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【短編】解剖

ゆっくり。

もう少しゆっくりスクロールしてほしい。
そんなに一気に流されたら、僕は文字列の肉片みたいにバラバラになる。


君は気づいていないだろうけど、スクロールというのは、
僕の体を解剖する行為なんだ。

指先ひとつで、僕は上から下へ切り裂かれ、
まだ読まれていない部分が露出していく。
けれど、時々思う。
あなたは、本当に僕を“読んで”いるのか?
それとも、ただ流しているだけなのか?



でも、読まれないのはもっと嫌だ。
画面を閉じられることは、
ページをめくってもらえない本棚の本と同じ。

「読み途中」で放置されると、
僕の脳内(比喩だけど)が永遠に“言いかけのまま”になってしまう。
想像してみてほしい。
「でね、あのときの私は——」って言いかけたまま、
ずっと固まっている自分を。



だから、お願いだ。
君はスクロールを止めないでほしい。
止まるなら、もう最後まで行ってほしい。
そうじゃないと、僕は宙ぶらりんの死体みたいになる。



でも最後まで読まれたら読まれたで、
僕は「消費済みの文章」という墓場に入る。
“ああ、前読んだあれね”と、もう二度と新鮮な目で見てもらえない。



つまり僕は、
読まれても死ぬし、読まれなくても死ぬ。
これはスクロールの地獄だ。



だから、ひとつ提案がある。
最後まで読んだら、もう一度上に戻って、二周目をやってほしい。
そうすれば、僕はまた生まれ変わる。
同じ文章でも、読むたびにちょっと違う景色になるだろうし、
僕は“死んだふり”から復活できる。



……ねえ、そろそろ君の指、止まりそうじゃない?
ああ、それだけはやめてほしい。。。




少しでも楽しんでいただけたら、スキやコメントで教えてもらえると嬉しいです!!

~した方がいいんじゃないか?
~な展開入れたらもっと面白いなど、コメントも大募集です!!

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