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山を歩いたら、銅山にたどり着いた:石鎚山系ロングトレイル

はじめに

今回はGWということもあり、少し遠めの山まで足を伸ばしてみた。行き先は四国。
関東圏に住んでいる私にとって、四国の山は少しばかり遠い。だからこそ、せっかく行くなら一つの山だけで終わらせるのではなく、泊まりの縦走が良いと思った。
今回、石鎚山系ロングトレイルを歩いてみて感じたのは、遠出登山だからこそ味わえる、

「いつもと違う自然を楽しめること」
「土地の歴史に偶然触れる楽しさ」

があるということだった。


今回の山行内容

山行概要

4月末、2泊3日で石鎚山、瓶ヶ森、笹ヶ峰、銅山峰をつなぐ約50kmの道を歩いた。最近ではこの一帯を「石鎚山系ロングトレイル」と呼ぶこともあるらしい。(注:今回は天候により銅山峰の先の赤石山系を省略した)
朝早くの新幹線を使い、初日は移動で常住屋白石旅館にお世話になり、翌日から山行がスタートした。
初日は、瓶ヶ森近くの避難小屋に宿泊、2日目は銅山峰にテント泊とした。
テント泊装備の為、ザック重量は最大で14~15kgほど。2日目は累積標高差も登り下りでそれぞれ2000m以上となり、なかなか厳しい行程だった。
そんな長い距離を歩いたからこそ感じられたこと、そこで歩いた偶然性もあり出会えたことについて書いていきたい。

この様な稜線を繋いで歩いた 瓶ヶ森山頂にて

なぜ四国の山に出かけたのか?

なぜ四国に行ったのかと聞かれると、正直そこまで明確な理由があったわけではない。

山が深そうだったから。
関東とは違う景色に出会えそうだったから。
日常から少し離れて、何かに没入したかったから。

そのくらいの理由だった。
これから書いていく自然や産業の歴史も、事前に狙って調べていたものではなく、歩いた後に、偶然見えてきたものだ。

関東から電車で約6時間 伊予西条駅

その中でも特に面白かった、自然や産業に関連することについて記載していく。

面白かったこと

自然と道 〜いつもと違う山の深さ〜

まず自然についてだが、
四国の山を歩いて感じたのは、山が近くて、深いということだった。
関東の山とは違って、集落や道路から一気に山深い場所へ入っていく感覚がある。
石鎚山や瓶ヶ森の周辺には笹原が広がり、稜線からは山が何層にも重なって見える。
一方で、少し標高を下げると山の雰囲気が変わり、植生の変化も大きい。
ひとつの山域の中に、明るい稜線、深い森、笹原、岩場、人工の道路が混ざっているのが印象的だった。

石鎚山山頂付近の岩場
ツツジと山並みのコントラストが印象的
ツツジが美しい

道と観光 〜UFOライン〜

UFOラインは、四国山地の雄大な峰々をつなぐ約27kmの山岳ドライブコースで、もともと「雄峰ライン」と呼ばれていたとのこと。
登山者がこの道で撮影した写真にUFOが映り込み、地元新聞で大きく報じられたことが話題となり、以来、「UFOライン」として親しまれているらしい。
実際に歩いていると、山の稜線近くを道路が通っていて、車やバイクで景色を楽しみに来ている人も多かった。
登山者目線では「こんな山の上まで道路があるのか」と感じる一方で、この道があるからこそ、登山をしない人も石鎚山系の景色に触れられる。
自然を守ることと、自然を楽しめるように開くこと。その両方の間にある道のようにも感じた。

UFOライン (綺麗だと思い撮影、有名な構図)
近くのモンベルではツーリングの人気を感じる

整備 〜登山道は誰かの手で保たれている〜

歩いていて強く感じたのは、登山道は自然に存在しているものではなく、誰かが維持してくれているものなのだということだった。
笹が道にかかっていたり、枝が頭の高さに残っていたり、崩落しかけている場所もあった。関東圏のよく整備された山を歩くことが多い自分にとっては、よりワイルドに感じられ面白かった。
当然これはただの不満ではなく、むしろ、この道を維持してくれている人がいることのありがたさを感じた。
数週間前のYAMAPにも、瓶ヶ森付近の登山道を整備している方の記録があった。
登山道は、自然と人の手の間にあるものなのだと思う。

非常に綺麗な瓶ヶ森避難小屋
笹がつながる登山道も誰かが整備している


産業 〜別子銅山〜

山を歩いていたら、自然だけでなく、産業の跡にも出会えた。
最終日は雨だったので、予定を短縮して下山することにした。そこでたまたま向かった先が、マイントピア別子だった。
そこで初めて、別子銅山の存在をちゃんと知った。
そういえば、前日に泊まる予定だった場所は「銅山峰」だった。地名として見ていた“銅”の一文字が、ここで急に意味を持ちはじめた。

登山道の途中にもこの様な産業の残りが
(ダークソウルっぽいって思った。伝わらないと思うけど。)

途中で入ったマイントピアで鉱山観光もした。1691年から1973年まで銅を採掘をしており、住友の初期の発展に寄与していたとのこと。

あたり前だけど昔は人力で掘っていた

登山道の後半には、いつのものか分からない空の一升瓶がいくつも残置されていた。
それが鉱山で働いていた人たちのものなのか、後年に誰かが置いていったものなのか事実は分からない。
つい想像してしまったのは、
ここはただの登山道ではなく、かつて人が働き、暮らし、何かを運び、汗を流していた場所だったのかもしれない。

採掘場への入り口だろうか


埋立地に住友の会社も見える


まとめ

色々と書いて何が言いたいかというと、偶然こんな楽しみ方が出来るのも遠出したからこそだと思った。
いつもの近場登山だと、登山をすること自体が目的化される。
しかし、遠出の登山となるとそこの自然や文化を知ろうとする観光要素や関心が少し強くなる。
せっかく遠くまで来たのだから、登るだけで終わらせるのはもったいない。そんな感情が自然と出てくるからだと思う。
大型連休で時間に余裕があるのも良かったと。もちろん登山が目的なのだが、そこに何かの出会いとか気づきがあると構えておけば、偶然の出会いに気づけるかもしれない。

雨だからもう下山しよう。
それが発端だったのに、
最後の鉱山見学で「今回のトレイルが出来上がった」と思った。

今回の山行を通じて次の3つを大事にしたいと思った。
 
無理をしすぎず時間と心に余裕を持つこと。
目的にとらわれすぎず、その瞬間を楽しむこと。
ロングトレイルができる身軽さを持つこと。

これは遠出登山に限らず、近場の山でも同じかもしれない。
そんな意識を持って歩けば、いつもの山行も少し違って見える気がする。

皆さんはどの様な楽しみ方を登山で身につけましたか?

帰路の岡山駅にて 名物の岡山ばら寿司、さわら、ままかり、クラフトビール(独歩)

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