【イベント】海老名のテラスに、春の密度が立ち上がっていたーー26/03/14 イチゴマルシェ🍓ストロベリーフェスティバル
2026年3月14日、神奈川県海老名市めぐみ町のビナガーデンズパーチで開催された「第51回 ICHIGO MARCHE ストロベリーフェスティバル」 に行ってきた。
イベント公式サイトはこちら。
前回、1月10日の NEW YEAR FESTIVAL の訪問レポートはこちら。
「イチゴマルシェ」の趣旨については、公式Instagramのハイライトにまとまっている。
今回の ストロベリーフェスティバル の告知はこちら。
テラスだけでも、十分に濃かった
当日は快晴。
3月中旬らしい明るい日差しだったが、風はまだ冷たい。
ビナガーデンズパーチ3階テラスには、「ICHIGO MARCHE」と「STRAWBERRY FESTIVAL」の看板が並ぶ。春のイベントらしい軽やかさがありつつ、空気そのものはまだ少し冬の名残を引いていた。

今回も会場は、前回に続いてテラス会場のみ。
広場会場は、新ビル建設の関係で使えないままだ。
テラスから大山方面に目を向けると、手前には建設現場が広がっている。以前なら広場が担っていた賑わいの余白を、いまは工事の風景が占めている。

ただ、実際に歩いてみると、印象は「縮小開催」ではなかった。
むしろ逆だ。限られた空間に出店者と来場者がぎゅっと集まり、場の密度はかなり高い。


2343 DEPARTMENTの看板の向こうにも人の流れが続き、テラス全体がきちんとひとつの“場”になっていた。
土の近さが、このマルシェの芯にある
イチゴマルシェの軸は、やはり農家さんの存在だと思う。
2343 DEPARTMENTが運営しているだけあって、地産地消へのこだわりがぶれていない。
ほっこり農園
前回に続いて出店。
ケール、パクチー、アーティチョーク、菜花、ブロッコリー、キャベツ。黒板には、コーヒー有機肥料とアミノ酸による土づくりの説明が書かれていた。
ただ野菜を並べるだけではなく、どう育てているのかまで含めて伝わってくる。
お客さんがひっきりなしに立ち寄っていて、売り手と買い手の距離の近さも印象的だった。

山田農園(神奈川県愛川町)
こちらも前回に続いて出店。
農薬・化学肥料不使用の野菜に加え、ミモザやユーカリの切り花も並んでいた。春らしい明るさのあるブースだ。

「農家自慢のお米」はるみも置かれていて、さらに「大根の葉はサービスでお持ちください」という手書きのPOP。こういう小さな言葉に、売り場の体温が宿る。

いちご島ファーマーズ
海老名産のエディブルフラワー付きベビーリーフ。
売り場にはマスコットのぬいぐるみも置かれていて、野菜のブースでありながら少し柔らかい雰囲気がある。

テラスの奥まで進むと、さらに野菜の直売ブースが並ぶ。
エシャレット、黒にんにく、長ネギ、かぼちゃ。派手さよりも、日々の食卓に近いものが並んでいるのがいい。

2343 DEPARTMENTが、この場の輪郭を作っている
運営元である 2343 DEPARTMENT の存在は、やはり大きい。
テラスのブースでは、ストロベリーカヌレ、蕎麦サブレ、ワイン、コーヒー豆。
イベント名に「ストロベリー」が入っていても、いちご一色に寄り切らず、あくまで“地域の食の延長”として構成されているのがこのマルシェらしい。

店内に入ると、「LIVING WITH FOOD」の壁ロゴ。

楽菜ファームの葉にんにく、西山農園の松きのこ、厚木いいはちみつ、綾瀬のほっこり農園ののらぼう菜。ガレット&クレープのメニューも並ぶ。

前回も感じたことだが、ここは派手な映えを狙うというより、素材の味を活かすことに重心がある。
その姿勢が、イチゴマルシェ全体の空気にもつながっているように思う。
手しごとが並ぶ、テラスの両サイド
テラスの両サイドには、クラフトやハンドメイドのブースがずらりと並ぶ。
このイベントの面白さは、農産物だけで閉じないところにある。
木工アクセサリーのブースには、イヤリングからカッティングボード、木のスプーンまで幅広く並び、見ているだけで楽しい。

鎌倉木貨 は、「北鎌倉のアトリエで1つ1つ手作り」。
年輪プレートや鳥の壁掛けが目を引き、自然素材のぬくもりがそのまま形になっていた。

LUV&SEA では、海をモチーフにしたサンキャッチャーやアクセサリーが並ぶ。
テラスの空と風の下で見ると、モチーフとの相性がいい。

R・Rabble-Rouser は伊勢原市のレザークラフト。
猫モチーフのトートバッグがかわいくて、思わず足を止めた。

blosquet flowershop のミモザのブーケとリースには、春そのものの明るさがある。

ハンドメイドジュエリーやカラフルなヘアクリップのブースでは、子どもたちが夢中になって覗き込んでいた。
羊毛フェルトの動物フィギュアも並び、パンダ、リス、猫といった小さな存在が、親子の足を止めていた。


