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ファンアート——ミカケ編⑥ 構図と視線誘導

【ファンアート】久しぶりに厚塗りで描きます🎨①~⑤の続きです。
タイトルが長すぎたので今回から短縮いたします。

下半身ほぼ完成✨

ウキカリより、主人公のミカケです


カラーラフとの比較です👇

←左 カラーラフ  本番 右→



魅力的な「足」の描き方について🎨

せっかくなので、このミカケちゃんを使って
**「魅力的な足の描き方」**について解説してみようと思います。

構図と視線誘導を組み合わせた、
いわば 有料級の内容 です。


まずは一般論から

魅力的な足の描き方として、よく言われるのは

① 綺麗な曲線で構成する
② 肉付きよく、ムチっと描く

この2点かと思います。

これはもう、すべて正解です。
今回はそれを否定する話ではありません。

今回はそこに
「もう一段ブーストをかける」
そんな話です。


キーワードは「対比」

それを叶える、ほぼ唯一の方法。
それが 「対比」 です。

対比という考え方は、デザインにおいて非常に重要で、
覚えておいて損はありません。

絵やイラストは「美術」として語られることが多いですが、
SNSで絵が高速消費される現代では
「デザインの考え方」 を取り入れることが必須になっています。


① 曲線の中に「直線」を入れる

いきなり結論から言います。

曲線だけで描かず、あえて直線を入れましょう。

直線があることで、
対比によって曲線がより強く際立ちます。

👆の画像では、太ももに自然と目が行くと思います。
特に、両太ももが接触している中心部分に
視線が引き寄せられませんか?

そこが 直線 だからです。

下の画像で補助線を引いている部分が、
直線で構成している箇所になります👇

太ももの接触部とそこから広がるデニムのしわが直線を作っています。
直線の中でもこういう「Y字直線」は特に強力なフックとなります。

曲線で構成された太ももの中心に直線があることで、
それが強烈な フック となり、
視線をそこに誘導、場合によっては釘付けにします。


ここでよくある誤解があります。

「直線は曲線の引き立て役で、主役は曲線」

……違います。

主役は、直線です。


なぜ直線は強いのか

それを説明するために、
以下の画像を見てください。

どうでしょうか。
真ん中のポストに、強く目を奪われませんか?

周囲の景色を見ようとしても、
すぐに視線がポストに戻ってしまう。

別にポストに特別な興味があるわけでもないのに、
目が離せない。

これが 直線の力 です。

この画像はS字構図でもありますが、
構図を意識しなくても、
最初からポストに目が向いたはずです。

なぜなら――

自然界に、直線は存在しないからです。

直線は自然において「異物」。
だから人は無意識に違和感を覚え、
そこに視線が留まります。


女性を描くときは、
「どこに直線を入れられるか」
ぜひ意識してみてください。

例えば、胸の谷間。
ここを直線で描くと、
一気に 求眼力 を高めることができます。


皮肉なことに、
絵が上手い人ほど曲線だけで描こうとします。

直線が自然界に存在しないことを
よく理解しているからです。

だからこそ、
直線を使うと違和感が出る。
結果、曲線だけで構成しようとする。

美術教育を受けてきた人ほど、
この考えから抜け出せずに
悩むことも多いように感じます。

なぜなら――
直線と曲線の対比は、美術ではなくデザインのスキル
だからです。


② ムチムチの中に「骨」を入れる

足全体をムチムチに描く表現、
最近とても多いですよね。

フェチズムを強調した
流行のデフォルメ表現だと思います。

では、生身の人間の足を思い出してみてください。

意外と、骨ばっていませんか?

膝や脛骨は体表から確認できます。
でも、それが不格好に見えるでしょうか。

むしろ、魅力的に見えるはずです。

それは
骨ばった部分と、肉付きの良い部分
という相反する要素が
一か所に集まっているからです。

つまり「対比」です。

今回のイラストでは、
あえて膝の骨の膨らみや
脛骨による面の切り替えを描いています。

その対比によって、
太ももの肉感がより強調されるのです。


③ おまけ:おへそに目が行く理由

この画像を見てください。

強烈に、おへそに視線が行きませんか?

もう理由は分かりますよね。
そこに 直線 があるからです。

さらにもう一点。

明度の高い肌の中に、
一点だけ明度の低いおへそがある。

これも強力な対比です。

真っ白な壁に虫が止まっていたら、
どんなに小さくても気付きますよね。

あれと同じで、
白と黒の対比が
視線を引き寄せているのです。


④ 白銀比と黄金比──「静」と「動」

以前の投稿で、
今作は 白銀比 で構図を作っている
という話をしました。

白銀比は 1:1.414 の比率。
A4やB4など、
出版物の規格に使われている比率です。

つまり、
出版物と非常に相性の良い構図。

一方で 黄金比 は 1:1.618。
白銀比よりも、
やや動きのある比率になります。

しかし出版物の比率とは異なります。

「じゃあ白銀比だけでいいじゃないか」
と思われるかもしれません。

でも、そうはいきません。


白銀比と黄金比は、対極にある

● 白銀比
→ 場や空気を作る「静」の構図

● 黄金比
→ 視線の流れを作る「動」の構図

(※細かい要素は省略しています)

白銀比だけを使うと、
落ち着いた、静かな作品になります。

鑑賞用の絵画としては
非常に優秀です。

しかし、ここはSNS。
絵は高速で消費されます。

スルーされないためには、
白銀比だけでは弱い。

そこで 黄金比 を部分的に使います。


黄金比は、
キャンバス全体に使う必要はありません。

この作品では、
足の部分だけに黄金比を使用しています。

黄金比は部分的に使用しても効果があります。

黄金比は、黄金螺旋とセットで使います。

螺旋の中心にまず視線が行き、
そこから流れに沿って目が動く。

①で説明した
「直線によるフック(太もも同士が接触している中心)」の位置に
螺旋の中心を合わせ、
そこから足全体へ視線を流しています。


このイラストは
白銀比で「場」を作り、
足だけを傾けています。

それは、
視線誘導を意識した設計です。

人は、人が描かれていると
まず を見ます。

(全身を舐め回してから顔を見る
という奇行種の方もいるかもしれませんが、
今回は一般論の話です)

顔にフックがある以上、
そこから先に
もう一つフックが無ければ
そのままスルーされます。

だからこそ、
足にもう一段フックを仕込む。

視線をできるだけ長く
そのイラストに滞在させるために、
こうしたテクニックが必要になるのです。

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