【育児事件簿】左腕が動かない!?元日から3歳児の名演技(ピエロ)に完敗した話
あけましておめでとうございます。 みなさん、お正月はいかがお過ごしでしたか?
2026年は「価値あるものを創造する」なんてカッコいい目標を掲げましたが、実のところ、私の2026年の幕開けは「小さなピエロ」に翻弄されることから始まりました。
今日は、そんな我が家の元日ハプニングにお付き合いください。
賑やかな元日、事件は畳の上で起きた
元日の我が家は、親戚一同が集まり、それはもう賑やかなものでした。 私の母、姉家族、いとこ家族……。大人たちの笑い声と、走り回る子どもたちの足音がBGMです。
我が家には7歳の長男、5歳の長女、3歳の次男、そして1歳の次女がいます。 いつものように、私の背中は子どもたちのジャングルジム状態。「お馬さんごっこ」のハードモード版です。
「うぉー!」と私が立ち上がると、背中に乗っていた子どもたちがキャーキャー言いながら滑り落ちていく。 その中で、3歳の次男だけは必死に私の両足にしがみついていました。
私の膝の高さまで持ち上げられ、ゆらゆら揺れる次男。 「落ちないぞ〜!」と笑っていた彼ですが、ついに力尽き、畳の上へボトッ。
どうやら、落ちた拍子に左腕を少し打ち付けてしまったようです。
「うわぁぁぁん!」
響き渡る泣き声。「いーたぁーい、いーーたーーい」と涙目です。 まあ、畳だし大丈夫だろう。しばらくあやしていると泣き止み、ケロッと笑ったりもしていました。
しかし。 母親(妻)の顔を見た瞬間、スイッチが入ったように再び泣き出し、「痛い」を連呼し始めたのです。
蘇る「脱臼」の記憶
ここで私と妻の脳裏に、ある嫌な記憶がフラッシュバックしました。
それは長男がまだ2、3歳だった頃。同じようにソファから落ちて、腕を脱臼したことがあったのです。あの時の長男の泣き方と、だらりと下がった腕。 「まさか、また……?」
一度そう思うと、居ても立ってもいられません。 時刻は夕方。元日でもありますし、ほとんどの病院は閉まっています。 次男はもう泣き止んではいましたが、「万が一」があってはいけない。私は可愛い顔をした次男を連れ、元日から救急対応をしている病院へと車を走らせました。
疑惑の待合室と「鉄壁のガード」
車の中で、私は薄々感じていました。 (あれ? さっき家を出る時、普通に左腕動いてなかったか?)
病院に着き、医師が触診します。 「うーん、折れてはいなそうですね。動きますし」 先生も首を傾げています。
そして、暇を持て余した次男は、待合室で私にちょっかいを出し始めました。 キャッキャと笑いながら、私の顔の前に右腕を差し出してきます。
私はふざけて、その腕に「ガブッ!」と噛み付く真似をしました。
すると次男は、とっさに『左腕』をサッと上げ、私の顔をガードしたのです。 その動き、あまりにも俊敏。 あまりにもスムーズ。
(……おい、バリバリ動いてるじゃないか)
私の心の中で、疑惑が確信に変わった瞬間でした。
レントゲン室の涙と、20時の自白
念のため撮ることになったレントゲン室からは、「痛い〜!」という泣き声が聞こえてきました。 でも今ならわかります。あれは腕が痛いんじゃない。 「よくわからないデカい機械が怖い」のです。
結局、診断待ちでさらに1時間。 時刻は20時を回っていました。 次男もさすがに疲れてきたのか、「おうち帰りたい……」と駄々をこね始めます。
私は次男を膝に乗せ、静かに尋ねました。
「ねえ、本当は、痛くないんじゃない?」
次男は私の顔をじっと見て、小さく頷きました。 「うん……」
──自白、確保。
親バカだけど、ホッとした帰り道
とんだ名演技でした。 大人たちの注目を集めたかったのか、ママに甘えたかったのか。 元日から救急病院へ連れ出し、数時間を費やさせた小さなピエロに、私は呆れを通り越して笑いが出てしまいました。
「もう、人騒がせだなぁ」
そう言いながら次男を抱き上げると、すっからかんのように軽い。まるで次男のケガを表すような軽さを感じながらも、私の心には温かい安堵感が広がっていました。
「脱臼じゃなくてよかった」 「骨折じゃなくてよかった」
嘘をつくようになったのも、知恵がついた成長の証拠。 ……ということにしておきましょう。
元日の夜、バリバリ動く左腕で私の首に抱きつく次男。 2026年、なんだかんだで賑やかで楽しい一年になりそうです。
本年も、こんな「親バカ」な私と家族を、どうぞよろしくお願いいたします。