いちごだけではない、「食」の厚み
もちろん、食のブースも充実している。
OWLET COFFEE はスペシャルティコーヒー専門店。
「一雫から広がる感動」という言葉どおり、試飲もできる。フクロウのマスコットも印象に残る。

風早橋ガーデングリルカフェ は、Beer Can Chicken の写真が目を引く。
葉山生まれの空気感が、そのまま海老名のテラスに持ち込まれているようだった。

焼き菓子のブースには、ラスク、アップルパイ、いちごロールシフォン、バタークッキー。
「国産小麦」や「発酵バター」といった言葉が並び、素材への意識が感じられる。

米粉の焼き菓子屋さんでは、小麦粉・バター・白砂糖不使用を打ち出したケーキやバナナブレッドが並ぶ。
こうした選択肢の広さも、いまのマルシェらしい。

さらに、カンボジア食品 のブースでは生胡椒やブラックペッパーマヨネーズ、さらには雑貨まで。
地域密着のイベントでありながら、こういう少し意外な出会いが混じるのも面白い。


焼き菓子 at Tabi. は、ガラスショーケースに並ぶシフォンケーキも美しいが、添えられたミモザまで含めてディスプレイが完成していた。

タキモトジンジャー にはクラフトジンジャーシロップの瓶が並ぶ。
食のブースだけ見ても、単なる“いちごイベント”では終わっていないことがわかる。

回遊する仕掛けが、家族連れをしっかり巻き込んでいる
本部のOSBテーブルでは、スタッフがスタンプラリーの案内をしていた。
スタンプ5個といちごクイズで景品、3個でお菓子。しかもテラスだけでなく、PERCHの3階・4階も回遊する設計になっている。

スタンプラリーの紙を手に、子どもたちがブースを回っていく。
こういう光景があると、イベントが単なる物販で終わらず、ちゃんと“体験”になっていると感じる。

今回は いちごクイズ王決定戦 も開催。
景品は2343DEPARTMENTのいちごクレープ、または武井いちご園のいちご1パック。
イベント名にふさわしい遊び心があっていい。

花苗を並べる fleur message のコーナーも春らしかった。
プリムラ、サイネリア、マーガレット、羽衣ジャスミン、エレモフィラ ニベア。
食や雑貨だけではなく、生活の季節感まで持ち帰れる。

また会いました、スペースナナ
今回、個人的にいちばん嬉しかったのは、菓子工房スペースナナ にまた会えたことだ。
「スペースナナ」は、厚木市愛甲の
NPO法人高次脳機能障害友の会ナナ が開設する就労継続支援B型事業所。
前回、1月のイチゴマルシェでクロッカンと米粉パウンドケーキを買い、その美味しさに驚いた。
さらに先週、3月7日の ビナ・シェイク・フェスタ でも再会した。
そして今日、3回目の再会である。
イチゴマルシェ → ビナ・シェイク・フェスタ → イチゴマルシェ。
主催も、イベントの文脈も、それぞれ違う。
それでもスペースナナさんは、いつもこの駅前のどこかにいる。

こういう継続した出会いがあると、イベントは点ではなく線になる。
海老名や厚木の周辺で、店や人や活動がゆるやかにつながっていることが見えてくる。
帰宅後のコーヒーブレイクは、もちろんクロッカンと米粉パウンドケーキ。
やっぱり美味しい。何度食べても、美味しい。

テラスの向こうで工事が進み、それでも場は育っている
最後に、もう一度テラスから大山を見た。

広場会場が使えない状況は、まだ続いている。
テラス会場だけの開催と聞くと、どうしても“縮小版”を想像してしまう。だが、今日のイチゴマルシェを歩くかぎり、印象はむしろ逆だった。
農家、クラフト作家、焼き菓子、コーヒー、花、レザー、福祉。
ジャンルはばらばらなのに、2343 DEPARTMENT が掲げる
「地域の“好き”を見つけるマルシェ」
というコンセプトが通っているから、場としてきちんと成立している。
面積は小さくなっても、密度は落ちていない。
むしろ、テラスだけだからこそ、店と人、人と人の距離が近くなっているようにも感じた。
建設が終わり、いつか広場会場が戻ってきたとき、このマルシェはまた別の表情を見せるだろう。
ただ、今日のテラス開催を単なる縮小版として見るのは違う。
限られた空間だからこそ生まれる距離の近さがあり、いまのイチゴマルシェには、いまのかたちでしか立ち上がらない密度がある。
そのことは、きちんと書き留めておきたい。
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