言葉で音楽を考える ― music ・「音楽」の語源

私たちが日常的に口にしている言葉「音楽」や music。
実はこの言葉には、文化や思想の深い背景が隠されています。
語源をたどると「音楽=人間の根源に関わる営み」だったことが見えてきます。

【music の語源 ― ムーサたちへの捧げもの】
英語の music は、ラテン語 musica、さらに古代ギリシャ語の μουσική (mousikḗ) に由来します。
この言葉の元は「ムーサ(Mousa)」――ギリシャ神話に登場する芸術と学問を司る九人の女神です。

ムーサたちは詩、舞踊、歴史、天文学などあらゆる分野を導き、人間にインスピレーションを与える存在でした。したがって mousikḗ は本来「ムーサに属する技芸」を意味し、音楽だけでなく、詩や舞踊など芸術全般を含んでいました。

古代ギリシャでは、音楽は単なる娯楽ではなく、神に捧げる祈りや魂を調えるものとして尊ばれていたのです。


日本語「音楽」の語源 ― 心を調えるもの

一方、日本語の「音楽」は、中国古典から来ています。
「音」=響き、「楽」=楽しみ・調和を意味し、古代中国では音楽は人の心を整え、社会秩序を保つためのものと考えられていました。

『礼記』などの文献には「音楽は人を和らげ、徳を養う」といった思想が記されています。つまり「音楽」は娯楽の枠を超え、人間を正しい方向に導く力を持つとされていたのです。

二つの語源に共通するもの
• 西洋において音楽は「神に捧げるもの」
• 東洋において音楽は「心と社会を整えるもの」

背景は違っても、どちらも「音楽は人の心・精神・生き方と深く関わるもの」であることに変わりはありません。

おわりに

私たちが今楽しんでいる音楽も、そのルーツをたどれば「神聖な祈り」であり「人を整える力」でもありました。

時代は変わりましたが、音楽を聴く・演奏するという行為は、今でも私たちの心に影響を与えるものであり、脳や身体にも影響を与える事が科学的に証明されてもいます。

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こちらのnoteには、音楽に関すること全般、著作権の事、楽譜の事、音楽と人との繋がり、音楽家のあれこれを書いています。
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