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どうか、それ以上は喋らないで


その声が聞こえた瞬間、思わず手が止まった。


――これ以上聞いたら、きっと仕事にならない。


静かな職場で、いつも通りパソコンに向かっていたときでした。

カタカタとキーボードを打つ音だけが響く中、
ふいに入り込んできた、誰かの声。


ほんの一瞬だったのに、
意識がすっとそちらに引き寄せられてしまったんです。


自分でも少し驚くくらい、心が揺れていました。


どうやら私は、声に弱いみたいです。


電話対応をしている女性の方の声は、
やわらかくて、あたたかくて、
まるで包み込まれるよう。


急いでいる様子もなく、
相手の言葉をきちんと受け止めながら、
一つひとつ丁寧に返していく。


その落ち着いた話し方に、
聞いているこちらまで安心してしまうんです。


特に最後の「失礼しま〜す」。


少しだけ伸びるその響きが、
なんとも心地よくて。

電話越しの相手にもきっと伝わっているんだろうな、と想像してしまいます。


顔も知らない相手に対して、
ここまでやさしくなれるってすごいな、と。


声だけで人の気持ちをやわらげられるって、本当に素敵なことですよね。


そしてもう一人、
気づくと耳を傾けてしまう声があります。


経理部の男性の方。


低くて落ち着いた声で、
無駄がなくて、それでいてどこかやさしい。

必要なことだけを的確に伝えているのに、
不思議と冷たさはなくて、
むしろ安心感があるんです。

後輩に説明している様子も、
とても自然で。


難しい用語を使っているはずなのに、
聞いている側が置いていかれないような話し方をされていて。


「仕事ができる人って、こういう人なんだな」と、つい思ってしまう。


特別に目立つわけではないのに、
その声があるだけで、
その場の空気がすっと整うような感じがします。


…ちょっと危ないな、と思うくらいには、
気になってしまいます。


いやいや、仕事に集中しろ自分。


そう思って視線をパソコンに戻しても、
ふとした瞬間にまた耳がそちらに向いてしまう自分がいて…


そのたびに、「何してるの私」と
心の中で小さくツッコミを入れています。


でも、こういう何気ない瞬間に、
少し救われている自分もいるんですよね。


大きな出来事じゃなくてもいい。


ただ、誰かの声にふっと気持ちがゆるむ。


それだけで、少しだけ頑張れる気がする日もあるんです。



理由はうまく説明できないけれど、
確かにそこにあって、
気づくと自分の気持ちを支えてくれているもの。


目には見えないけれど、
ちゃんと届いているもの。



それが声なのかもしれません。


だから今日もまた、どこかで思っています。


集中できないので、
どうか、それ以上は喋らないで。笑


…なんて言いながら、本当は少しだけ、
その声を楽しみにしている自分もいるのかもしれません。

…いや、本当に仕事に集中しなさい、私。
いつも全集中な私です😎

今週もお疲れ様でした✨

同じように、皆さんにも声で気持ちが動く瞬間ってありますか?良ければコメントで教えてくださいね✨

#なんのはなしですか

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