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疲れたとき、私はYouTubeで空耳アワーを見る。

正直に言う。

日々の中で、どうしようもなく疲れたとき、私がやることがある。YouTubeで空耳アワーを見ることである。

数ヶ月前に、なぜか、オススメに出てきた。自分で探したわけじゃない。アルゴリズムが勝手に差し出してきた。なんとなく再生した。笑った。また見た。今では検索してしまう。

知らない人のために一応説明すると、空耳アワーはテレビ朝日の音楽番組「タモリ倶楽部」の人気コーナーで、洋楽の歌詞が日本語に聴こえてしまうという投稿を紹介するものだ。「学習」とは程遠い。「インプット」でもない。「生産性」とは対極にある。
それなのに、見てしまう。
しかも、だらっと15分、たまに30分ほど。

見ながら、何も考えていない。
笑って、また次のクリップを見る。それだけだ。「これは使えるな」とも「なるほど」とも思わない。ただ、笑う。馬鹿笑いする。
学びゼロ。気づきゼロ。翌日の仕事に活かせる要素、完全にゼロ。
それが、なぜかいい。

「役に立つことをしなければ」という感覚が、知らないうちに染み付いている。
本を読むなら学びを得たい。ランニングに出るなら記録を意識したい。旅をするなら何かを持ち帰りたい。
でも空耳アワーには、そういう言い訳が一切できない。「これは実は脳の休息になっていて…」と言おうとしたが、たぶん違う。ただ笑っているだけだ。
それでいい、と最近思っている。

目的のない笑いが、なぜこんなに効くのかはよくわからない。
でも確かに、見終わったあと、少し戻ってこられる感じがある。肩が下がって、呼吸が戻って、「まあいいか」という気持ちになる。
理由を説明しようとすると嘘くさくなる。だからしない。
疲れたとき、私はまた空耳アワーを見るだろう。アルゴリズムよ、ありがとう。何の学びもなく、何も残らない15分を、今日も積み重ねていく。

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