第2章 最初の一歩は、意外にも「足元」でした
きっかけは、たいそうな決意なんかではありませんでした。
長く履いた古いスニーカーが、いよいよダメになった。ただ、それだけです。
新しいものを買わなければ、とは思いました。でも、自分では選べなかったんです。何が「今っぽい」のか、何が自分に「似合う」のか、正直、わからなかったからです。ですから、妻についてきてもらいました。
お店で、妻が一足を手に取って、こう言いました。
「これが、キレイでスマートなんじゃない」
アディダスの、スタンスミスでした。白い、シンプルな革のスニーカーです。
正直に言いますと、そのときの僕には、その良さがまだピンときていませんでした。派手でもないし、特別に見えたわけでもない。でも、妻がそう言うのなら、と、その通りにしました。
結論から言います。妻の言うとおりにして、本当によかったです。
そのスタンスミスを履いて、家族で出かけた日のことでした。並んで歩いていたら、妻のほうから、そっと手を繋いできてくれたんです。
……たった、それだけの話です。でも、僕にとっては、それだけの話ではありませんでした。
服を全部買い替えたわけではありません。体を絞ったわけでもありません。変えたのは、たった一足の靴だけ。それで、妻との距離が、少しだけ変わったのです。
この章でお伝えしたいのは、そういうことです。最初の一歩は、大きくなくていい。足元の、一足で十分なんです。
なぜ、最初が「白スニーカー」なのか
ここからは、その理由をお話しさせてください。感覚ではなく、ちゃんと論理があります。
足元は、体の中でいちばん面積が小さい場所です。それなのに、清潔感がいちばん分かりやすく出る場所でもあります。そして、いちばん分かりやすく「くたびれてしまう」場所でもあるんです。草臥れた靴は、それだけで全身の印象を古びさせてしまいます。逆に言えば、いちばん小さい面積を変えるだけで、印象がいちばん大きく動く。 これが「足元から」をおすすめする理由です。投資対効果が、いちばん高いのです。
なかでも「白」をおすすめするのには、理由があります。白は、清潔感そのものの記号です。そして、合わせるものを選びません。デニムにも、チノにも、黒いパンツにも、すっと馴染んでくれます。この先どんな服を足していっても、土台として効き続けてくれる。ですから、最初の一足は白がいいのです。
迷ったら、この3足から選んでみてください
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