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【山行記録】山北町の名峰、高松山から古(いにしえ)の道を歩く――落ち葉のじゅうたんを踏む、足音だけが響く山

本日の山行データ

  • 日程:2026年1月16日(金)日帰り

  • 山域:丹沢・高松山(神奈川県山北町)

  • 体力度:3(ヤマレコ基準)

  • 天候:快晴(体感は3月並みの陽気)

  • 距離:11.8 km

  • 累積標高:上り 807 m / 下り 677 m

  • 行動時間:6時間07分(歩行 4:30 / 休憩 1:37)

  • 歩行ペース:0.9~1.0(標準コースタイム比 "速い")

  • スタート:JR御殿場線 山北駅

  • ゴール:富士急行湘南バス 田代向

  • コース
    山北駅 → 高松山ハイキングコース登山口 → ビリ堂 → 高松山 → 尺里峠 → 第六天(水落山)→ 虫沢古道 → 寄自然休養村 → 田代向


[山北駅の朝の風景]

JR御殿場線 山北駅

山北町の名峰、高松山から古(いにしえ)の道を歩いてきた。
空は快晴。
1月半ばだというのに、体感的にははまるで3月、春の陽気。
冬山に向かうというより、少し季節を先取りしてしまったような気分でのスタートだった。

最近は、深酒をしながら夜な夜な仕事をする生活が続いている。
そのツケは正直で、今日はどうにも体が重い。

数字だけ見ればやさしい、穏やかな行程だ。
距離11.8km、累積標高807m。
それでもこの日の自分にとっては、十分に手ごわいコースだった。


[登山口へ向かう道]

山北町の名所となっている壁絵
山北町は木の町
至る所に木製の人形を見かける

[新東名をまたぐ]

新東名 高松トンネル工事の下を抜けていく
新東名 高松トンネル工事の看板
正規の登山道ではなく、用意された迂回ルートを歩く
まるで壁の様な階段
施設者はおそらく、登山の経験はないだろう

ビリ堂経由の登りに入ると、すぐに体が正直な反応を見せる。

季節外れの暖かさも手伝って、序盤から汗だく。
ハシゴや急登のたびに立ち止まり、呼吸を整える。

山は優しいけれど、容赦はない。
体調の良し悪しを、そのまま突きつけてくる場所だ。

それでも歩行時間は4時間30分。
ほぼコースタイムどおりに高松山に到着できている。
少し安心した。


[登山道の様子]

落ち葉のじゅうたん
かなり深く、足元が全く見えないので
油断できない

[ビリ堂周辺の風景]

ビリ堂(馬頭観音)
登山道は荒れている

静かな山頂、変わらない眺望

山頂には数人のハイカー。
地元の方とお散歩ワンコ。
いつもどおりの、静かな高松山だった。

草原状の山頂
かなり広い

そして、ここに来るたびに思う。
この山のいちばんの魅力は、やっぱり眺望だ。

富士山がドンと正面に立ち、

視界いっぱいに広がる富士山
文化的な静けさを感じる瞬間だ

小田原から箱根、相模湾の向こうに真鶴半島、初島。
さらに空気が澄んだ日には大島まで見える。

相模湾の向こう
真鶴半島と初島が見える

何度来ても、この景色は飽きない。
日常の地図が、そのまま立体になって目の前に広がる感覚がある。


[高松山山頂からの富士山]

富士山と愛鷹連峰を一望

お山 de クッキング:えび炒飯

今日の“お山 de クッキング”は、えび炒飯。

えび炒飯
冷凍だが山では重宝する
みかんは道中で拾った"山北みかん"

特別なメニューではないけれど、
山で食べるごはんは、なぜこんなにも美味しいのだろう。

コーヒーは”厚木珈琲”さん
地産地消がわたしのテーマでもある

厚木珈琲さんのコーヒーを淹れて、
炒飯を炒めて、
デザートは道端で拾ったみかん(笑)

