なくならない もの (絵本)

竹林の竹たちは なにか心配事があるようです

タビ この林は病気なんだよ
おまえは これから 自分で世界を見つけなさい
できるね

もどってきては いけないよ
おじいさんはいいました

ぼくは ちゃんとします
だから 一緒にいさせてください
おじいさんは 何も言いません
おじいさんもまた
悲しみのあまり はらり はらりと
葉をおとしているのでした

お友だちの お花さんに会いにいきました
花はおじいさんの様子をきくと
心配そうな顔をします
そういえば このところ
沢山の人が 山への道を
いったりきたり していたのです

どこからか 笑い声がします
見ると 二匹の子猫が
タビを見て大笑い
やぁ おかしいな
花と話してら!
花もタビも プンプンです

ふざけすぎて木に
なんとぶつかちゃった!
灰色猫は
枝から落っこちちゃいました

黒猫はコブをさすって言います
あたし まどっていうの
灰色猫は あたしはアキレス腱がきれてるの
くっついちゃったみたいだけど
あたしは うずよ
それから 思い出してはゲラゲラ笑うので
タビもわくわくするのでした
気が付くと 物凄い音と匂いがしています

みんなが振り向くと空が真っ赤になって
ごうごう燃えています
行っちゃ いけないっ
お花はタビを止めます
タビは山に 入っていって
しまいました

おじいさんは いいました
タビはかけがえのない時間に
出会ったろう
それを 覚えておきなさい
きっと 意味があるんだよ

タビはそのまま
おじいさんのそばで
泣き疲れて寝てしまいました

陽だまりに 子供たちは
あつまっていたのでした
おしまい
