うんこの話
まずは本当に申し訳ない。
興味本位で記事を開かれた方もいるだろう。
あるいは、
「うんこ…って…あの?いやいや、まさかそんな…発光さんに限って…」
と、タイトルの文字がソレを指さないことに一縷の望みをかけて開いてくれた方もいるだろう。
今回、そのうんこである。
いや本当に申し訳ない。note界でも指折りのジェントルマンとして名が通っているに違いないワタシの評価がこの記事によってどうにかなってしまうことは想像に難くないが、しかしワタシは紳士である前に関西人なのだ。面白いと思ったことは発信せずにいられない。
ではいきます。
あなたは一般的にうんこを漏らさないとされる歳になってから、うんこを漏らしたことがあるだろうか。
ワタシは三度ある。あ、ダメだもう書くのやめたい。
一度目と二度目は妻とデート中。三度目は今日、家の中で、だ。
それぞれの思い出を語る前に、まずは『うんこを漏らす』ということの定義についてワタシの見解を整理しておきたい。
うんこを漏らすというのは、ズバリうんこがパンツに付着した状態を指す。ここテストに出るから各自ノートに書いておくように。
つまり、うんこが肛門から出た瞬間。これはまだ漏らしていない。その後尻肉の間を通過し、パンツに到着してしまった瞬間に『漏らした』となる。断固としてそうなる。でなければ、ワタシがうんこを漏らした回数は三桁を超えるだろう。
尻が二つに割れている理由を知っている人は少ない。それは誤って肛門を出発してしまったうんこを挟み込み、パンツまでの最終防衛ラインとして機能するためなのだ。
これを踏まえて、ワタシの尻は今回で三度うんこの進撃に屈してしまったということである。もう絶対身バレできない。ZINEフェスに参加する未来は今この瞬間に潰えた。
思い出を語ろう。うんこを漏らすというエキセントリックな経験はやはり印象的なので、忘れっぽいワタシも割と覚えている。
一度目は社会人になって間もない頃、妻と駅前を歩いていた時。駐輪場にワタシの自転車が停めてあり、それを取りに行くためワタシが先に進んでいた。
ふいにおならの気配がしたので、直腸と肛門で確認を行い「これはおならである」と判断されたため開門。そしたらゆるいうんこが出てきた。100%おならだと思っていた尻肉は完全に油断しておりノーガードでパンツに到着。うんこを漏らしてしまった。
ワタシは驚愕とも失意とも取れる表情をしながらソソソソと小さい歩幅で妻の元に戻り、耳元で今起こったことを囁く。
さながらアニメ映画『時をかける少女』のラスト、千昭が真琴に「未来で待ってる」と告げるあの大号泣感動シーンばりに「うんこを漏らした」と告げた訳である。妻もそのような報告をそれまで受けたことがなかったようで、大きい声で「うんこを漏らした!?!?!?」と叫んでいた。耳元で囁いた意味。
その時はそのままソソソソと駅のトイレまで行き、とりあえずパンツに付着したうんこを可能な限りトイレットペーパーで拭き取ると共に、いく巻きかのペーパーを尻に挟んで二次被害を抑える形で対応。初回にしては上出来の措置と言える。
二度目もデート中のこと。ショッピングモールにて腹痛に襲われたワタシは、まさにトイレに向かっていた。しかしトイレよりも先に限界が来てしまい、ハイリスクは承知の上で少しでもガスを抜くためにおならを試みたところ、ゆるめのうんこが出てきた。やはりハイリスクだった。
しかし二度目ともなればワタシとしても慣れたもので、うんこを尻肉でしっかりと挟み込み『漏れてない』状態をキープしそのままトイレに向かう。個室に入ってズボンとパンツを下ろし便座に着席。うんこをする。念の為パンツを確認したところ少しついていた。
漏れてた。
ワタシは現実を冷静に受け止め、妻にLINEでうんこが漏れていたことの報告と、故にパンツを一つ買ってきてほしいという依頼を送信。妻から「あんたの肛門括約筋はホンマに活躍せーへんな」みたいな返信が来たことを覚えている。妻も慣れたもので、気の利いた駄洒落の一つも飛ばせるように成長していた。
そして三度目の今日。
今日は普通にご飯を食べていて、おならをしたつもりだったがゆるめのうんこが出てきた。
ワタシはおならかうんこかの判断をもう少し厳しく行った方がいい。
座っていたおかげで尻肉ブロックが一切機能せず、そのままパンツに到達。あえなくお漏らしとなった。
「あれ、うんこ漏れたかも」
ワタシの緊急事態宣言に対し、妻は笑顔で手を叩きながら、
「うんこもーらしっ!うんこもーらしっ!」
と喜んでいる。君がうんこ漏らしたらワタシもそれ絶対やるからな。
一旦食事を中断しトイレに。パンツを確認したところゆるめのうんこが。ワタシはパンツを履き替え、うんこ漏らしパンツも手洗いし爽快な気持ちでリビングに帰還する。
と、妻がチビに「うんこ漏らしパパが帰ってきたよ」と話しかけている。そうだった。今は過去の二回とは違いチビが居る。ワタシはチビにとっては大きな存在、大黒柱なのだ。父親が頻繁にうんこを漏らす状態は何となくあまりよろしくないだろうと思った。威厳を保たなければならない。ワタシはうんこ漏らしの汚名を晴らすべく、全力で弁明した。
「うんこを漏らす…って、何だろうね。漏らす、という表現は違うんじゃないかな。そもそも生き物は基本的にところ構わずうんこをするものであるはずなんだ。それが真理さ。では、どうして人間はうんこをする場所を作ったんだろう?ワタシの考えだけど、それは肥料に使うためだったんじゃないかな。一ヶ所にうんこを集めておいて、後でまとめて肥料として使う。いわゆる生活の知恵ってやつさ。でも今はどうだい?うんこはただ流され、汚物として廃棄されているだけ。そうすると『一ヶ所でうんこをする』というのは既に目的の風化、行為が形骸化しちゃってる訳だよね。それってどうなのかな、ちょっと悲しいよね。今の状態で本来残るべきは、ワタシとしては真理の方なんじゃないかと思うんだよね。ワタシはそこに立ち返ってるんだ。だから何というか、ワタシはここでうんこを『した』んだと思う。漏らしたという後ろ向きなことではなく。どうかな?」
我ながらかなり良いセンいってると思う。うんこが肛門を出発しパンツに到着してしまった事実は拭えないので、如何にして『漏らした』から『した』に変化させるかが肝だと思った。こんなことは至って普通のことだよ、トイレでうんこをするのと何も変わらないよ、と説得することで威厳を保とうとしたのだ。
妻からは、
「チビがトイレトレーニングするとき、あんたも一緒にやり」
と返ってきた。威厳は全く保ててなさそうだった。
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どうしてワタシはこんなに身を削っているのだろう。ワタシの心を癒すのはあなたからのチップしかありません。宜しくどうぞ。
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