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なくならない もの (絵本)


ある朝のこと 子猫のタビがめざめると ざわざわ ざわざわ
竹林の竹たちは なにか心配事があるようです


竹のおじいさんが いいました
タビ この林は病気なんだよ
おまえは これから 自分で世界を見つけなさい
できるね


おいき タビ 大丈夫だ
もどってきては いけないよ
おじいさんはいいました


いやだ いやだ
ぼくは ちゃんとします
だから 一緒にいさせてください
おじいさんは 何も言いません
おじいさんもまた
悲しみのあまり はらり はらりと
葉をおとしているのでした


タビは 山のふもとにおりて
お友だちの お花さんに会いにいきました
花はおじいさんの様子をきくと
心配そうな顔をします
そういえば このところ
沢山の人が 山への道を
いったりきたり していたのです


お花とタビがお話をしていると
どこからか 笑い声がします
見ると 二匹の子猫が
タビを見て大笑い
やぁ おかしいな
花と話してら!
花もタビも プンプンです


大はしゃぎの黒猫は
ふざけすぎて木に
なんとぶつかちゃった!
灰色猫は
枝から落っこちちゃいました



あいたたた あたしは片方のお目目がみえないの
黒猫はコブをさすって言います
あたし まどっていうの
灰色猫は あたしはアキレス腱がきれてるの
くっついちゃったみたいだけど
あたしは うずよ
それから 思い出してはゲラゲラ笑うので
タビもわくわくするのでした
気が付くと 物凄い音と匂いがしています
たいへん 山が・・・!
みんなが振り向くと空が真っ赤になって
ごうごう燃えています
行っちゃ いけないっ
お花はタビを止めます
タビは山に 入っていって
しまいました


タビはまだ灰の降る林で おじいさんを見つけました
おじいさんは いいました
タビはかけがえのない時間に
出会ったろう
それを 覚えておきなさい
きっと 意味があるんだよ


わかりました おじいさん
タビはそのまま
おじいさんのそばで
泣き疲れて寝てしまいました



朝が来ると
陽だまりに 子供たちは
あつまっていたのでした






                          おしまい


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