明るくなった。
本当によかった、と心から思った。
写真館で撮った一枚には、
大きな千歳飴の袋を手に、
少し照れたように笑う小さな妹が写っている。
あの日の寂しさも、安心も、
全部その中に残っている。
このお話を含めた「波瀾万丈ライフ」シリーズは、ブログでまとめています。
幼い頃の出来事や、家族の記憶を、少しずつ綴っています。
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