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【映画感想文】『恋愛裁判』深田晃司監督が放つアイドルの陰への痛烈なメッセージ

 深田晃司監督が企画、脚本もおこない渾身の作品
 元日向坂46の齋藤京子主演でリアリティーあり
 皆さんも漠然と考えていませんかアイドルって
 そこに一石を投じた深田晃司監督の執念を見ました
 未見の方はぜひ映画館で見てください。

【映画感想文】

 深田晃司監督は華やかなアイドルグループにひそむ陰に鋭くメスを入れ既存のアイドルの常識に一石を投じた。しかもアイドルグループの実態を周到に取材しリアリティーを追求していた。

 アイドルグループ、ハッピーファンファーレのメンバーの序列がはっきりと描写される。グループは仲間であるとともにライバルであり、序列によってセンターが決まる。メンバーとファンの握手会や撮影会で、メンバーの前のファンの列の長さが序列を決める。人気が上昇してきた菜々香がセンターを獲得するのはある面残酷であるが、人気という最大の武器がアイドルの本質だとわからせる。

 しかし菜々香は恋人との関係をSNSで拡散され窮地に立ちファンに謝罪する。アイドルはファンの恋人だからだ。事務所との契約書にも異性との交際は禁止という条文がある。菜々香は二度と恋人と連絡を取らないことを条件にグループにとどまった。

 いままでセンターであった真衣も大道芸をやっている中学の同級生、間山と偶然出会い、彼の生き方や芸の素晴らしさから彼にひかれていく。遠くから間山を見ることしかできない真衣の姿がどこか哀れだ。そして真衣の心に一つの疑問が生じる。

 この疑問が消せなくなって真衣はグループを脱退する。事務所から契約書に則り多額の賠償請求を受ける。ここから真衣の裁判が始まる。裁判が行き詰った時、ハッピーファンファーレがメジャーになり、四人のメンバーがペインティングされ、歌を流しながら走るトラックを見て真衣は路上で泣き崩れる。このワンショットがこの映画の核心である。

 真衣はアイドルが嫌いになってグループを脱退したわけではなく、アイドルで華々しく成功したかったのだ。真衣が一貫して疑問と思っていたことは、アイドルは人に好意を持ち交際する人権がないことだ。

 世の中のアイドルグループを見ていて「恋愛禁止」というのは暗黙の了解になってはいないだろうか。深田監督は「そんな思い込みは捨てよ」という世に放った痛烈なメッセージは、誰も気づかないアイドルの人権無視の実態であったのだ。


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