"うりぼークッキング" なう
これがいつものテンション(笑)

豪華さよりも満足感。
山の上では、それだけで十分だ。
実際、山での美味しさは何物にも代えがたい。

少し焦げたが、めちゃくちゃ美味い
達成感がスパイスだ

食べ終わった後も、山の空気がずっと残っていた。


古道をたどる下山路

下山は尺里(ひさり)峠から寄(やどりき)方面へ。

尺里峠

左手に鍋割山稜を眺めながらのルートは、思った以上に気持ちがいい。
登りの緊張感から解放され、ようやく歩きそのものを楽しめる時間になる。

"馬の背"から鍋割山稜を望む

[尺里峠からの下山路]

尺里峠からの下山ルートは、
知る人ぞ知る”ミツマタ群生地” でもある

ミツマタ群生地
当然ながら、まだ咲いていない
3月ごろにもう一度、訪れてみたい

この先は、いくつもの「古の道」が連なっている。

  • 虫沢古道

  • 高松山古道

  • 水落山古道

古道とは、現代のような車道や舗装路が整備される前に、
日常の往来・物資の運搬などに実際に使われていた生活道。

今日歩いた古道は、山北町と松田町・寄地区を結んでいた。
人や物資が行き交い、特に山北町では、林業や炭焼きの往来に使われていた歴史ある道。
現在は地元有志の方々によって整備され、静かに歩けるハイキングルートとして受け継がれている。

整備してくださっているおかげで、
細いながらも道は明瞭で、とても歩きやすい。

古道は放っておけば、あっという間に自然に飲み込まれる。
いま自分が気持ちよく歩けているのは、地道な作業のおかげだ。
長年にわたり道を守る人たちがいたからこそ、
今こうして山道として歩ける。


[古道の写真]

虫沢古道
高松古道
虫沢古道から水落山(第六天)へ
水落山古道
地図にはない "バリエーション”ルート
初心者にはお勧めしない

この下山路、古(いにしえ)の道を踏むことこそが、
今日のハイライトだった。

人はほとんどいない。
風もほとんどない。

足元には、ふかふかの落ち葉のじゅうたん。

その上を一歩ずつ踏むたびに、
サクサク、サクサクという乾いた音だけが響く。

まさに――
「足音だけが響く山」だった。

落ち葉のじゅうたん

タイトルにしたかった感覚は、ここにあった。


季節を少し追い越した午後

ゴールは田代向バス停。
行動時間は合計6時間07分。

バスを待つあいだ、
寄自然休暇村でマス釣りをしている人たちを眺めながら、

寄自然休暇村


川の水にそっと手を入れてみる。

寄(やどりき)はマス釣りのメッカ

冷たいはずの水が、今日はどこかやさしい。
冬というより、もう春を通り越してしまったような空気感だった。

水の流れがとにかく美しい

[寄自然休養村の風景]

寄自然休養村
中津川と鍋割山稜を望む

「体が重い」という現実が教えてくれること

ともあれ、無事に山行完了。

今日は終始、体が重かった。
景色は最高だったのに、コンディションがそれに追いついていない。

やはり不摂生はダメだ。
仕事は仕方ないとしても、深酒は健康のためにも見直したほうがいい。

……できるかな?(笑)

でも、山に来ると毎回、ちゃんと結論が出る。

体は正直だ。

その当たり前を、今日も山が静かに教えてくれた。

次はもう少し軽い体で。
あのサクサクという足音を、もっと気持ちよく味わえるように。


コースメモ(これから行く人向け)

  • 高松山入口付近は新東名トンネル工事のため急勾配の階段迂回あり

  • ビリ堂までは比較的穏やかな登り

  • 山頂直前は急登でやや不明瞭

  • 尺里峠以降はバリエーションルートにつき地図読み必須

  • 倒木や荒れた箇所があるので注意

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