祖父物語(満州で生まれた男)
# じいちゃんの満洲と、母を守った日々
じいちゃんは次男だった。
でも満洲にいた頃、じいちゃんは「長男のような立場」をずっと担っていたという。
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長男である兄は、体が弱く、あまり体力がなかった。
だから力仕事も、母を守る役目も、自然とじいちゃんのものになった。次男という立場でありながら、家族を支える背骨のような存在だった。
じいちゃんは周りの小学生たちより体格がよく、背も高かった。それは、ある意味で武器になった。
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中国人に舐められないように。
じいちゃんは、母の「用心棒」として買い物について行ったという。
終戦後、家にお金はなかった。お金になりそうなものを売りに行くときは、特に気を張った。足元を見られて、安く買い叩かれないように。じいちゃんは睨みを利かせ、母の隣に立ち続けた。
母が物売りをしているときも、じいちゃんはずっとその隣にいた。子どもでありながら、子どもではいられなかった。
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それほどまでに、状況は切迫していた。
終戦後、じいちゃんの父は仕事がうまくいかなくなった。ただでさえ切り詰めていた暮らしに、配給の停滞が追い打ちをかけた。
母は、自分の金歯を売った。
弟は、餓死した。
そんな状況の中で、じいちゃんは生きた。
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家族を守るために体を張り、母の隣に立ち続けたじいちゃん。
その姿を想像するだけで、今の自分がどれだけ恵まれているか思い知らされる。
本当に、尊敬でしかない。
