アメリカ・イランの和平合意に思うこと
アメリカの最終的な目的は何だろう。「核開発の放棄」か。しかしアメリ
カ自身も、そしてその他中国・ロシア・イギリス・フランス・インド・パキ
スタンも核保有国。なぜイランだけが核を放棄しなければならないのか。
日中戦争期に日本の首相を務めた近衛文麿は、かつて「英米本位の平和主
義を排す」という論文の中で「すでに植民地を保有している国々(英米)
が、他の後発先進国(日本やドイツ)を脅威に感じ、今の自分たちの権益を
維持するため、表向きは『平和、平和』とうたっているが、そんなのはおか
しい」という趣旨のことを言っていた。ちなみにヒトラーも。結局後発先進
国であるドイツの日本も第2次大戦で敗れ、英米本位の平和主義が正義とな
った(「戦犯」などという言葉はその象徴だ)。ちなみに当時の日本やドイ
ツの行った戦争を肯定しているわけではないことは付言しておく。
今回のイラン情勢の背後にも、この「英米本位の平和主義」が重なって見
える。今日本でも「核保有論」が一部の識者・政治家の間で論じられてい
る。その賛否は別として、日本が核を保有しようとしたとき、今度は日本が
「イラン化」しないだろうか。中国・ロシア・北朝鮮にとって、日本の核保
有は、まさに今回の英米にとってのイランだ。だから他人事とは思えない。
アメリカをはじめ「自国ファースト」で、世界的にも右傾化する中で、日本
はいつまでもアメリカの核の傘を頼ってはいられない。本当にアメリカは日
本を守ってくれるのか。そんな中で核保有論はますます現実味を帯びてい
る。アメリカがイランを攻撃することが正当化されてしまうなら、台湾有事
も同じ。私は批判覚悟で申し上げれば、日本も核を保有すべきだと思ってい
る。しかしもし日本が核開発しようとしたらその先に何が起きるだろう…杞
憂に終わることを願うしかない。そして「英米本位の平和主義」による他国
の核保有の禁止はそろそろ見直すべき時に来ている。
もちろん一人の日本国民として、二度とあのような戦争はしてはならな
いと思うし平和を愛している。アメリカやロシアが平和を語る資格はない。
「核攻撃」は絶対に許してはならない。しかしだからこそ、だ。ウクライナだって核を保有していたらロシアから攻められることはなかった。私が言い
たいのは「早い者勝ち」を盾にして、いつまで核不拡散などという綺麗ごと
を並べているのか、ということだ。
